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ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

身を挺して止める - 箱根駅伝に見るサッカー審判員のリスクマネジメント

年明けて2017年の初春。まだ審判事始めとはなっておりません。昨日は筋トレ事始めとし来たるべき実戦に備えております。はい。

 

で、お正月といえば恒例の箱根駅伝。実はニュースで見るまで知らなかったのですけど、復路最終10区において交通規制の連携ミス?が原因で神奈川大学の選手が交差点に入ってそのまま走り抜けようとしたら・・・左側から直進してきた車にあわやはねられそうに(映像を見る限り、「接触」という言葉は不適切と思われるほどの車のスピードとタイミングでした)なりました。

 

さて、一部新聞報道によると「交差点の警察官は、この選手の時も通過の連絡を受けたが『規制するタイミングが遅れ、止め切れなかった』と話している」とのこと。

映像でしか見てなくて断定的なことは言えないにしても連携ミス、で済まされることではなく「起こるべくして起こった」ように見えます。無線で連絡して行動に移るって・・・仮に無線連絡する起点と受けて側の位置(=規制ポイント)がかなり離れている(=連絡から規制の行動に移るまでかなり時間的余裕がある)なら危険性も低いように思いますけど、映像で見ると無線連絡する位置と交差点までの距離はあまりなく時間的余裕もないように感じました。というよりも、そもそも無線連絡だけで交差点に位置している規制担当の警察官の方が行動に移るというのは最善の方法なんでしょうか?

 

こじつけのようですけど、ここに主審と副審が行うような目視できるシグナルと無線連絡の併用など(もしくは交差点側から複数の監視担当の警察官の方が目視で選手が近づいてきてないかダブルチェックするなど)があってしかるべきかなとも感じました。

 

で、なにより選手が安心して安全に通過できるということの証は規制する側が走ってくる車の走路の前に立っていられるか、ということにもなろうかと思います。つまり選手が気づいて車をよける・・・ということではなくまさに車の前に規制する警察官の方がいるので車が走れない状態をつくる、まさに「身を挺して」止める(というかアクセルを踏み込めない、ブレーキを踏んで止まって停止状態になる状況を事前に作り出す)ということですね。

 

サッカーの審判法でいえば、コーナーキックのときインプレーのまえにゴール前で争っている選手に注意するために主審が笛を吹いた場合、キック側にいる副審がボールの前に立ってコーナーキックで再開しようとも出来ないようにしておくとか、カードを提示する場合にブッキングが終わるまでリスタートさせないように主審がボールの前に立つとか・・・事前にやり直しになるような事態を回避するということです。でも仮にこのような状況でボールが蹴られても笛を吹いて止めて、やり直しさせるだけのことで(ゲームマネジメント上は減点です)選手に危険が及ぶわけではないですけど・・・今回の箱根駅伝のように・・・・。

 

とまあ、ことの重要性は全く異なりますけど、上記のようにリスタートのやり直しの危険性がある場合においては主審と副審とのタイムリーな連動や審判員の「身を挺して」の動き(ボールの前に立つ)が求められます(=選手に無駄なエネルギーを使わせない、不要なストレスを生じさせない)。

 

わたしもコーナーキック時に押し合っているゴール前の選手達に注意を促すために笛でプレーを止めたときにボールの方にいる副審の方を見てボールの前になんか立ってくれていると「あ~分かっているな」なんて思ったりします・・・けどこれってもしそのように副審の方に動いて欲しいなら試合前の打ち合わせでお願いしておくべきですよね!まさにこれぞ良き連携ってやつですね。

 

でも、今回の箱根駅伝のヒヤリとした(ほんと紙一重で大惨事になるところでした)一件で思ったことはリスクマネジメントで陥りやすい「落とし穴」をあらためて認識したことです。それは、「今まで大丈夫だったから今までのやり方で大丈夫」って根拠のない判断による想定と準備を行うということです。

 

どんな運転の車でも(仮に故意に侵入してきたとしても)止められるか?1回目の連携ミスがあっても2,3重の連携カバーがあるのか?等々・・・どんな「予期できない」状況でも想定して準備しておくことがリスクマネジメントの基本のキですよね。

 

自身の審判法においてのリスクマネジメントについてあらためて考えてみる機会にもなりましたし、様々なことを大いに考えさせられた今回の出来事でした。

 

では、I'll be back.

 

 

 

 

 

 

 

試合前に「警告」できるのか?または公式見解にもの申す!(後編)

さて、いよいよ「真田丸」を立ち上げます!

 

前回の記事で私は試合前に警告「出来ない」根拠をJFAのサイトに示されている「競技規則 2016/2017  質問と回答」に求めましたけど、ここに示されているのは「『なぜ』出来ないのか?」に対する回答であり、警告出来ないことは競技規則においてすでに付与されたこととなっております。それは:

 

「主審は、試合前のフィールド点検のためにフィールドに入ったときから試合(ペナルティーマークからのキックを含む)終了後にフィールドを離れるまで、懲戒処置を行使する権限をもつ。試合開始時にフィールドに入る前に競技者が退場となる反則を犯した場合、主審はその競技者を試合に参加させないようにする権限を持つ(第3条6項参照)。主審はその他の不正行為を報告する。

 

という条文で示されています。さてここから整理します。

 

 

①懲戒処置とは退場もしくは警告または不正行為の報告のことである。

 

②新規則(2016/17)から主審は試合前のフィールド点検のためにフィールドに入ったときから懲戒処置を行使する権限をもてる。

 

③一方でレッドカードまたはイエローカードを示す権限が行使できる時間帯は旧規則(2015/16)から変わっていない。

 

さてまずは①です。「懲戒処置」という表現は旧規則(2015/16)では「懲戒の罰則」となっています。この部分の英文は:

 

懲戒処置=Disciplinary action

懲戒の罰則=Disciplinary sanctions

 

となっています。

sanctionsという単語は一般的には「(法令・規則違反に対する)制裁・処罰」という意味になるのでactionという単語になった意味合いは必ずしも処罰することに限定しないということを示していると思います。というわけで素直に競技規則を読めば1)の時間帯においては(つまり試合開始時にフィールドに入る前までは)退場(と同等の懲戒処置)は行使できても警告(と同等の事象)については報告にとどめるということになろうかと思います。

 

次に②。中編であげた四種類の時間軸(時間帯)を再度次に書き出しますね。

 

1)主審がフィールドの点検のためにフィールドに入ったときから試合開始時にフィールドに入る前まで

2)試合開始時にフィールドに入ったときからキックオフの笛が吹かれてボールがインプレーになる前まで

3)試合開始から試合終了まで

4)試合終了後にフィールドを離れるまで

 

新しく追加になったのは「主審がフィールドの点検のためにフィールドに入ったときから試合開始時にフィールドに入る前まで」にまで「遡る」形で懲戒処置が行使できるようになったことですよね。さて実務上問題となるのはこの1)の時間帯の起点ですね。競技規則に添付されている「すべての改正点の詳細」にある日本協会の解説によるとそれは「主審がスタジアムに到着後、フィールドの点検時から」となっています。ただ4種の場合など実際の現場ではすでに複数のチームがフィールドで入り乱れてウォーミングアップしていたり各試合の間にもあまりインターバルの時間が設けられていない等々の状況がありますし、(帯同)審判団が一緒にフィールドチェックなど行っていないのが現実でしょう。このような場合は大会開始前に最初の主審がフィールドチェックに入った時点から(もしくは本部側でフィールドチェックが終了し主審が到着した時点から)懲戒処置が行使できると考えていいのではないかと思います(4種の場合マッチミーティングなどない場合がほとんどなのでチームや登録選手を主審が事前に正確に把握するのが困難であるという問題が依然残りますけど)。

 

このような実際の状況に合わせてどのように対処すべきかということが皆さんの一番知りたいことかと思いますけど、それは次回以降に譲り今回はこの1)の時間帯に懲戒処置の権限が主審に与えられた意味合いについて私なりの解釈を主眼に書かせてください。実はこの部分が「真田丸(=一石を投じることが仮に出来たとしても結果はカワラナイ)」の本丸です。

 

その本丸に行く前に③についてです。これは上記の通りです。ここで触れておきたいのは次の2点です。

 

まず1)の時間帯がなぜカードの提示の対象になっていないのか?それは競技規則の英文にもあるようにカードというのは「communicates」するために使用する用具なので、もっと詳細に言えば1)競技者、交代要員または交代して退いた競技者2)審判団3)ベンチ役員4)運営本部5)観客に対して一目で退場や警告の処置が行われたことを周知するための用具なわけですよね。フィールドに入る前には1)~5)までの周知対象者は一堂に揃っていないので用具が機能しないので使用しないということかと思います。これは逆に言えば用具が本来の機能をなさないことを示していても「イエローカードが提示できない」=「警告という概念が存在しない」ということにはなりません。なぜなら禅問答のようですけど、「レッドカードを提示できない」1)の時間帯でも「退場(試合に参加させない)」という概念は存在するからです。さてここでの重要ポイントは退場に該当する懲戒処置を主審がとると決定した場合その周知方法は?ということです。ここは後で触れます。

 

次にレッドカードやイエローカードを提示できる時間帯の新旧の規則の表記の違いについて。

 

新規則: 「ハーフタイムのインターバル、延長戦、ペナルティーマークからのキックが行われて いる間を含め、試合開始時にフィールドに入ってから試合終了後まで、主審はイエ ローカードやレッドカードを示す職権を持つ。 」

 

旧規則:特に表記なし

 

あれ?と思われた方も中にはいらっしゃったかと思います。実際に旧規則では39Pで

「主審は、フィールドに入ったときから試合終了の笛を吹いたのちフィールドを離れるまで、懲戒の罰則を行使する権限をもつ」とだけ書かれていて「カードを示す権限」を時間軸と共に明記していたわけではありませんでした。それにもかかわらず今までもフィールドを離れるまで退場や警告の反則があればカードを示すという約束事になっていたので、この部分については新規則も同様に解釈すべきですね(なぜ「フィールドを離れるまで」と明記しなかったのかは謎?ですけど・・・)。

 

さてではいよいよ「本丸です」。再度私が違和感をもった文章を次に挙げます。

 

競技規則 2016/2017  質問と回答

第 5 条 主審

Q 3 : キ ックオフ前に主審が競技者に 「プレーをできないこ とを 命じる ( 退 場 )」 ことはでき ることとな ったが 、警告 に相当 する 行為であったこと に対して 「警告」 する ことはできないのはなぜか?
 
レッドカードとなる反則は著しく不正なものであり、そうした反則を犯した競技者は試合でプレーす べきではない。しかし、試合前に警告をすることができるようになると、試合開始時に、競技者が既に 警告を示されていることを周囲の人々はわからず、混乱を招くおそれがあることから、これらの不正行 為については報告にとどめる。

 

(下線筆者)

 

そうです。上記の下線部に対しての違和感なんですね。それは二つに分けられます。

 

違和感その1= 周知の方法が「警告」できないことの理由になっている(ように読める)。

違和感その2=この書き方だとそもそも試合開始前には警告の対象となる事象など発生しないかのような誤解を与える(おそれがある)。

 

さてまずは「違和感その1」からです。これまたまた禅問答のようですけど退場(試合に参加させない)処置としたときレッドカードという便利なcommunication equipmentを主審は使用できないので周知を迅速かつ徹底して行う必要があります。すなわち前掲した5)の観客を除く1)~4)の関係者に退場の処置を誰にどのような理由で何時行ったか報告する義務があります。競技者に対してだけ「試合に参加することを認めませんよ」言って終わりにしたらそれこそ「周囲の人々はわからず、混乱を招くおそれ」がありますよね。なので理論的には「警告」でも周知方法を同様にすれば逆に「混乱を回避」できるはずです。なので当該試合にこの警告を持ち越して累積になることが周囲に分からないので・・・というのも警告できない理由にそもそもすべきでないと筆者は考えます。でも間違えて覚えないで下さいね1)の時間帯では警告できないし、そもそも警告できないんだから累積になることもあり得ません。これが筆者が「周知方法がない=イエローカードが機能しない状況である」、ことを理由(のように)書かれていることへの違和感の中身です。

 

では本丸中の本丸「違和感その2」についてです。

 

そもそも今回の1)の時間帯にまで懲戒処置の対象を拡大したのは全く新しい概念というわけではないと思います。もっとひらたく言えば「試合が(プレーが)始まる前に警告できるのか?」との問いには「今までも出来た」という答えなわけです。すなわち2)の時間帯ですね。整列して挨拶するためにフィールドに入った時点ではまだプレーは開始されていないわけですから。なので筆者は今回の1)の時間帯での懲戒処置というのは2)の時間帯の概念がそのまま引き伸ばされて(遡って)適用されたに過ぎないと考えます(ちなみに筆者は試合終了後整列しての挨拶時に起こった事象に対して警告した経験があります。まだ記事にしていないようなのであらためて)。

 

ではその概念とは何かと言えばプレー開始前から責任を持った態度で行動をしようよ、ってことです(もちろん競技規則にそんなこと書いてないですけど)。

もっと言えば今回初めて明記された「サッカー競技の精神(英文では『the"spirit of the game"』となります)」を持って試合に臨もうよ、それはすでにプレー前の行動から必要なことだよ、ってことかと思います。

 

当たり前ですけど、競技規則は審判だけのために存在するわけではなくサッカー競技者誰であろうと常に守らなければならないことです。だから主審が「試合前のフィールド点検のためにフィールドに入ったときから」競技者(それが交代要員であろうとなかろうと)はサッカー競技者として相応しい行動が求められるわけです。

 

もちろん「サッカー競技者として相応しい行動」は会場入りする前から望まれることですけど、競技規則は道徳律や指導要綱ではないのでこれから始まる試合においての安全や公平性を前提に考えたときに上記の主審の行動が懲戒処置の起点となることが合理的なわけです。

 

今、サッカー競技規則は道徳律や指導要綱ではないと書きましたけど、「反スポーツ的行為」があった場合警告するとしている素晴らしい考え方が明記されています。試合が始まる前の警告となると、この「反スポーツ的行為」しかありません。例えば当該試合の競技者間で「この前の試合のお返したっぷりとしてやるからな。楽しみにしておけよ。」といった挑発ともとれる言動にどのように対処すべきか?はたまた審判を見て「今日の試合はXXチームに有利な判定になりそうだよな。みんな覚悟して臨もうぜ」と言ったたぐいの言動には、どの程度エスカレートしたら主審としてどのように行動すべきか?ある意味試合中より難しいマネジメント、それも「反スポーツ的行為」を念頭においた判断が求められると思います。ので1)の時間帯において警告の概念がないかのような誤解を与えることは避けなければならないと筆者は考えます。

 

さてこのように私が何を書こうがどう解釈しようが1)の時間帯では実際には警告できず反スポーツ的行為があったとしても「報告する」にとどまるわけです。この報告の仕方ですけど審判報告書に記入するのはもちろんですけど、やはり1)~4)に伝える必要があると考えます。なぜならそれがこれから開始される試合のよりよいマネジメントに活かされると考えられるからです。審判報告書に記入されるだけだと試合中の安全についての不安定材料を抱えたまま、もしくは一方のチームに不公平感や不安感を与えたまま試合を開始することになってしまいます。なのでやはり筆者は1)の時間帯においても警告できるようにすべきかと思います(累積にするかどうかは別にして)。

 

とまあ、こんなに駄文を長々と展開してもなにも変わりません。試合開始時にフィールドに入る前には主審は警告できません。でも、それはイコール主審が監視対応すべき警告に該当する事象は発生しないということでは決してない・・・ということだけ覚えておいていただければ幸いです(そんなこと言われなくとも・・・失礼いたしました)。

 

うーん、「真田丸」を立ち上げそこなった感じです。やはり真田丸というからにはレッド(赤)はあってもイエローはないってことでしょうか・・・お後がよろしいようで・・・。

 

では、I'll be back

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合前に「警告」できるのか?または公式見解にもの申す!(中編)

さて、先に表題の問いかけに対する答えを書いておきます。

 

ここから色々な時間軸が(ときに明確さを欠いたまま)出てきます。まずは「試合前」の定義です。競技規則に沿えば「試合前」とは:

 

「主審がフィールドの点検のためにフィールドに入ったときからキックオフの笛が吹かれてボールがインプレーになるまで

 

となります。

 

今、私は競技規則に沿えばと書きましたけど「キックオフの笛が吹かれてボールがインプレーになるまで」などとは規則に書かれてはいません。ここはあえて回りくどく書いてみました。なんのためかというと区切ることの出来る時間軸を再度明確にするためです。

 

それは:

1)主審がフィールドの点検のためにフィールドに入ったときから試合開始時にフィールドに入る前まで

2)試合開始時にフィールドに入ったときからキックオフの笛が吹かれてボールがインプレーになる前まで

3)試合開始から試合終了まで

4)試合終了後にフィールドを離れるまで

の4つの時間軸ですね。

 

今までの競技規則(2015/2016)では主審が「懲戒の罰則を行使する権限をもつ」のは「主審がフィールドに入ったときから試合終了の笛を吹いたのちフィールドを離れるまで」となっていますので、2)~4)まではすでに懲戒処置を主審が行使できる時間帯であったことはご存知の通りです。

 

なので表題でいう「試合前」とは1)の時間帯に限定されます。では主審はこの時間帯に警告という懲戒処置を行使できるのかというと「出来ない」・・・と、いうのが公式見解なんですね。それが次のJFAのサイトにある「2016/2017年競技規則の改正および国際サッカー評議会によるその他の重要な決定について」において示されている回答です。

 

競技規則 2016/2017  質問と回答

第 5 条 主審

Q 3 : キ ックオフ前に主審が競技者に 「プレーをできないこ とを 命じる ( 退 場 )」 ことはでき ることとな ったが 、警告 に相当 する 行為であったこと に対して 「警告」 する ことはできないのはなぜか?
 
レッドカードとなる反則は著しく不正なものであり、そうした反則を犯した競技者は試合でプレーす べきではない。しかし、試合前に警告をすることができるようになると、試合開始時に、競技者が既に 警告を示されていることを周囲の人々はわからず、混乱を招くおそれがあることから、これらの不正行 為については報告にとどめる。

 

ここで示されたように試合開始時にフィールドに入るまで(フィールドの外にいるまでは)は主審は懲戒処置のひとつである「警告」は出来ないんですね。もっと正確に言えば「行使する権限をもつ」状態ではあるけど「行使はできない」ということになります。

 

さて、筆者にとってはこれはとても違和感があることで、なおかつ上記回答もなんか本末転倒のような印象を持ってしまいます。

 

というわけで、これから筆者が何を書こうが上記の「決定」が変わるわけはないのですけど、徳川に立ち向かわざる得ない宿命を背負った真田信繫のように筆者なりの真田丸を後編で立ち上げたいと思います(・・・なんのこっちゃ)。

 

では、I'll be back.
 

 

 

 

 

 

 

試合前に「警告」できるのか?または公式見解にもの申す!(前編)

さて本日の記事は意を決して?「サッカー競技規則 2016/2017」の第5条の「例の部分」についてです。

 

何が意を決してかというと、この条文には不明瞭な部分もあることと、実際の場面での適用のためには内容についてのしっかりとした理解と具体的な執行方法を知ってないと・・・あたふたしてしまいそうだからです。

 

ではまず、当該の条文を和文訳と英文で引用します。

 

第5条 主審

 

懲戒処置

 

● 主審は、試合前のフィールド点検のためにフィールドに入ったときから試合(ペナルティーマークからのキックを含む)終了後にフィールドを離れるまで、懲戒処置を行使する権限をもつ。試合開始時にフィールドに入る前に競技者が退場となる反則を犯した場合、主審はその競技者を試合に参加させないようにする権限を持つ(第3条6項参照)。主審はその他の不正行為を報告する。

● ハーフタイムのインターバル、延長戦、ペナルティーマークからのキックが行われている間を含め、試合開始時にフィールドに入ってから試合終了後まで、主審はイエローカードやレッドカードを示す職権を持つ。

 

• has the authority to take disciplinary action from entering the field of play for the pre-match inspection until leaving the field of play after the match ends (including kicks from the penalty mark). If, before entering the field of play at the start of the match, a player commits a sending-off offence, the referee has the authority to prevent the player taking part in the match (see Law 3.6); the referee will report any other misconduct

•   has the power to show yellow or red cards from entering the field of play at the start of the match until after the match has ended, including during the half-time interval, extra time and kicks from the penalty mark

 

さてさて、そもそも「試合前のフィールド点検のためにフィールドに入ったとき」って何時からのことなんでしょうか?

 

試合開始時にフィールドに入る前に競技者が退場となる反則を犯した場合、主審はその競技者を試合に参加させないようにする権限を持つ(第3条6項参照)。主審はその他の不正行為を報告する。」の具体的な執行方法は?

 

そして「主審はイエローカードやレッドカードを示す職権を持つ。」って正確にはいつからいつまでのこと?

 

とうようなことを次回紐解きたいと思います・・・ってまた先送り癖が・・・。

 

では、I'll be back.

どっちのファウル?

最近気になったニュースでいわゆるスピード違反で罪に問われた方が裁判で無罪になったというものがありました。

 

この裁判で弁護側は「別の車両と取り間違えて取り締まりを行ったのでは」と反論。判決曰く「(測定装置を使った取り締まりは)警察官の誤認や判断ミスなどが生じる危険性が否定できない」として当時の状況確認の必要性を指摘。ところが取り締まった警察官の方々の記憶がほぼないので立証が不十分というものでした。

 

「スピード違反をしたのかどうか、したならどの車両か?」という問いかけをそのままサッカーの試合に置き換えるなら「ファウルをしたのかどうか、したのならどの選手か?」というものになります(って無理やり書き換えただけですけど)。

 

さてあるプレーがファウルかどうかは以前にも何回か記事にしています。ファウルを見極めるポイントとして:

1) 相手競技者のプレーへの影響(=相手に思い通りのプレーをさせなかった)

2) 時間と空間

   ●ボールとの距離や位置関係 ●優先順位

3) 因果性

   ●相手競技者のプレー?●自滅?●シュミレーション?

の三つを挙げたこともありました(一つ一つの説明についてはこちら → 「 サッカー審判員よ。今のプレーはなぜファウルなのか?なぜファウルではないのか?それが問題だ(後編) 」)。もちろんよくいわれるように選手の「意図」を見抜くことも欠かせません。ただ今回はファウルかどうかというよりどちらの(選手の)ファウルか?ということが問いかけなので、そこに絞ってお話しますね。

 

と言っても目新しい視点ではなく至極当然のことを主審として見極めるだけのことです。その視点は以下の二つです。

 

① どちらが正当な意図でどちらが悪意なのか?

② どちらが先にファウルしたのか?

 

①は例えばよくあるケースが二人の選手が空中にあるボールを奪い合おうと競り合った時にジャンピングアットだったのかトリッピングだったのか?という見極めだったりしますよね。この場合の見極めは上記2)の「時間と空間」を念頭におけば割と間違わずに見極め可能です。ここにお互いの意図が明確に表れるわけです。「ボールの落下時に間に合わないから」とか「落下してきているボールには届きそうにないから」とかの意図でボールへのプレーを諦めて相手競技者をチャージするとかプッシングするとかトリップするとかは、悪意のプレーです。

 

でも本日のお話は②に絞ります。「えっ?そんな見極め簡単でしょ」とお思いの方もいらしゃると思います。実際そんなに難しくないケースもあります。そんな中でも間違いやすいのがホールディングのファウルの場合です。

 

簡単にいうとどっちが最初に押さえ始めたのか?ってことですよね。もし、ホールディングのファウルがとれない(見極められない)ならまずはそこから出来るようにならないと話になりません。そのような方は手や腕、そして上半身の動きに注意するようにしてくださいませ。さてホールディングのファウルにちゃんと笛を吹けるようになっても、今度はどちらが最初に仕掛けたのかの見極めが必要になります。

 

よくあるケースがドリブルで攻めあがる攻撃の選手が並走して阻止しようとしている守備側競技者のユニフォームを掴んでいる、腕を押さえているという場合。で、この逆で守備側競技者が押さえた場合。いずれの場合も一方の選手がファウルを受けただけなら笛を吹くか、もう少しプレーの様子をみてアドバンテージをファウルを受けた側に認めてプレーオンとするのか・・・の判断だけでOKですけど大抵の場合「やり返す」ことが起きますよね。ファウルを受けた競技者による「反撃(報復)ファウル」です。

 

で、この場合最初にファウルを受けた競技者の認定を間違えると2重にミスを犯したことになります。つまり本当に罰すべき競技者の不当なプレーを見逃し、かつファウルされた競技者に大きな不満を残してしまうということです。

 

この「最初にファウルされたのは自分なのに主審の笛は鳴らないのでファウルし返したら自分のファウルがとられた」という不満は時にさらなる「悲劇」を生むことがあります。つまりインストラクターの方からも指摘あったことなんですけど、この不満によって思わず異議を唱えた競技者にイエローカードを提示って展開です。自分がやられたのに自分のファウルとなった(つまり主審が間違えた)のに、さらに警告という懲戒罰まで受けた・・・踏んだり蹴ったりですね。さらに警告に不満を爆発させ、食い下がり

 2枚目のイエローカードで・・・。もちろんルール上はいかなる場合でも異議は許されず警告の対象となります。でも、最初にボタンを掛け違えたのは主審・・・ではたまりませんね。

 

さてまずは「最初にやり始めた」競技者の認定です。重要なのは:

1)主審のポジション

2)それでもできる死角の見える化

です。

 

1)について。やはり各競技者の動きをよく監視できる位置または角度を保つことが重要です。そのために走る、そして細かく動く、角度を調整する等の手間を惜しまないことです(この辺全然低レベルの私なんかは大きな課題として抱えているわけです)。そして何を見ようとしているのか明確にイメージできている、そしてそれを実際に目の前で起きている現象と照らし合わせる集中力は欠かせません。漫然と目の前で起こっていることを諦観していたり、ボ~ッと見ていてはファウルの見極めはできませんよね。

 

2)は重なった競技者の身体で見えなくなっているファウルを犯している(と推測される)競技者の手の動き等を察知する(で、より良い位置や角度を調整する)というようなことです。そうは言っても100%死角なしなんてのはあり得ません。そこで重要なことが対角線審判法の基本、副審との連動です。この辺は「手のファウルなんかで私から死角になっていると思われた場合はサポートお願いします」と試合前の打ち合わせで確認しておく必要もありますね。

 

でも、今回のケースの様にお互い競り合っている状況でのホールディングにおいては最初にファウル受けている(ホールディングされている)選手がまだプレーしたがっている(ドリブルで突破できそうな等)場合、プレーを止めずに状況を見極めます。ここで声に出して「プレーオン!」としておくのもシグナルとして大切です。それは主審がすでに最初のファウルを認定している、ということの競技者への伝達になるわけです。ですので、副審の方にも「ファウルを受けている選手がまだプレーしている場合は待ってくださいね」と伝えておく必要もあります。

 

このプレーオンの声は「反撃(報復)ファウル」に対する抑止力にもなり得ます。「ファウルを受けているのは分かっているよ。大丈夫、間違えないから」という主審のメッセージです。

 

また4種なんかでは「プレーオン」を聞きなれてない場合もあるので、押さえている競技者に対して「XX番、手を使わない!」と声掛けするのもありです。で、この場合押さえられている(ファウルをうけている)競技者がアドバンテージを得られなかった(次の望むプレーを実行するチャンスを失った)のなら、笛吹いて止めましょう。

 

さてお気づきの通り主審と副審との連動においても、主審から死角になったホールディングが最初に起こった場合には間違った判定とならないように注意しなければなりません。時には副審の助言により勇気をもって間違いを正す必要もあります(それは最終手段だとしても、選手に「被害」が及ぶことは何よりも避けるべきですね)。

 

さてというわけで「ファーストファウル」には2種類あることを覚えておいてください。いわゆる試合を通じての最初のファウル認定=当該試合の主審のファウル認定基準となるべき判定。そして今回のケースにおける、最初にファウルをしかけた競技者の認定です。

 

とまあ、当たり前のことの復習のつもりで書いてみました。さて、どちらにしろ人間は完璧ではないので、間違わないなんてことはあり得ません。あえて言えば一番大きな間違いは「私は絶対に間違わない」と思い込んでしまっているような状態を指すのではないでしょうか?仮にテクノロジーを駆使していても、結局は取り締まる側も判定する側も・・・どちらも人間なのですから・・・。

 

では、I'll be back.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「目を切る」のが早すぎる。

さて本日は地区の割当にて主審を担当。

 

 早めに会場入りし自分の担当する前の試合を観戦。主審の方は同じく派遣された3級の方のようではありますけど・・・なんか動きが・・・走ってない・・・ような・・・ベンチからも不満の声が・・・。う~ん他山の石・・・ですな。

 

さて試合前の打ち合わせにて持ち回り担当の副審の方々とゴール時のシグナル、オフサイドの見極めとキャンセルの場合のお願い等々を確認。で試合開始してからオフサイドのフラッグアップを結構キャンセルさせていただきました。やはり「ウエイト&シー」をお願いしてても早いんですね、フラッグアップが。で、1本フラッグアップされたもののボールに触れたのはオンサイドの2列目の選手だったかもで・・・やはり主審として副審の方の技量も素早く見極め臨機応変の対処することも重要かと思いました。

 

そんな中で一番焦ったことが・・・ゴールキーパーが楽々保持できるなと思いパントキックに備えるため移動しながらキーパーの方を見ると・・・エッ!?

 

FWの選手がボールに詰めてキーパーが慌ててボールを保持しようと追いかけて、ボールに飛びつくもシュートされたボールはゴールに入りました。いや~「目を切って」しまったわけです。何より一番気になったのはゴールーキーパーが本当にボールを保持出来てなかったかどうかです。試合後副審の方に確認したら保持されてなかったとのことですけど・・・はたして保持の状態をその方が正確にご理解されていたかどうか ・・・(こちらをご参照下さい → 「 ゴールキーパーがボールを保持している状態を正確に言えますか?-前編 」「 ゴールキーパーがボールを保持している状態を正確に言えますか?-後編 」)。

 

得点差の観点からは試合の多勢に影響なかったですけど、これが試合を決定づけていたら・・・猛省です(で実はこの直後の展開もまたまた「あれ~!」というものでした。それはまたあらためて)。

 

その昔、実技研修の時にも「プレーから『目を切る』のが早すぎる!」(=遅れていったファウルがとれない)とのお叱りをインストラクターの方からうけました。

 

とまあ、試合やるたびに反省のネタが出てきますな・・・。

 

では、I'll be back.

 

 

PK戦における主審によるDIYの勧め。

さて筆者は下手の横好きで、たまにDIY(木工)なんかやります。と言っても大したものは作れずもっぱら板を打ち付けたり、壁にフックをつけたりとまあ単純作業でございます。

 

で、DIYと言えば欠かせないのが電動工具。その中で使用頻度が最も高いのはドリルドライバー。下穴を開けたり木ねじを締めたりと大活躍です。さて、最近になって必要に迫られて購入したのがインパクトドライバー。

 

ドリルドライバーとインパクトドライバーの違いは回転しながら締め付けていくドリルドライバーに対してインパクトドライバーは打撃を加えながら締め付けるのが特徴です。デッキ材に使われるハードウッドと呼ばれる堅い木材やサイディングとかコンクリートのような堅いものにネジを打ち込むためには必須の道具です。これらの場合はドリルドライバーでは歯が立ちません(ちなみに日曜大工で作業環境が許すならバッテリー式ではなくコード式のインパクトドライバーがお勧めです。なぜなら割安、軽い=扱いやすい、バッテリーの劣化を心配する必要なし、だからです)。

 

ではインパクトドライバーが一台あれば事足りるかと言えばやはりドリルドライバーが欠かせません。というのもインパクトドライバーは打撃を加えながら締め付けていくので柔らかい材ですとネジ頭が食い込んで材を痛めてしまいます(慣れれば加減を調整できますけど微妙なところは難しいです)。そもそもインパクトドライバーは音がとても大きいのでちょっとした締め付けには騒音になりますね。というわけで材料や状況に応じて二つの電動工具を使い分けるわけです。・・・ってサッカー審判員と関係ない話・・・ですね。

 

さて閑話休題。先月、今月に入って4種の公式戦で主審を務めた時のこと。まず先月の主審担当時には久しぶりにPK戦となってしまいました。この時ちょっと「やらかして」しまったのです。

 

そう。自分で偉そうにPK戦時の手順を書いておきながら(→ 「その場をどう仕切るか?イタリアンレストランでのオーダーとペナルティーマークからのキック(後編) 」)結構手順を間違えたりして、しかも最悪の出来事が。それは・・・ブッキングの間違いでした。

 

筆者はアディダスのブッキングシートを愛用しているのですけど、この時最初のキッカーを記入すべきチーム名を間違え・・・気を取り直してチーム名をひっくり返して記入したつもりが・・・また記入場所を違え・・・ありやりゃ・・・ワカラナクナッテシマッタ・・・(恥)。

 

結論からいうとこれで勝敗が決するキッカーが蹴る直前にゴールライン上にいる副審の方に平静を装い歩きながら(内心焦りまくり)近づき確認した次第・・・ああ大失態。このような形でキッカーやGKのペースを乱すのは最悪です。まあ、結果オーライで間違えずに試合終了させましたけど失笑を買ってしまいました。

 

さてここから言い訳。実は筆者はすでに老眼になっておりとにかく小さいものが見辛い。しかもちょっとでも明度が落ちると(例えばナイターや曇りの日)これが辛いんですね。で、これは筆者が悪いのですけどアディダスのブッキングシートのPK戦の選手の番号と結果を記入するマス目が・・・「小さすぎる~」ことをPK戦が始まってから気が付いた次第です。トホホ。

 

とにかく重要な記入欄なのに全体に比してとても小さいので(あくまで筆者にとっては)結果を選手番号に重ねて〇✖で記入するともうマルなのかバツなのか、よく見えないのです(あくまで筆者にとっては)。

 

で、今月あらためて主審を務めた時のこと。走力最強の同じ3級のIさんのブッキングシートをのぞき込むと・・・あっ!手作り・・・!!そう。とても見やすいのです。スペースも文字も大きい。そうか!コロンブスの卵のようですけど、無理して既存のブッキングシートを使用しなくても自分に合わせて手作りすればいいのか!と気付いたわけであります。

 

試しにその時、ちょうど決勝戦がPK戦にまでもつれ込んだのでその場で手作りしたPK戦用のブッキングシートを使って記入してみると・・・ナンテ、ツカイヤスインダ。

 

というわけで今後PK戦用のブッキングシートは「DIY」にて用意しようとなった次第です(ドリルドライバーとインパクトドライバーのごとく二本立てでシートを使い分けようかと)。

 

とにかくブッキングはとても大切で、審判報告書の基ともなりますので各自必要に応じて手作りされてみてはいかがでしょう。

 

というわけでシニア審判員の遅まきながらの気づきの巻でした。

 

では、I'll be back.