ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

新シーズンまもなく 

筆者は普段メガネをかけておりますけど、近年は老眼のため手元が見辛いため、おでこの上にメガネを載せていることがほとんどです。でも今朝自宅を出る前にメガネを見失いそのまま出社したら・・・もう帰宅時には周囲の風景がぼやけて輪郭がはっきりしていないわけです。以前も書きましたけど酷い近眼ではなく(運転免許の条件付きではない)いわゆる「ガチャ目」の乱視なわけなんですね。

 

さて4月からいよいよ新シーズンが始まります。いよいよ「旧ルールですか?新ルールですか?」って確認も必要なくなるわけです(3月中はまだまだ競技会規定によって異なっており確認の必要がありました)。

 

そこで準備です。何を?というわけで(やや強引ながら)以下の5項目を挙げておきます。

1.知識

2.装備

3.身体

4.体力

5.精神

 

1は競技規則の確認ですね。記事は全く追いついておりませんけど変更点を中心におさらいしておきましょう。特にレッドカード、イエローカードオフサイドに関しては念には念を入れて。

2について。例えばシューズの紐が切れそうになってないでしょうか?私の場合はショーツを買い換えました。夏場も冬場も同じショーツを使っては洗濯してまた使っては・・・と数年間繰り返した結果もはや退色して「鮮やかな」黒色ではなくなったわけです(余裕あるならショーツは2セット欲しいところです・・・)。

3は例えば虫歯を治療するとか、審判任務遂行のための万全のフィジカルコンディションにしておこうということです。で、実はこの3が私にとっての今回の最大の課題なわけです。あらためて。

4はトレーニングを継続して必要な走力、持久力、瞬発力を保持する。またはケガの予防にもなる柔軟性やバランス力を養っておこうということです。もうシニアと呼ばれる私の場合は積極的な筋トレを取り入れております。はい。

5は心の準備ですね。イメージトレーニングも役立つと思います。

 

まあ、2月、3月も審判活動は行っていたわけですけど、やはり新シーズンともなると気持ち新たにの感が強まります。

 

さて私の課題は3.それも審判員にとって一番大切もいえる身体のあの部分を「矯正」し「強化」したいと思います(まあすでに冒頭で述べたことなわけです。次回または来月の記事で)。

 

では、I'll be back.

 

 

 

サッカー交代の手続き - まずはここに気を付けろ!の巻

主審、副審、そして第4の審判員として競技者と交代要員を入れ替えること(=つまりは「交代」)はどなたでも経験のあることだと思います。でも、イマイチその進め方がよくわからないなあ~と思うこともあるのではないでしょうか?

 

思うに達成しようとすることは単純(=人の入れ替え)なんですけど、そもそもお手本となる交代方法って何?とか注意すべき点なんてあるの?・・・という意識の方が多いように思います。これは別に批判しているわけではなく、試合中一度も交代がなかった,とかのように交代の経験を積み重ねていく機会がそう多くないことにも(ましてや主審、副審、第4の審判員と立場を変えて)関係しているように思います。でも交代についての意識差のようなものが生じる本当の原因はカテゴリーや大会規定によって交代に関する厳格さや手続き方法の違いがあることに求められるように思います。

 

例えば、乱暴に言い切ってしまうと市内とか町内とかの4種の公式戦での交代って「ゆるく」行われているのが現状ではないかと思います。私も交代の手続きで行うべきことや注意すべき点は3級審判員になってからの割当て試合なんかで学んできたことの方がはるかに多いです。

 

なので本日はカテゴリーや大会規定に関係なく交代において気を付けるべきことに絞って書きますね。それは大きく:

① 監視

② 運営

の二つに分けられます。

 

まず①の監視には:

1)資格

2)用具

3)人数

4)回数

5)番号(≒再入場)

が挙げられます。

 

多分、この言葉をご覧になっただけで説明は必要ないかと思いますけど念のため一つずつ見ていきましょう。

1)の「資格」はまず:

試合前に提出されたチームリストに名前のある交代要員であるのか?

ということになります。でも、これではチームリストを審判員が試合前に確認などしないことがほとんどの4種の場合においてはそもそも気を付けようがありません。もっと言えばこれは交代の手続きの時に初めて気を付けるべきことではなく試合前の確認がすべてともいえる監視ポイントです。

 

なので今回のようにカテゴリーや大会規定の厳格性に関わりなく監視すべき「資格」とは、ズバリ5)の「再出場」に関する資格となるわけです。後ほど触れます。

 

 

2)は:

「身に付けなければならない基本的な用具」や「その他の用具」が競技規則第4条に適合しているか?認められていないものを身に付けていないか?

ということですね。

 

さて今回最低これは意識して欲しいというのが実は3)~5)なんです。

 

1)は論外にしても2)は仮に用具の不備のまま出場させても、それを正すことのできるチャンスがありますけど3)~5)を間違えると大変な問題になります。特に4)5)は一度間違えてしまって試合を開始してしまうとリセットが不可能です。

 

ここからは3)~5)セットで見ていきましょう。なぜならこれらはコインの裏表の関係になって特に5)が認められるかどうかで監視すべき点の比重も大きく異なります。

 

なのでまず5)から。再出場の可否は試合前に大会規定を真っ先に確認しておきましょう。通常は再出場可なら「自由な交代を認める」と規定されているはずです。で、再出場が認められないなら、一度交代でフィールドの外に出た選手は二度とフィールドに入れてはいけません。つまり交代した時点でその選手は競技に参加する「資格」を失ったわけです。また当たり前ですけど退場処分になった選手も「資格」はないので二度とフィールドに入れてはいけません。(ちなみに退場処分になった選手が離れなければならない「フィールド周辺」とは当該競技場においては明確にどこのことなのか(=逆に言えば「どこに行けばいいのか」)試合前に審判団の間で確認合意しておきましょう)。*ちなみに大会規定に「自由な交代」と書かれていると4種の場合8人制の場合のように主審や補助審判員の承認なしに交代できると勘違いされるベンチ役員の方もいらっしゃいますので要注意であります。

 

こうやってみると一見同じことを言っているように思える3)と4)を分けている意味もお分かりいただけると思います。

 

つまり:

「再出場」可の場合は回数をまず第一の監視項目に置きます。交代の回数が規定以上になることは絶対に避けなければなりません。もちろん選手の出入りは厳格に監視する必要がありますけど、多分ほとんどの場合出入りする選手の番号をその都度ブッキングされたりしてないのではないでしょうか。本来それをすべきですけど、それよりも各チームの交代回数を「正」の字を使ってカウントする方が実用的に思います。

 

さてでは「再出場」不可の場合は人数・・・とはなりません。これも同じく交代の回数でOKです。では人数とは何かというともし交代要員の数が交代できる上限の数未満なら(例えば交代が6人まで認められていても実際の交代要員は2名しかベンチにいない場合等)交代回数はその人数を超えることはあり得ないわけなので、交代要員の数を把握しておくことが再入場も防止し交代が「不正」に行われないことの徹底につながります。

 

しかし「再出場」不可の場合の一番の監視項目は「番号」となります。つまり同じ番号の選手が2度入場することは絶対にさけるということです。ここは最重要監視項目です。この場合はブッキングに手抜きなきよう。

 

さて再び3)です。実はこの「人数」というのはフィールドの中にいるべき選手の人数という意味なのです。11人なら交代後も当然11人です。退場の処置で10人になっているチームが交代で11人になってはなりません。なので12人なんて絶対ダメあり得ない・・・ことが絶対起こらないとも限りません。この防止には的確な入退場のプロセスが求められます。そこで次の②の「運営(=オペレーション)」となるわけです。

 

②運用には:

1)タイミング

2)スピード

の両方が要諦となります。

 

1)は原則的に交代の要請があって準備が整ったなら第4の審判員はいかなる場合でも次のアウトオブプレーで主審に交代の承認を求めるということです。「クイックスタートしそうだから今じゃなく次のアウトオブプレーまで待つか」は主審と交代のタイミングについて特段の取り決めがない限りは、勝手に判断することはNGです。アウトオブプレーがスローインだろうがフリーキックだろうがコーナーキックだろうが交代を最優先しましょう。アディショナルタイムの表示や伝達と選手交代のタイミングが重なったらどうしますか?この場合も交代優先、アディショナルタイムの表示は行わなくてOKです。

 

最後に2)は当然ながらなるべく時間をかけずにスムーズにスピーディに交代の手続きを行おうってことです。複数の交代が要請されたら交代となる競技者の番号を一人呼んでは交代し、次にまた一人呼んで交代・・・なんてことはやめましょう。審判員がアディショナルタイムの加算に加担するようなことはNG。

 

「自由な交代」で仮に6人同時の交代が要請されたら・・・交代カードがなければ交代要員の選手に次々と交代するフィールド内にいる選手の番号を呼ぶように指示するのも一つの手です。交代カードがあるなら順番にそれを見ながら呼ぶのも手ですけど、この場合も交代ボードで全員の番号を表示していたら日が暮れてしまうので、この場合も選手に番号を言わせるのも手です。

 

さて、ざっと上記のような監視ポイントと運用の注意点を挙げてみました。で、交代の場合はやはり経験による慣れが大切かなと思います。で上記の運用と矛盾するようでもありますけど、慣れてないのに急いで処理しようとするととんでもないミスを犯しかねません。確実に自分の中で監視ポイントがクリアできたことを確認しながら、落ち着いて焦らずに必要な時間をとることを恐れずに交代は行いましょう。できれば4種の試合なんかでも積極的に第4の審判員を担当して実践してみてください。

 

では、I'll be back.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主審の判定スキルが飛躍的に向上するの術(・・・かもしれない)

3級審判員の私達の場合、1級審判員の方々と組んで試合を担当させて頂くことはありませんけど、2級の方やより上級を目指す3級の方々と組む機会は頂きます。やはり上級の方とご一緒させていただくと色々な意味でとても勉強になります(お叱りをいただくことももちろんあります・・・汗)。

 

さて、そんな中で主審として判定スキルを磨くためのヒントがあります。

 

「ファウルがとれていなかったよ」とか「あのプレー見えてた?」とか「争点から離れていたね」とかのご指摘いただく原因は何度も記事化しているように「ちゃんと走れていない」という基本のキが出来ていない、もしくは「ポジションが良くない」ということもありますけど、もうひとつの原因は「何を見るべきかがわかっていない(もしくは「なんとなく見ている」)」ということも挙げられます。

 

ここで、いきなりですけどフランスの哲学者ミシェル・フーコーがその著書「言葉と物」で述べていることをちょっと長いですけど(しかも分かり辛い!)そのまま以下に引用してみます。

 

「物と語はきわめて厳密に交錯している。自然は名称の格子をとおしてしかあたえられない。そして、そのような名がなければ無言で目に見えぬままにとどまるはずの自然は、自然を知にたいして提供し、それを言語によってすみずみまで貫通されたかたちでしか目に見えるものとしない、この基盤目の彼方にたえず現存しながら、それらの名のはるか背後できらめいているのだ。」

 

この文章の私の勝手な解釈は「人は網膜に映っているもの全てをそのまま知覚することは出来ない。ひとつひとつのものを言葉に置き換えること(=例えば物に名前を付けるとか)で知覚できている」ということです。

 

これは決して言葉が万能で見えているものすべてを言葉に置き換えることで把握できるということではありません。試しに、今あなたがいる場所から見えるものすべてをはるか離れた場所にいる友人に電話で伝えようとしてみてください。話言葉であろうと文章であろうと網膜に映っているものすべてを言葉に置き換えるっていうのは人間には不可能(というか、それが言葉の限界でもある)だということがすぐに分かると思います。

 

一方で、不思議な感覚でもあるわけですけど、目の前にあるものが言葉に出来ないと「なんとなく見えている」けど、それが何であるかは人間には把握できないんですね。

 

これを極端に言い換えるとスイスの言語学者フェルディナン・ド・ソシュールが言ったといわれる「あらかじめ確定された諸概念などというものはなく、言語が現れないうちは、何一つ分明なものはない」と同義になるかと思います。

 

とまあ、恒例の「回り道」をしましたけど、主審の判定スキルというのは判定すべきことが主審自身の頭の中で明確になっているか(=きちんと言語化できているか)どうかに左右されるということです。

 

なので自分自身が出来ていないことを棚に上げて申し上げると主審として「何を見るべきか」を常に言葉にして心の中にもちながら選手の動きやボールの行方を監視することで判定のスキルが向上するのでは?・・・ということです。そして上級の方々をみると必ず複数の「何か」を、しかも同時に監視していることが分かります。

 

ここでは「複数」ということと「同時」ということが極めて大切になってきます。なぜならどんなに判定スキルの低い主審でもとりあえず「何か」を見てはいるけど、そればかりに集中して、ほかの(場合によってはもっと重要な争点かもしれない)「何か」を見落としているかもしれないからです。

 

そこで提案(?)なんですけど、主審を担当するにあたり常に同時に3つの視点(=監視すべきこと=「何か」)を(頭の中で)言葉にして持つようにしましょう。

 

なぜ3つかというと、2つまでなら割と簡単に同時に監視すべきことを挙げることができると思いますけど常に同時に3つ(それ以上でも別によいわけです)となるとちょっと考えないと挙げることが難しい場合もあるかもしれないからです。つまりこの「ちょっと考える」ということが訓練になるわけですね。

 

あとこの同時に3つの視点を持つことは、今目の前に起こっている事象だけでなく、これから起ころうとしていること(=例えば次の争点や展開)に対する視点も含まれていてもOK、というか含まれているべきでしょうね。正確にいうとこれは先を見通しておくということで視点というよりも視野の問題かもしれません。

 

ちなみに(ふたたび回り道になりますけど)ここに視点や視野の違いについて簡単に記しておきますね。

 

視座 = 誰から見るのか

視野 = どの範囲を見るのか

視点 = どこを見るのか

 

以前書いたことの繰り返しになりますけど、スタジアムにおいては観客の見え方と主審の見え方は当然違います。距離が主審より離れて高い目線で見ることができる観客にはより俯瞰的にフィールド全体を見ることができます。これでお分かりのように視野や視点を変える(広げる)ためには視座を変える(=他の人になったつもりで見てみる)ことが手っ取り早いわけですけど、主審はあくまでフィールドの中にいる必要があります。なので主審が異なる視野や視点を手に入れるためにはやはり「よりよいポジションを求めて動く」ことが必須になりますね。

 

で、今回のお話はあくまで視点に絞ります。

 

さてでは訓練として次の状況での主審としての視点(=監視すべきこと、または予測すべきこと)を3つ挙げてください。

 

① キックオフ

② 主審サイドからのコーナーキック

③ ゴール前のフリーキック

④ 守備側選手達による自陣深くでのパス回し

⑤ パントキック

 

当然その時々の試合全体の状況や時間帯またカテゴリーや選手の技術レベルによって、「同時に持つべき3つの視点」は異なるでしょう。下記に挙げるのはあくまでも一例とお考えください。

 

① 同じ選手による「2度蹴り」はないか?主審サイドのタッチライン寄りにいる競技者によるインプレー前の相手ハーフへの侵入はないか?キックオフ側でないチームの競技者によるインプレー前のセンターサークル内への侵入はないか?

 

② ボールはコーナーエリア内で静止した状態で置かれているか?ゴール前の競技者が腕や手などを使って相手競技者を押さえてないか?クイックスタートによるショートコーナーなどの戦術の邪魔に(主審のポジションが)なってないか?

 

③ (クイックスタートもあると意識して)相手競技者の位置や動作はどのような状態か?壁の中での小競り合いの状況は?ボールがインターセプトされたり、ゴールキーパーによってキャッチされ前線に素早く送られた場合にカウンター攻撃にかかわりそうな競技者の位置や人数は?

 

④ ボールを大きく前に蹴り出しそうな予備動作は始まっているのか?ボールの供給を受けそうな攻撃側競技者の位置や動きはどのような状況か?パスが行きそうな攻撃側競技者と守備側競技者の競り合いが始まっていないか?

 

⑤ ゴールキーパーによる(ペナルティエリアの外にボールを持ったまま出てしまう)ハンドはないか?ゴールキーパーが6秒ルールに抵触するような恐れはないか?ボールの落下地点でのプレーの優先権はどちらの競技者にありそうか?

 

こうやって書いてみると3つじゃ足りないですね。あと重要なのはこの3つを順番に監視するということではなくあくまで「同時に」監視することが肝要です。例えば②の主審サイドからのコーナーキックの場合、私なんかはボールがコーナーエリア内に置かれてるのを確認してゴール前でのインプレー前の選手の競り合いに再び目を向けて・・・となりますけど、これではボールが正しくセットされているかどうか?ばかりに意識が集中していて、この隙に何か懲戒罰になるような行為、もしくは注意を与えるべき行為があっても主審は見ていなかった・・・となってしまいます。この場合例えばあくまでもゴール前の競技者に目を向けながら主審サイドのコーナーエリアにバックステップで近づきながら首を左に振ってボールのセットを監視するという方法もあります。要は「視点を同時に複数」をということです。

 

あと上記のケースにおいて多くの視点が簡単に挙げられる場合とそうでない場合があると思います。そうでない場合にその人にとっての機会点が多くあると考えられますね。

 

というわけで「同時複数視点」というキーワードで主審の判定スキル向上について書きましたけど、これを試合全体を通じて意識し実践することが何より大切。わたしも引き続きチャレンジします!

 

では、I'll be back.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サッカー審判員が会場についてからフィールドに入るまでやるべきこと。

さて、週末に3種の副審を担当したところ・・・前回の「串刺し」と全く同じ状況に。

さっそく前回で書いたことを実践し、オフサイドラインからずれて後方に回り込みタッチラインとボール全体との位置関係を見極めた・・・かと言えばそうではなくオフサイドラインをキープしたままボール、ドリブルで抜けようとする攻撃側選手、それを防ごうとする守備側選手と一直線になって並走。次の瞬間に攻撃側選手の斜め後方からボールを見下ろすよう視線でボールとタッチラインとの位置関係を見極めボールの全体がフィールドの外に出たと判断しフラッグアップ。攻撃側選手からの違和感や異議の言動もなかった・・・という次第でした。

 

う~ん、やはり頭で考えたことと実際の場面で遭遇したときの動きやイメージは違いますね。この課題まだまだ検討の余地ありです。

 

 

さて今回は試合会場についてからフィールドに入場するまでの間、審判員としてやるべきことは?ということについて簡略に書いてみたいと思います。

 

1.本部挨拶

2.フィールドチェック

3.マッチミーティング

4.審判団打ち合わせ

5.用具の確認

6.選手確認

 

ざっと書くとこんな感じです。あれ?順番がオカシイのではと思った方もいらっしゃるかと思いますけど、そうです、必ずしもこの順番でなくともいいのです。あと、これだけ?と仰る方もいらっしゃると思います。そうなんです、これだけでない・・・かもです(要は曖昧・・・)。

 

さて上記「やるべきこと」リストは単なるセレモニーではないので何のためにやるのかを理解することが肝要ですよね。何のためか?を以下に書きますと:

 

① ラポールの形成

② 競技規則の要件への適合

③ ローカルルールの確認

④ 審判団の意思統一

⑤ 大会運営者との合意形成

 

となります(上記①~⑤の「何のため」は前述の1~6の「やるべきこと」とは順番通りの対応関係にあるわけではないのでご注意を)。

 

さてまず①.これは本部(大会運営者)に挨拶したり初対面かもしれない自分以外の審判員と会話することでラポール(=人と人との間がなごやかな心の通い合った状態であること)を作っておきましょう、ってことです。身体と同じで十分に温まっていない状態で、事務的な打ち合わせなんか始めると・・・人間関係のアキレス腱が切れたりしかねませんから。心のウォーミングアップもお忘れなく。

 

次に②です。これはここですべてあらためて書く必要はないと思いますけど競技規則の第1条~4条までの要件にフィールドや選手や用具やボールを適合させるってことです。

 

旧競技規則では「使用するすべてのボールを確実に第2条の要件に適合させる」「競技者の用具を確実に第4条の要件に適合させる」ことが主審の任務として書かれています。ところがこの記述は新規則ではなくなっています。でもこれは当然、主審の任務から削除されたりしたわけではなく変わらぬまま必須任務(当然副審も主審と協力してこの任務を果たすことが求められています)であります。新規則にも旧規則と同じく主審の任務として「競技規則を施行する」と書かれているわけで、この記述で十分だという判断に今回なったのだと思われます。

 

ポイントとしては両チームのユニフォームの色が識別可能か、またボールの気圧も主審に設定値を確認して気圧計で計測して調整しておきます。そのためにも整列前に早めに試合球を両チームから出してもらいましょう(整列してから手で押したってボールの気圧は分かりませんよ。念のため)このボールを早めにもらっておくのは副審の役割です。

 

あと意外と見落としてしまうのが、ベンチにいる交代要員のビブスの色。この色がユニフォームの色と重なっていたり近いと・・・A2担当の場合(つまり本部およびベンチに向かってフィールドに正対している)オフサイドラインの監視がやり辛くなる場合があります。ビブスは着用していればいいというものではなく、フィールド上にいる競技者と確実に見分けがつくようにする用具なわけです。

 

③はマッチミーティングがあってもなくても、大会運営者にしっかり確認しておきましょう。審判団の誰かが分かっているだろうなんて思い確認せずにいたら・・・誰も分かっていなかった!なんてこともあり得ます。とくに交代の制限(何人までOKか?再出場は有りなのか無しなのか?等々)や飲水タイムの有無や取り扱い方、試合結果の決定方式なんかは確実に確認です(もはや新規則で行うか旧規則で行うかの確認も不要となりますね)。あとベンチ役員と交代要員の人数(要はベンチには何人入ってもいいのか?)も大切な確認ポイントです。

 

④はいわゆる試合前の打ち合わせです。疑問があれば、これまたちゃんと確認して主審(副審)と意思統一しておきましょう。

 

最期に⑤。審判団が安心して試合に集中できるのは大会運営の方々がいてくれるおかげです。ですから本部とは最大限の協力関係を作っておく必要があります。第4審判員がいない時の交代手続きのサポートなどしっかりと確認しておきたいものです。またこれは両チームの監督を交えたマッチミーティングでの主審からの伝達事項となりますけど、キックオフ何分前に笛を吹いて選手に整列してもらうのかも伝えておきましょう。この時大会本部で先発選手をチームリストと照合しながら確認し審判員が用具確認するなら目安として5分前、両方を整列後に行うなら7分前(あくまで目安です)とかに設定。とにかくキックオフから逆算しておくことが大切です(フィールドに入って整列挨拶後にボールを蹴る時間を選手に与えるのか、記念撮影があるのかもチェック)。キックオフ時間の変更有無しはしっかりと大会本部と合意確認しておきましょう。(ちなみに過去記事《こちらです→「 サッカー主審の重要任務 - タイムキーパー 」》の繰り返しになりますけど15時キックオフなら15時~15時59秒の間にインプレーになればいいということです。念のため。)

 

そうそう上記に出てきたチームリストは早めに入手して先発選手の番号をブッキングしておきたいものです。同時に各チームの交代要員の数も(ゼロの場合もあり得る)把握しておきましょう。

 

なんか思いつくまま書いたので漏らしてしまっていること多々あると思いますのでアドバイスなど頂ければ幸いです。

 

大切なことは競技規則の施行というのはキックオフから開始されることではなく、その前から始まっていて特に1条~4条の施行はフィールドに入る前から審判団として確実に行いましょうということです。そしてちょっとでも不明確もしくは不安な点があれば迷うことなく審判団で話し合い確認を行いましょう。

 

実際には多くの4種の場合などでは上記のことを理想的に進めたり実行することは難しいとは思います。ただ上記のようなことを知ってて(分かっていて)省略するのと知らないまま(分かってないまま)試合に臨むのでは全く審判団の準備状況としては異なること覚えておいてください。

 

いくつかのことは、またあらためてフォローアップ記事にしたいと思います。

 

では、I'll be back.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

副審のポジションにおける「串刺し」 ー オフサイドラインのキープの例外

 主審のポジションの悪さを指して「串刺し」という言葉をよく使いますよね。なにげなく使っているこの言葉。人によってはどのようなポジションなのか具体的にイメージできていないかも?(例えば審判経験のまだまだ少ない方等)と思うときがあります。

 

以前主審のポジションが「串刺し」という状態について以下のように説明したことがありました。

 

「さて次に②の「プレーに対して串刺し」とは、よくインストラクターの方からも指摘されたことです。要はプレーに追いつけていない(適切な距離を保てていない)まま対角線上に回り込むことができず副審と挟むことができていない状態です。プレーしている選手を真後ろから追いかけているってことですね。」(こちらの記事全文 → 「 サッカー主審の動き - 言うは易し行うは・・・後半 」)

 

あらためて「串刺し」という主審のポジションについて説明すると、ここはやはり串にさされた焼き鳥とかシシカバブなんか思い出していただけるとよいかと。つまり串にさされているモモ肉とかネギとかパプリカとか羊肉とかが一直線上に並んだ攻撃側選手、守備側選手、ボールに対応しているわけです(食材の具体性はここではなんの意味もございません)。「串刺し」はちょうど串にささった片側の食材を目線の高さで両目の中央に持ってきて、串を目線と平行にして食材を見ている状態なので食材と食材との間は当然見えないし、その位置からの視線では何の食材が刺さっているのかも見えないはずです(マワリクドクテ、ヨケイ、ワカラナイ?)。

 

美味しそうな焼き鳥やシシカバブをこのような目線で見ることはあり得ないと思います。普通は刺さっている全部の食材を見るために俯瞰的な視線で眺めますよね。「串刺し」は争点に遅れている(近づけていない)主審の悪いポジションを示し(例えばゴールに迫って決定的な得点の機会の攻防が繰り広げられている状態を攻撃側もしくは守備側選手の背中の真後ろから見るような状態)そのポジションにいる原因は「走れていない」とか「出だしが遅い」ということとセットで語られます

 

原因はその通りで私なんかも反省することばかりですけど、そもそも「串刺し」にしてしまう要因は主審自身が監視すべき争点を具体的にイメージできていないことにあるのだと思います。つまり争点というのは、必ず両チームの選手と選手の身体が接触する可能性がある部分に大抵はあるので(例えば相手を押すとか、掴むとか、足でひっかけるとか、身体を当てるとか)それが見えない位置にいる(例えばこれが「串刺し」のポジションなわけです)ことで平気・・・って感覚がまず問題なんですね。

 

「そのような位置から争点を監視するのは気持ち悪くてしょうがない、あっ~いやだいやだ。ちゃんと走って回り込もう、角度をつけて見よう」と感じるようになったらしめたものです(自分に向かって言っている)。

 

こんな「串刺し」ポジション、主審だけかと思っていたら副審でもあるんですねぇ~これが。

 

そもそも副審のポジションはタッチラインと平行でなければならないわけで、しかもある意味常に「串刺し」ポジションで監視している必要があります。一番わかりやすいのがオフサイドラインの監視ですね。常に2番目の守備側選手なりボールなりハーフウェーラインなりを「串」とした場合に攻撃側選手が「串」に対してどこにいるかを見極める必要があります。

 

もちろん副審もファウルサポートのために争点をイメージしながら競技者の動きを監視しますけど、そのためによりよいポジションを確保する目的でオフサイドラインを無視して動くわけにはいきません。主審はよりよい位置を目指して自発的に動きますが、副審は競技者やボールの位置を正確に見極めるために決められたコース上にいる必要があるわけです。

 

ところが週末に担当した2種の試合で「副審にも串刺しのポジションがある」ことを認識しました。そしてオフサイドラインから外れても、よりよいポジションをとる必要があることも学びました。

 

その状況とはオフサイドライン上に攻撃側選手、守備側選手、ボールが一直線上に並んだ場合です。まさにオフサイドラインによる串刺し状態です。

 

それは攻撃側選手が私が担当している側のタッチラインぎりぎりをドリブルで抜けて守備側選手を振り切ろうとしている状況でした。プレーの一環として攻撃側選手はタッチラインの外にいったん出てボールをキープしながらフィールドの内側に向かって切り込もうという動きなわけです。当然守備側選手は攻撃側選手にスペースを与えないよう真横からタッチラインへ向かってドリブルしている攻撃側選手を追い込むわけなので、ここでの最優先監視項目はボールの一部がタッチライン上にあるのかボールの全体がフィールドの外にあるのかということです。ドリブルで抜けてしまえば得点の機会ともなるわけでこの見極めは勝敗を左右しかねません。

 

律儀にも?タッチラインと平行な位置でかつフィールドに正対しながらサイドステップで監視していた私はポジションとしてはオフサイドラインをキープ。ところが攻撃側選手がドリブルしながら自分とタッチラインの間にいるわけなのでボールを真上から監視もできないですしタッチライン上に目線を置いて横からボールを監視することもできません。つまりタッチラインとボール全体の位置関係という空間認識は不正確になっていたわけですね。

 

で、それが起こりました。一瞬攻撃側選手がドリブルしたボールの全体がタッチラインを割ってフィールドの外に出たようにも思えたわけです・・・けど、不正確にしか監視できないフィールドに正対した「串刺し」のポジションにいる私は確信を持てないのでフラッグアップせず、そのままプレーを監視し続けました。守備側選手は「出た!」のアピール。でも見えてないのにシグナルを推測で出すわけもいかず・・・。結果ドリブルで抜けたボールは守備側にクリアされ・・・事なきを得た(?)というわけです。

 

さてさて、この場合はやはりオフサイドラインから一瞬ズレるべきで、ボールの位置とタッチラインとの関係を正確に把握できるボールより前か後のタッチライン上に目線を置くべきでした。現実的にはボールより前となると後ろを振り返りながら走るという無理な動きになるので、やはりボールの後ろになるべきかと。その後ボールがタッチラインを割らなければ、素早くオフサイドラインに戻る、という動きにすべきでした。

 

この場合のような副審の「串刺し」も冒頭で述べたように「走れてない」というよりも「何を(この瞬間には最優先で)監視すべきかのイメージ」を持ててない(瞬間で判断できていない)ことが要因だと思います。

 

やはり実戦は学びの宝庫ですな・・・と今回も思い知った次第でございます。

 

では、I'll be back.

 

 

 

主審の承認なしにゴールキーパーと入れ替わったら・・・新規則 vs 旧規則

さてさて、多分4種においても4月になれば新規則(2016/2017)を自動的に適用しての試合が開始されると思います。思いますというのはこの辺、実に曖昧に進められているのが現場の感覚。

 

今に至っても私は必ず担当する試合前に本部運営担当者の方に確認します。そうしないと、アブナイ・・・。例えば先日の会話。

 

私「新規則ですか旧規則ですか?大会要項には記載されていませんけど・・・。」

本部担当の方「えっ・・・新規則です」

私「分かりました。新規則ということで参加チームの皆さんも分かっているんですね?

PKの場合にゴールキーパーの飛び出しがあったらイエローカード出していいんですね?」

担当の方「・・・・旧規則でお願いします。」

私 「・・・・。」

 

「キックオフ時にボールが後方に蹴られている。よって新規則かと思ったら・・・旧規則だった」なんてこともあったとお聞きしたことがあります。確認必要ですね。あと2か月ほどは。あくまでも我々レベルでの現場での事象ですけど。

 

さてその2か月後に向けて全然追いついていないのが新規則における変更点の記事化。

さて今回は規則の内容自体が変更されたのではなく、表現が変更された例です。

ズバリ「ゴールキーパーフィールドプレーヤーの入れ替わり」についてです。

 

まず新旧の規則の和文、英文を下記に挙げます。

 

2015/2016

 

第3条 競技者の数

 

ゴールキーパーの入れ替え

 

ゴールキーパー以外の競技者は、次の条件でゴールキーパーと入れ替わることができる。

●入れ替わる前に主審に通知する。

試合の停止中に入れ替わる。

 

主審の事前承認なく、競技者がゴールキーパーと入れ替わった場合、

 

●主審は、プレーを続けることを認める。

●主審は、次にボールがアウトオブプレーになったとき、かかわった競技者を警告する。

 

 

Changing the goalkeeper
Any of the other players may change places with the goalkeeper, provided that:

• the referee is informed before the change is made

• the change is made during a stoppage in the match

 

 

If a player changes places with the goalkeeper without the referee’s permission before the change is made:

• the referee allows play to continue

• the referee cautions the players concerned when the ball is next out of play

 

2016/2017

 

第3条

 

4. ゴールキーパーの入れ替え

 

ゴールキーパー以外の競技者は、次の条件でゴールキーパーと入れ替わることができる:

 

•  入れ替わる前に主審に通知する。

•  プレーの停止中に入れ替わる。

 

主審の承認無く、競技者がゴールキーパーと入れ替わった場合、主審は:

•  プレーを続けることを認める。

•  次にボールがアウトオブプレーになったとき、両競技者を警告する。

 

4. Changing the goalkeeper

Any of the players may change places with the goalkeeper if:

• the referee is informed before the change is made

• the change is made during a stoppage in play


 If a player changes places with the goalkeeper without the referee’s permission, the referee:

• allows play to continue

• cautions both players when the ball is next out of play

(下線筆者)

 

さて変更になった表現は:

 

             

試合           プレー

かかわった競技者      両競技者

 

のところですね。

 

さてまずゴールキーパーフィールドプレーヤーの入れ替わりはプレーの停止中に行われる必要があります。プレーの停止中=アウトオブプレー・・・ではありませんよね。まさに今フリーキックをしようとしている、もしくはスローインしようとしている時はアウトオブプレーであってもプレーが停止されているわけではありません。「プレーが停止中」という条件ではなくアウトオブプレー中で事前に主審に通知することで入れ替わり可なら理論的にはまさにフリーキックされようとしてる時に「主審入れ替わります~!」と言って替われる・・・ってのは現実にはNGです。なぜなら後で書くようにゴールキーパーであるためには「他の競技者、審判員と区別できる色の服装を着用しなければならない」からです。マジックでない限り・・・ムリ。

 

さて表現の変更で一番「スカッと」したのが「かかわった競技者」ではなく「両競技者」を警告するという部分。これ今までひっかけ問題のようなところがあって、勝手に入れ替わった場合誰を警告すべきか・・・?という部分に若干の曖昧さがあったと思います(事実私もかってはっきりと「かかわった競技者」とは誰のことなのか指摘できない時期がありました)。

 

では実際にゴールキーパーフィールドプレーヤーが入れ替わりたいとの申告があった場合に主審がとるべきこと。ここで問題になるのはやはり服装ですね。例えば4種の場合ゴールキーパー用のユニフォームがちゃんと選手番号とともに予備があるなんてことは、稀でしょうね。通常ならゴールキーパーのジャージとフィールドプレーヤーのシャツを交換するか、ビブス着用をもって服装の「差別化」を認めるべきであり、現実的処置かと思います(フィールド上でのパンツの着替えは避けるべき)。

 

まかり間違っても、キーパーグローブだけ着用して入れ替え完了とならないように。

 

ただこの「入れ替わり」まだまだ曖昧な点もあり、今後もフォローアップしていきたいと思います。

 

では、I'll be back.

 

 

 

 

「奇跡のレッスン」 サッカー審判編!(後編)

かなり以前の話になるのですけど筆者の次男と同じチームにいた子が明らかに試合中畏縮している姿を見たことがあります。怖がっているんですね、失敗を。もっと正確に言えば「失敗=コーチの言う通りのプレーが出来ないこと」によってコーチに怒られることにビクビクしているのが手に取るように分かりました。

 

こうなるといけません。このような関係性(畏縮している人とさせる人)になると何が起こるかというと「思考停止」です。最悪は無気力とかサッカー自体が嫌になるってことですね。

 

この思考停止状態は、このケースに限らず「怒られるのが怖いので・・・」という指導者と指導される側の関係で常に見られてきたことのように思います。

 

幸いかな自分が3級審判員を目指していた時に指導していただいた方から多くの厳しいアドバイスを頂いたことはあっても畏縮するようなことはなかったと思います。まず第一に「指導」する側のインストラクターの方々がやはり指導のプロであったことが大きいと思いますし、指導の中で一番重要ともいえるコミュニケーションという手段はどうあるべきかをよくご存知であったからだと思います。しかも積極的にチャレンジしたりできる限りの能力を出している場合(自分が出来ていたかと言えば・・・?ですけど)には失敗があってもそれは称賛されるべきものとの共通認識もありました。これはサッカー審判員のカルチャーともいえるものですね。

 

ところが自分が試合で一緒になった4級の審判員の方を畏縮させたことはないか・・・と言えば畏縮はさせてなかったと思いますけど、自分が期待することやお願いしたいことがうまく伝えきれていないことに気づきます。先週の試合でも例えば得点のケースでのシグナルをお願いしていたのですけど、実際起こってみるとこれがうまく伝わっていないことに気づきます。

 

例えば2度ほどあった「得点になったけど依然インプレーに見える」状況でのシグナル。主審としては副審のフラッグアップのタイミングやどの位置にいてフラッグアップするべきか(当然ゴールラインの延長上なのですけど)がとても気になるわけです。

 

ここで「奇跡のレッスン」の前編でデンマーク人指導者の方が仰っていたこと、「一方的に与えられた情報は10%しか頭に残らない」が当てはまるわけです。まずこれを念頭にどのようにコミュニケーションすべきかを反省させられることが多々ありました。つまり自分の頭の中で明確にイメージできていても必ずしも他者は自分と同じ状態ではない・・・ということを前提にしてこそコミュニケーションはよりよくなる、つまり一方的にならないということかと思いました。

 

でも、それよりも何よりもなぜそのようなシグナルでなければならないのかも含め相手が自分で咀嚼する余裕を与えていない、つまり「思考停止」にさせているところが一番の原因では・・・と「奇跡のレッスン」をみて思った次第です。

 

前編でとても感心したシーンがありました。それはコーチの方が与えた課題を選手が実行できなくて何度も失敗を繰り返し混乱している場面で「いいぞ、混乱しているということは自分で考え始めたということだからね」というシーンです。普通なら混乱をネガティブなこととして一蹴して「叱ったり」しそうですけど、そうではないまさに「自分で考える」という一生役に立つ道具を手に入れた瞬間としてポジティブに後押しする・・・素晴らしいことですね。

 

ここに、問題を与えられて答えを出すという勉強だけでは絶対に得られない貴重な学びの瞬間があるように思います。つまり何が問題なのかも含め自分で考えるということです。自分も親としてこの貴重な瞬間を子供から奪って先回りして叱責しているのではと思ってしまうこともあれば、審判員としても当たり前のように自分が期待していることやダメ出しを他の審判員の方に一方的に伝えていることが、ままあるなということを再認識しました。

 

さて今日の「奇跡のレッスン」にもいい言葉が沢山ありましたね。

 

「対話できる人がリーダー」

「強制されるのではなく自分がやりたいという気持ちが大切」

 

等々。

 

まずは自分なりに実践したいと思うわけであります。

 

では、I'll be back.