ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

「笛吹いて」と選手に言われたら - 前半

3級審判員を目指して約半年間研修を受ける中で最も体力と知識と技術が試されるのが練習試合(時には公式戦もあります)で審判をやらせていただく実技割り当てです。

「事件」は現場で起こりました。その日は県内のいわゆる勉強の出来る子たちが集まる高校での練習試合でした。割と自由な校風で、ユニークな人材を輩出しているらしい。だが朝、試合1時間前に校舎訪れてもほとんど誰も挨拶しない。う~ん、嫌な予感。単に経験値から判断するとこういった学校のチームからはちょっと審判技術未熟だと審判員をあからさまに見下した言動が出るんです。(例えそう感じても審判員は選手に対して常にRESPECT精神ですから!)

その「事件」は主審としてゴール近くで直接フリーキックをとった後のプレー再開時に発生。攻撃側キッカーを務める選手のすぐ前に守備側競技者が2人壁を作っています。壁を下げねばと仕事にとりかかるために3人の選手とボールに近づいた私に攻撃側選手(=キッカー)が放った言葉は「笛吹いて、笛吹いて」。

「ぬわに~そのタメ語は何なんだ~高校生く~ん」と割と短気な私は心のなかで叫び笛も吹かずにいると、今度は壁を作っている守備側競技者2人からも「笛吹いて、笛吹いて」と小馬鹿にしたかのように同じ言葉(とその時の私の心理状態でそんな風に響いた)。ここは言葉使いを指導すべきか、RESPECT精神を伝えるべきか一瞬迷っていたら反射的に手が胸のポケットを探ってました。この時点でもまだ笛は吹かず。心の中では「指図どおり笛を吹いたらこちらの威信にかかわるわ~」と叫び続けていました。

ポケットに行った手を見てカードを出されると思った守備側競技者2人は後退開始。実は私の手はイエローカードが入っている右側のポケットではなく、ブッキングカードが入っている左ポケットに掛っていたんですけどね(何をするつもりだったんだ私は?)

この時私には「笛を吹いて」という言葉づかいばかりが気になり、選手がそう言っている意味が理解できていませんでした。そして攻撃側競技者と守備側競技者では同じ「笛吹いて」でも全く意味が異なることも。つまりこの時の私にはフリーキック再開時における

1)クイックリスタートの保障

2)笛でのリスタートにするための手順

3)壁のコントロール方法

などがちゃんと理解できていなかったんです。

さらに試合全体を通じて言えることは、私が選手の心理状態を理解できていなかったということです。

この「事件」の続きはまた明日。

では、I'll be back.