「サッカーと音楽」シリーズ 第一回 ~ 世界は動いている!(前半)
さて予告通り始まりました。「サッカーと音楽」シリーズ。(一人盛り上がっております。)
まず初回は1990年の曲。そうです1990年と言えばFIFAワールドカップイタリア大会です。で、この時の曲と言えばイングランド代表の応援歌、ニューオーダーの「ワールドインモーション」です。
なぜこの曲を取り上げたかと言えば、私がニューオーダーが好きで、リアルタイムでこの曲が入ったシングルCDを買ったから、っていう身も蓋もない理由です、はい。
この曲自体については、ネットで検索して試聴頂くとして、私自身あまり聴き返すことのない曲となっています。はっきりいって、この曲を聴いたとき「うーん、ニューオーダーも、もうピーク過ぎてマンネリになってきているな」というのが正直な感想でした。
前年1989年にリリースされた「テクニ―ク」は素晴らしい出来で今でも無性に聴きたくなるアルバムです。で1994年にリリースされた次回作の「リパブリック」は予想通り「棚に飾っとくだけ」状態となりました(プロデューサーは「テクニ―ク」と同じスティーブン・ヘイグなんですけどねぇ~)
で同じくそのスティーブン・ヘイグのプロデュースによる「ワールドインモーション」。今回聴きなおしてみるとそんなに悪くはない(苦笑)。私が当時買ったCDは同曲のミックス違いで「ワールドインモーション」が4曲入っています。
どうもイングランドは懲りずに(?)ワールドカップのたびに代表応援歌をリリースしているようですけど、このニューオーダーの曲はサッカーボールと世界地図を幾何学的に処理したデザインのジャケットといい、もっとも「垢ぬけている」感じがします。(ジャケットデザインは「テクニ―ク」と同じピーターサヴィル。この人NHKの朝のニュースでも紹介されたなあ。)
1曲目をあらためて聴いたところイングランド代表ジョン・バーンズ選手のラップが始まる前の2分42秒あたりのナレーション風の声が「ボビ―・チャールトン」って言っているような。こりゃ新発見!(で2曲目のラッパーは誰なんだろう?てな重箱の隅的なことが気になったりして)
1966年のワールドカップイングランド大会で母国を初の優勝に導いたサー・ロバート(愛称:ボビ―)・チャールトン。彼にあやかって優勝をしたいと、この偉大なプレーヤーの名前を入れたのはなるほど合点がいきますね。ボビ―と同じく国民的人気選手リネカー選手(前回メキシコ大会の得点王にして元名古屋グランパスエイト10番)も再び加わってワールドカップに臨んだ1990年のイングランド代表。夢よ再びってことでしょうか。
で、結論からいうとイングランド代表は準決勝で西ドイツとPK戦(ここは正式に言うと「ペナルティーマークからのキック」)にまでもつれ込んだ末敗退。
仮にイングランドが決勝まで進んでいたらアルゼンチンと因縁の対決(フォークランド紛争でできた両国の溝)となって相当数のイタリア軍兵が警備のためにローマのスタジアムに送り込まれたかもしれません。
さて今回とりあげた曲「ワールドインモーション」のタイトルの通り、この年世界は大きく動いていたのでした。1990年という時代の雰囲気をなるべく当時の記憶や経験を中心に書いてみます。
またイングランド vs 西ドイツの準決勝の映像を今回見てみて、審判視点(ってそんな大袈裟ではありませんけど)&一人のサッカーファンとして当時のサッカーを振り返りたいと思います。
まず1990年の重大ニュースを当時のニューズウィーク特別版を参考に五つに絞ってみました。それは:
①ネルソン・マンデラ氏釈放
②ソ連崩壊の危機
③湾岸危機
④東京市場暴落
です(なんか時事番組ぽっくなってきました!?)
で、ワールドカップイタリア大会の記憶はといえば:
●カメールーン代表の活躍(身体能力うんぬんが「にわか解説者」の合言葉に!)
●フランス代表が出場していない!(これは後述)
●結局、日本代表が出ていないのでビールでも賭けないと盛り上がらないという巷のにわかサッカーファンたち
という印象の薄い貧弱なもの。
さて今回、試合映像をみて気付いたことは:
●GKへのバックパスを手で扱っても反則ではない。
●GKが一度リリースしたボールを再び保持してもこちらも反則でない。
●オフサイドポジションの定義が今とは異なる。
●審判のシグナルやポジションが今と異なる??
●イエロ―カードの基準が異なる(もしくは当然出すべきプレーに出ない)
ということでしょうか。
そうです世界の政治経済も世界のサッカーの審判法(競技規則)も大きく動こうとしていました。
まさに「ワールドインモーション」。うーんここまで大きく風呂敷広げてどう畳めるか不安(次回後半に続く)
では、I'll be back.