ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

運動量というシンプルかつクリテイカルなこと。サッカー審判員日本代表への一歩として。

今回は書こうかどうか迷ったお題であります。

 

というのは現在、手のひらを返したように反省モードとなっている日本代表への報道にタイミング良く迎合している・・・って勘違いされそうなので。

 

今回の一次リーグでの日本代表の敗退をどうみるか・・・なんてことは「専門家」の皆様におまかせいたします。日本のスタイルに固執してゲームの状況に対応できなかったとか、いやいや日本が追求してきたスタイルを本番で表現できなかった等々、色々後付で解説されてますね。

 

4年に一回の大会で勝利するというのは簡単なことではないと思います。ただ一言いわせていただくと「世界との差」という言葉は使って欲しくないですね。この言葉もう何十年も?気になっていた言葉で、必ず日本代表が負けるとこの「世界との差」ということが実しやかに言われます。

 

「世界」って多分サッカー競技においてはアジアは含まない、ヨーロッパとか南米とかあるいはアフリカとか意味しているんでしょうか。

 

この言葉を使い続ける限りヨーロッパでもない南米でもないアフリカでもない日本は永遠に「後進国」であり続けるでしょうね。「世界」なんて実体はなくて、あるのは個々の選手との差、個々のチームとの差ではないでしょうか(当たり前ですけど)。

 

メッシ選手やネイマール選手との差は何か?ブラジル代表やドイツ代表との差は何か?を考えることは意味があるように思いますけど、「世界の差」っていうのは自分で埋まりもしない幻を心の中に作り上げてその差に怯えている感じがします。もっと言えば、そもそも差を埋めることが目標なんでしょうか?自分と他の選手や日本チームと他国のチームとの差はあるのが当然でその差を受け止めてどうすべきかがスタート地点では?

 

そもそも、すべて終ってからその差を実感するって構図は変ですよね。

 

なんて偉そうなこといって、最近の反省モード報道と大差ないですね。

 

それでも、さらにひとつだけ日本代表も含め日本のサッカーに不満を覚えるはことは何か?と言うと、それは今回のお題である「運動量」です。

 

気候やフィジカルコンディションや戦術等々、色々な影響があると思いつつも今回も日本代表の運動量が物足りなく感じるのは私だけでしょうか?

 

もちろんただ動けばいい、走ればいいということではないでしょう。考えて走る、つまり賢く動く必要はあります。あれ、これ審判にも通じるな?(なんて今の今、気付いたみたいに言ったりして。やらせか!)

 

でも、やっぱり90分間相手チームの選手より、より長い距離をより速く走れるってことは凄い武器だと思います。

 

あまり選手批判めいたことは言わないルールにしておりますのでちょっと実名は書きませんけど、元日本代表で海外のチームでもそれなりに活躍した(時期もあった)選手がかって(といってもそんなに前ではありませんけど)「自分は運動量で勝負するタイプではない」って意味のことを言っていました。

 

多分「自分は頭と技術でプレーするタイプ」ってことを言いたかったんでしょう。

 

この選手プロ入り前からすでに天才的なテクニックを駆使したプレーを見せてきました。ヨーロッパのリーグでも十分通用するテクニックです。でもやはりそのテクニックに甘んじていたように私の目には映ります。ヨーロッパや南米やその他の国の超一流と呼ばれる現代のサッカー選手で運動量が乏しくて活躍し続けている選手なんているでしょうか?そもそもどんなにテクニックがあっても、それだけでさらに上を目指せるでしょうか?ちょっと目指していた目標が自身に与えられた才能に反して低すぎたように思います(本田選手とは全く真逆な姿勢ですね)

 

これを審判に置き換えるとどうなるかというと、「自分は運動量でプレーを見極めるタイプではないんだ。頭と技術を駆使するタイプなんだよね」ってことでしょうか?うーんとても変ですよね。これは全く説得力がない言葉で、この通り運動量惜しんでいたら絶対「審判力」を上げるなんてことはできないでしょう。

 

もちろん予測力、ポジショニング、ステップの使い分け等々、単に運動量ではない技術が大切であるのは言うまでもありません。

 

で、その技術が活きるのも運動量(≒走力)って基礎に支えられているわけです。その基礎に審判技術って土台が乗っかって実践による経験を通じて「引き出し」が多く作られて個々の審判員のパーソナリティーに基づいた審判力が花開くわけです。

 

てなことを考えていたら本日の朝日新聞にスピードスケート金メダリストの清水宏保さんのコラムが載っていてそのタイトルが「みなさん、上半身鍛えてますか?」。「下半身引っ張るのは上半身」って、我が意を得た感じです。皆さまなりに日本代表の今後に思いを馳せる際の「オカズ」としても、ご自分の審判ライフの為にもこちらもご参照くださいませ→『「ドラゴンへの道」は長く険しい? サッカー審判員のための筋トレ(実践編)』(過去記事PRかっ!)

 

では、I'll be back.