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ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

「スパイクの裏側」ばかりに気を取られるな。「過剰な力」は一発レッド。

何回か以前にも書いたように筆者は高校三年間、格闘技系競技の部活をやっておりました。

 

で毎日(そう365日って言っていいくらい休みなかったなあ)練習やってると、どっこかで誰かが出血してました。一番多かったのがいわゆるヘッドパッドで鼻血ブッーってやつです。毎回、鼻血が出るので止血用具を切らしているとよく先輩から怒鳴られました。止血用具=トイレットペーパーなんですけどね(苦笑)

 

鼻血がでるくらいの接触なんで痛いはずですけど、あまり痛く感じない。格闘モードに入っているのでアドレナリンが放出されていてちょうど麻酔が効いているような状態でしょうか?それと当然常に攻撃に備えて相手競技者と正対しているわけなので不意打ちくらって大怪我ってのも少なかったように思います。

 

当時(もう今から数十年前です)からの私たち「格闘家」の定説は「サッカーの方が負傷の危険性の高いスポーツ」ってことです。事実サッカー部員の骨折は多々あったような(校則破ってのバイク事故も含まれている?苦笑。)。一方で三年間で骨折を我が部や同競技を行っていた他校の部であったとは聞かなかったなあ。そう、いかに準備ができていない状態で不意打ちをくらうことが負傷に繋がる危険をはらんでいるかってことを身をもって知っていたわけです。

 

ここから言えることは負傷の危険に相手をさらす「過剰な力」とは単に5でいいところを10の力でいったってことだけじゃなく、相手からのチャージやタックルやジャンピングアットやその他のチャレンジに備えて相手の力に対抗する自身の力が準備ができてないタイミングで必要以上の力を加えること、でもあると言えるのではないでしょうか?

 

もちろんファウルを受けた競技者が「力」に対する準備ができていたとしてもスパイクの裏が当たったらそれだけで「過剰な力」と言えるでしょう。ただ、スパイクの裏ばかり気にしていると、本当の意味での「過剰な力」が見極められずそれを「無謀」と捉えイエローカードにしてしまうこともあり得ます。

 

実は週末の中学生の試合でもブラジルのネイマール選手がコロンビアのスニガ選手から受けたジャンピングアットと似た非常に危険な接触がありました。ちょうどボールをヘディングした選手に、ほとんどボールに触れることができる可能性がゼロの相手選手が猛烈な勢いでレイトチャージ。ファウルされた選手の身体が一瞬吹き飛ばされてそのままフィールドに倒れてしまい結局自力でフィールドから退出することができず運び出されました。

 

このとき同じ市内の3級の方が主審をやられていました。瞬時の判定で強い警告音と誰にでもわかる笛を吹いて、ファウルのある地点まで猛ダッシュ。即イエローカードを提示していました。素晴らしい判断と行動です。

 

これ直前で集中力を切らしていたら一瞬、勢い余っての交錯プレーと判断してしまうこともあり得ますので。さすがですIさん。

 

ここでは主審がイエローと判断したのでその決定を尊重すべきです。ただあえていうとこれはまさに「相手競技者のチャレンジに備えて相手の力に対抗する自身の力が準備できてないタイミングでの必要以上の力」でのチャージであり、同時にボールをプレー出来る可能性も全くといっていいほどゼロだったわけなので完全に(意図は別として)相手を負傷の危険にさらしていると断言できるものでした。

 

結果、頭部も打撲したファウルを受けた選手は念のために病院へ。

 

スパイクの裏で足の甲を直撃されたら、すね当ての上からでも痛いですし大怪我になり得ます。ただそれだけで緊急を要する重篤な状態になるわけではないでしょう。一方で過剰な力で頭部や胸部そして背部などに不意打ちの打撲をくらった場合は、その結果、重篤な状態におちいる可能性もあるわけです。

 

これは背部からだけでなく側面、そして前方からであっても必要以上の力による不意のコンタクトは非常な危険をはらんでいるということを意味します。

 

「サッカーでチャレンジされるのは当たり前なんだから不意打ちに備えてない無防備な状態でいること自体危険だ」とも言えるかもしれません。そうなんですけど、だからといって必要以上の力による不意打ちをある程度許容する理由にはなりませんよね。

 

というわけで、ブラジル対コロンビア戦でネイマール選手がスニガ選手から受けたジャンピングアット(≒真空飛び膝蹴り)は一発レッドにすべきだったと思えるプレーでした。スニガ選手のプレーが「故意ではなかった」とか逆にネイマール選手が骨折していたという結果はカードの有無の理由にはなりません。

 

 

故意であろうとなかろうと(文字通り故意であればボールに挑んでいても「著しく不正なファウルプレー」ではなく「乱暴な行為」で退場でしょう)骨折していなくてもしていてもあの場合スニガ選手にはボールにプレー出来る可能性は全くないといってもいい状況でした。プレーの優先権がゼロの状態で相手競技者に挑むのは「相手が怪我するかもしれないけど、とりあえず体を当てておこう」という「未必の故意」でもあるわけです。

 

結果ブラジル代表にとってもネイマール選手を負傷で今ワールドカップから失うという大きな痛手になりました。だからといってフィールドの内外にかかわらずスニガ選手に危害を加えるなど報復行為に出ることは断じて許されません。それこそレッドカードであるべきだと一言付記させて頂きます。

 

うーん、それにしてもブラジル代表、ドイツ代表に1-7で大敗とは誰が予想したか・・・ネイマール選手の存在はここまでも大きかった(そして、コロンビア戦でのもらうべきではなかったイエローカードでドイツ戦に出場できなかった主将のシウバ選手の存在も)。ただ、それにしてもドイツ代表は強い!ってことですかね。

 

 

では、I'll be back.