「決定的なパス」が出そうな時に主審は何をすべきか?(前編)
本日のJリーグ横浜F・マリノス vs. 柏レイソルの試合。西村 雄一主審を見ていてやはりこの方、ポジションのとり方が素晴らしいなあと思いました。
とくに動きだしが素晴らしい。これは我々にも参考になります。まさにボールが次の争点に向かって動き出す(パスが出る)瞬間の前にすでに次のポジションに向かって動き出しているわけです。
だから次の争点にボールが届いて、そこでファウルが起こっても実に説得力のある位置と距離と角度からプレーを見ているわけなので、その笛には皆納得というわけです。
さて以前にもこの動きだしの重要性について書いたことがあります(こちら → 「サッカー主審の動き - 言うは易し行うは・・・後半」)
このようにボールが大きくクリアされる(守備側から攻撃側ハーフに向かってのキック)ロングパスがでる、そしてボールがインターセプトされて前線にパスが通る等々、これらの場合にはまさに動きだしの早さが次の争点で適切な判定ができるかどうかの条件でもあると思います。
そしていずれの場合でも、その蹴り出されたボールの受けての選手が決定的な得点の機会を得るということはままあります。
このときいわゆる串刺し状態で見てしまうと説得力のある判定ができなくなり揉める原因にもなります。守備側選手の直接もしくは間接フリーキックとなるファウルならばその選手はその他の条件が揃えば退場となるわけなので、極めて重要なジャッジングポイントなわけですよね。
競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン
主審と副審は、得点または決定的な得点の機会の阻止で競技者に退場を命じるとき、次の状況を考慮に入れなければならない。
●反則とゴールとの距離
●ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性
●プレーの方向
●守備側競技者の位置と数
●相手競技者の決定的な得点の機会を阻止する反則が直接フリーキックまたは間接フリ
ーキックとなるものであること
ところがせっかく動き出しを早くしたのにその逆をつかれるプレーもあり得ます。そこがまた主審の動きの難しいところなのです。
例えば自陣ハーフから攻め上がろうドリブルしていた選手がけり出したパス(そして主審のあなたはそれを予想してすでに反対側のハーフに向かって走り出していた)がインターセプトされて次の瞬間見事な(決定的な)スル―パスが前線のFWの選手に通った(主審のあなたは全く動きの逆をつかれて取り残された)、そして守備側選手がファウルでそのFWの選手を倒してしまった。さてカードなのか?カードだったら何色なのか?これらを瞬時に判断する必要があるわけです。
この時、インターセプトに反応しきれず串刺しのようになった状況でどうすべきか?
それが本日のお題でもあるわけですけど、この続きは明日…。
では、I'll be back.