「決定的なパス」が出そうな時に主審は何をすべきか?(後編)
さて昨日の(といっても、1日あいてしまいましたけど)続き。
決定的な得点の機会に繋がるパスが出たけど、主審のあなたはそのプレーを離れた位置から串刺し状態で見ざる得ない状況だったら、どうしますか?ってことが前編での問いかけでしたね。
当然ながら主審は猛然とスプリント。そしてパスを受けた攻撃側選手の動きとゴールに向かおうとするその攻撃側選手の動きを阻止しようとする守備側選手の動きを見るってことになります。
といってもすでに出遅れているので距離もあるし角度も悪いしなーと思っているうちにファウルが発生。どっちの?なんてことになるのは最悪ですね。
この時、本当に分からなかったのなら副審の助言を求めるのもありですけど、これは事前に打ち合わせしてファウルサポートの手続きを相当きっちりと確認しておかないと難しいような。そもそも副審から見てファーサイドだったら、どうなるかとか。
ということでやはり動きだしを早くして次の争点へ素早く移動するに限ります・・・ってこれで結論になると「何だそれ」という声が聞こえそうなので、今回のポイントをひとつ。
このように動きの逆を突かれて決定的なパスが通ってしまって、争点からの距離が遠く串刺し状態になったら、やみくもに走るよりも、まずは前方を広角に見て守備側選手の位置や数を確認することが重要と座学にて教わりました。
これ咄嗟にやるのは結構、難しいかもしれません。先日も8人制の試合で一人審判を務めた時にオフサイドを(確信をもって)とりました。主審の私から見て前方右サイドの攻撃側選手が明らかにオフサイドポジションだったわけです。ところがその時反対側の左サイドを私ははっきりとは視野に入れてなかった。
まあ、なんの異議も起こらなかったし、後から見てその位置に守備側選手がいたようには見えなかったので結果オーライだったようです。
この場合も同じで前方を広角に素早く視野に入れて、守備側選手の位置や数を確認することが大切なんですね。
というわけで、「決定的なパス」が出そうになったら:
1)やみくもに走らない(走るのは「手段」で「目的」ではない)
2)前方全体を見る。特に最前線の選手の位置や数を視野に入れる。
ということを心がけましょう。
えっ?「決定的なパス」が出そうかどうかは、どう判断すべきか?
うーん、それは決定的にならないと判断できないのでとにかく次の争点から自分が逆に動いているとか、出遅れているという感じを体得することがまず大切です。
これ、当たり前のようでなかなか出来ないことです。この次の争点に向かって最適な距離を保ちつつ合理的な角度とスピード(すべての場合において早ければいいってことじゃないですからね~)で移動するってことの素晴らしいお手本が前半冒頭でご登場いただいた西村主審です。はい。
では、I'll be back.