ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

盃なのか?横顔なのか?

前回から2週間以上も経ってしまいました。

 

さて、気をとりなおして?先月の週末、小学生選抜チームによるカップ戦にて2試合審判を務めた時のこと。2試合目に主審を担当しました。とてもいい試合で両チームとも攻守の切り替えが早く、気持ちよくフィールドの中を走ることができました。

 

で、今回のトピックはある事象について判定するときには、あらゆる角度からの見極が必要ということです。

 

それは片方のチームのゴールキーパーパントキックしようとした時に起こりました。ゴールキーパーが一度パントした(手から離した)ボールをキック態勢に入れず再びキャッチしたのです。

 

相手ベンチの子供達(控え選手)の声が一斉に「ハンド!ハンド!」と言ってます。私はすかさず「ハンドじゃないよ。まだリリースされてないんだから。続けて続けて」と促しました。そうこの事象を見た私の解釈は:

 

1)パントはまだキックによってボールがリリースされる前の動作だからボールはキーパーによって保持されいるので相手競技者はチャンレンジできない。

2)だから、そのパントしたボールを手で保持することは、一度リリースしたボールを再び手で触れることには当たらない。

*ただし「6秒ルール」がリセットされるわけではないので、この見極めが同時に必要。

 

というものです。

 

ところが、この時A2の方はフラッグアップしていたのです。私はそれも確認せず上記のような思い込みでそのままプレーを続けるように促したのです。

 

そもそも、子供たちが私と同じ判定プロセスで瞬間的に「ハンド!」なんて言うでしょうか?その可能性がないとは言い切れません。でも、ここは冷静に考えてみると「ハンド!」ってなぜ瞬間的に声が上がったかというと、パントしたボールはペナルティエリアの外にあって、そのボールを手で触れた(キャッチした)ところを子供たちが見たからなんです。

 

そう。私は思い込みの罠に陥っていてボールのリリースと再びそのボールに触れる、ということばかりに頭が行っていて、肝心の「空間判断=ペナルティエリアの中か外か?」の視点が欠落していたのです。

 

パントキック時には副審はペナルティエリアゴールラインと平行なラインの真横に位置していてキーパーがボールを保持したままペナルティエリアの外に出ていないか(=ハンドの反則)を見極めます。

 

だから主審は常に一瞬でも副審側を見て(アイコンコンタクトして)フラッグアップされていないか確認する必要があったわけです。

 

この時は私があまりに自信満々にプレー続行を促したので「えーハンド!」って声が一度上がったきりそれ以上の異議は起こりませんでした。で、試合後に副審の方に確認して初めてフラッグアップされてた事を知ったわけです。副審の方は私に気を使ってか?「子供たちがハンド!ハンド!って言うので(つられて)フラッグアップしました」というようなことを仰っている。結局ペナルティエリアの外か中かは不明でした(これまた私に気を使ってらっしゃったのか?)。

 

結果はともかくも、いずれにしても私は:

① 思い込みで事象を判断した。

② 副審との連動をしなかった。

という2重のミスを犯したわけです。

 

試合自体とても白熱したもので、私も最後の整列挨拶時には「良い試合だったね」とコメントさせてもらいました。それに比べ私の主審ぶりは、この一点の判定においても大いに反省すべきものでした。

 

その影絵は、盃に見えますか?人の横顔に見えますか?はたまた…?

 

では、I'll be back.