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ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

サッカー審判員の「ほんとにあった怖い話」(後編)

さて、新学期に入ったにもかかわらず?肝試しネタで後編です。

 

話は数十年前、私が高校3年生の時のことです。学校にはユニークな先生達が揃っていました。例えばクラスの担任だったK先生。朝のホームルームに現れないもしくは1時間目の英語の授業(英語の先生なんですね)に現れないということがありました。

 

きまって教頭先生(管理ひとすじ何十年、生まれた時から管理の権威というような方でした)が騒がしい朝の教室に現れたかと思うと「K先生は2時間目から来るので自習しているように」と言って去っていく。私達は直後に苦笑。「また先生二日酔いか」。

 

そんなK先生。落ちこぼれの私が浪人後大学合格の報告へ職員室を訪れると、自分の机の引き出しからウイスキーの瓶(飲みかけ!)を取り出して「よし!乾杯しよう!」。傍にいた私の部活の恩師が「センセイ、センセイ(今はマズよ)!」と腕を押さえると、その様子をさっきの管理者教頭先生がジロリと眼鏡を光らせながら見ている。ほのぼの?とした高校生活でした。

 

そんななかで、今回の主人公S先生はとびきりユニークな存在でした。S先生は古文が担当。S先生は怒ったことはほとんどみたことのないクールな方でした。といってもドライな方ではなく、いわゆるちょっと「変わり者」だったんですね。でも女子の人気は高く(バレンタインにチョコいっぱいもらっていた!)、当時私も夢中になっていたあるグループのリーダーにソックリなんですね。S先生が似ていた有名人とはYMOの細野晴臣センセイ。ほんと似てたな(当時の細野さんはとてもスリムだったので体つきも似ていたんですね。で細野さんを甘いマスクにした、まちがいなく平安貴族の装束が似合う雰囲気をもっていました)。

 

とまあ、前置きがいつものように長くなってしまいました。このS先生こそ、別名「ほんこわ先生」。霊感バリバリの方なんです。で、そのS先生がちょうど梅雨の雨降る日の授業中に話してくれた「ほんとにあった怖い話」を今回ご紹介(なんかもうサッカー審判とはなんの関係もないなぁ~。ごめんなさいです)。

 

題して、

「呪われたビル」

それはS先生が上京して都内の大学に通っていた頃に体験されたことです。

当時、先生は生活費を稼ぐべく夜は朝までアルバイト、昼間は若さの勢いで睡眠時間もそこそこで授業に出席していました。夜勤のアルバイトの定番と言えば当時は工事現場のガードマンそして商業ビルのガードマンでした。先生はもっぱら工事現場のガードマンで稼いでいたのですけど、ある時、都内某所にあるビルでガードマンを募集しているとのことで同じ大学の友達と応募そして即採用されました。当時としても、なかなかいいまとまった収入になる夜勤警備の仕事。その中でもそのビルのアルバイト代は破格だったのです。これは、稼ぐしかないと思い勇んだものの、ちょっとアルバイト代の高さに「なんで?」と先生は思ったそうです。そんな疑問もあったものの、稼ぎがいいのにこしたことはない。高層ビルではないので、基本夜勤のガードマンは一人。先生は友達と交代しながら1日置きに夜はガードマンとしてそのビルに出勤することになったのです。で、最初にそのビルを訪れた時に先生はすでに違和感を持ちました。そのビルがある場所は都内でもオシャレな街として有名なところ。その街の名前が冠された大通りが東西に走っていて、その通り沿いに商業ビルやお店が並んでいます。当然ですけどそれらのビルやお店の入り口は、その大通りに向かって開かれているわけですけど、なぜだか先生がガードマンをすることになったそのビルだけ玄関がわざわざ裏通りに向けて作られていたのです。そのビルに勤務する人や訪れる人のことを考えれば表通りからわざわざ裏に回らないと中に入れなくする理由などちょっと考えられません。「変だなこのつくり」と思いつつ、それ以上は深く考えもせず先生と友達は夜勤を始めました。

 そして先生達が交代で夜勤を始めて最初の1週間が終わろうとしたときのこと。先生達はお互いあることに気付いて話し始めました。

 「なんかさ、夜中の3時ごろになるとさ、機械のモーターが回っているような音が聞こえてこない?」

 「あっ、お前も聞こえてた。そうなんだよな。昨日の夜気付いたんだよな、決まって3時ごろっていうのに。」

 「最初はなんか、発電機かなんかがあってそれが夜になると自動で動き始めるのかと思ったんだけど、そんな設備ないんだよな。」

 というわけで、先生が夜勤の日に友達もそのビルの警備室にきて音が聞こえるか確認することになったのです。で、ちょうど時計の針が3時を指し示す頃。その音が聞こえてきました。で、実は二人とも薄々気付いていたのですけど、その音はどうも地下から聞こえてきているようなのです。二人は懐中電灯をもったまま階段をおりて地下の廊下を歩き始めました。そうすると、音は今までになくさらに大きくなり始め、そしてどうやらそれは普段は施錠している倉庫の中からから聞こえてくるようなのです。二人は警備室からもってきたカギで倉庫のドアを開けようとしました。今や音はビルの外まで漏れているのではというくらいの音量で「ウォーン、ウォーン」と低く大きく鳴っています。

音が鳴っているだけなんだとは思いながらも、尋常でない音の響きに二人とも息をのみながら、倉庫の扉を開けると…そこは薄暗い空間。懐中電灯の僅かな光を目の前の壁にあてた瞬間、先生達は信じられない光景を目の当たりにしました。

 その煤けた白塗りの壁一面には円状のシミがあり、そのシミはどんどん大きくなっていきました。そのシミは・・・真っ赤な血なのでした。壁の中から次から次へと滲み出して広がっていく血のシミ。その時先生達は気付きました。モーターの音だと思っていたその音が人の苦しそうな、うめき声であることを。

 先生達はその夜を最後にそのビルでの夜勤を辞めました。そのビルでは建築当時から事故が頻発し、完成後も玄関にあるガラスの衝立が急に倒れて怪我人が出たり、ビルに入っている歯科医院では研磨する機械が勝手に動き始めて患者さんの頬を突きぬいたりと不可解な事故があまりに続くので、お祓いをしてもらった時に入口の方向を変えた方がいいとの霊能者の方の助言で表通りではなく裏側に入口がもうけられたとのことです。ちなみにその街の名前には「お墓」という意味もあります。

 

以上、記憶を頼りにS先生が話してくれた「ほんとにあった怖い話」を私が再構成しました。実はこの話をした後にS先生は、「実はもっと怖い体験を(担任の)K先生と火葬場でしたのだけど、その話K先生はしてなかった?」といいました。その時は時間切れになりその話はまた別の機会にということになったのですけど、結局その機会は訪れず、私達は話を聞けないまま卒業となりました。S先生、今頃どうしてるかなぁ~?

 

とまあ、怖くも懐かしい高校の時のお話でした。サッカー審判員ネタではないこと再度ご容赦くださいませ。こんなお話聞くまでもなく、いつの間にか涼しい季節になりましてここのところ毎週審判活動しておりますので、その辺からまた幾つかお話できれば幸いです。はい。

 

では、I'll  be  back.