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ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

弁護士 vs サッカー審判員 ガチで語る規則とその施行

前回の問いかけは「競技規則どおりにやったら試合にならないは本当か?」でした。

 

さてこの問いかけ、そもそも意味がある問いかけなんでしょうか?自分で言っておいてオイオイ何言ってんの?ですね。

 

というのは、そもそも「競技規則どおり」に判断したり、判定することはサッカー審判員にとって当たり前のことですし、一方で「競技規則どおり」という言葉の意味を「すべての事象を競技規則に照らし合わせてその事象の背景や意図を全く考慮せずに自動的に判断すること」としたら、そんな風に判断や判定を行っている審判員の方なんていませんよね。まあ、ここまで限定した定義でなくても、競技規則の文言にちょっとでも反したら笛を吹いてしまうなんてことはあり得ませんよね。

 

例えば前回の記事でも紹介したゴールキーパーの反則であるいわゆる「6秒ルール」。仮にボールの保持が始まって7秒たってもリリースされなかったら「ピッ―!」とはならないですね。では、6秒ルールとは書かれているけど、それはそれ現実にはこんな規則守っていたら試合にならん!ってことでしょうか?

 

とすると、一周回ってもとの問いかけに戻ってきたわけです。「競技規則どおりにやったら試合にならないは本当か?」という問いかけに。結論からいうと試合にならないことはないです。競技規則を守っているわけですから。でもそれならOKとは言えないのは競技規則を守ることは手段であって目的ではないからです。

 

というようなことをあらためて考えたのが弁護士の知人との会話。それはこんな内容です。

 

例えば、制限速度が60kmの道路で61kmの速度で走っていた車があったら、どうするか?ということです。これを日本全国ですべて取り締まったら・・・警察官の方の数はいくらいても足りない、日本経済はマヒ・・・ってなことですよね。でもだからといって61KmをOKとは言えない。つまりこれも道路交通の安全を確保する手段であるわけなので、それ自体を程度の差を無視して厳守することは目的ではないわけです。

(速度制限などという稚拙な?例を持ち出したのは私です。知人の名誉のために付けくわえます)。

 

この会話なかで弁護士の彼女が言ったことは法令にすべてのことが「書かれている」わけではないということ、その文言にちょっとでも違犯したら即なんらかの法的処置がとられるというわけでもないということです。そこではもちろん常に法令を根拠としながらも「合理的な判断」が求められるわけです。で、違反の判断もその頻度(初犯なのか繰り返しているのか、単発なのか継続性が認められるのか等)、量(範囲)、程度(例えば上記の速度制限で言えば5Kmオーバーなのか30kmオーバーなのか)を見極めて下されるといことです。うん、サッカーの判定にそっくりじゃあ~りませんか!

 

もちろん、サッカーのホールディングなどと同じく、上記のような程度等は考慮するまでもなくその行為自体で即法的処置がとられるものもありますよね。

 

さきほどの「6秒ルール」の例ならば誤解を恐れずに言うと「6秒」という数字自体に意味は無いということにもなります。ゴールキーパーの動作や判断に必要と思われる時間と全体の試合時間からみて許容できる時間の合計からの合理的な秒数が結果6秒ということに過ぎません。これは他のスポーツでも同じかもしれませんけど、その秒数を厳密に守る意味合いは競技によって大きくかつ本質的に異なります。例えば私の娘がプレーしているバスケットボールにおけるいわゆる「24秒ルール」。

 

「自チームのプレイヤーがコート内でライブのボールをコントロールしたチームは、24秒以内にショットしなければならない。」

 

という規則ですね。

 

この場合審判員の「裁量」で24秒ちょっと過ぎてからシュートしてもOKとはなりません。これは「24秒」という数字に意味があるかどうかは別にこれを厳格に守ることは本質的にサッカーという競技より重要な意味があるということです。その意味とは、これを厳守して進めないとバスケットボールという競技の魅力が著しく損なわれるということです。競技として成り立たないとも言えるでしょう。

 

一方、サッカーの場合は6秒をタイマーで計って厳守することよりも:

1)試合の状況(試合開始からの経過時間は?どちらのチームが勝っているのか?等)

2)ゴールキーパーの意図(意図的なのか偶発的なのか、遅延させようとすることの悪意性等)

3)審判の予防的マネジメント(主審が常に6秒をゴールキーパーだけでなく他の競技者やベンチ役員、観客に意識させるような言動を取っているか、必要に応じてリリースを促す指示を出したか等)

の方が重要です。

 

加えて4種の場合はゴールキーパーとしての動作が遅い、慣れていない子たちもいます。そのとき主審として反則とならないようにアシストしてあげることも大切だと思います。

 

というわけで法令にしても競技規則にしてもそれを守ることは方法だとしたらサッカーにおける審判の目的とな何でしょうか?

 

それは言うまでもなく日本サッカー協会審判委員会の「審判員の目標と重点項目」に書かれている「目標」なので、そちらをご参照ください。

 

私はそれをもとにした以下の3点を自分自身の審判員の目標として挙げておきたいと思います。

 

① サッカーという競技の魅力を最大限引き出す。

② サッカーという競技およびそれにかかわるすべての人達への敬意を育む。

③ 競技者および競技にかかわるすべての人達(含む審判員自身)の安全を保つ。

 

と、偉そうに書きましたけど上記の目標を達成する(それに終着点はないとの前提ですけど)ためには競技規則の理解はもとより、体力、技術、精神力および経験等々身に付けなければならないこと満載の私です。反省。

 

では、I'll be back.