読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

フロム イエロー トゥ レッド (オレンジではいけない!)

まずは、サンフレッチェ広島の皆さま、おめでとうございます。Jリーグチャンピオンシップ決勝、第1戦そして第2戦とも王者にふさわしいサッカーを見せてくれました。

 

さて時計の針を戻して、チャンピオンシップ 決勝 第1戦後半41分でのレッドカードについて。

 

第12 条 ファウルと不正行為

乱暴な行為
競技者がボールに挑んでいないとき、相手競技者に対して過剰な力や粗暴な行為を加え
た場合、乱暴な行為を犯したことになる。

 

ガンバ大阪のDFオ・ジェソク選手がサンフレッチェ広島のMF清水航平選手を両手で押して(突き飛ばして?)倒したことで、以上のガイドラインの行為となりました。

 

このシーン、リアルタイムで観ていると「過剰な力」というより「粗暴な行為」との印象を持ちました(規律委員会の裁定は「相手選手の胸を過剰な力を用いて押し倒した行為」とのことらしいですけど)。いずれにしても文句なしの一発退場で、押した強さの印象だけなら一瞬、イエロー・・・としてしまいそうですけど、それでは理屈がなりたちません。つまりこれをイエローとしたら理由は「反スポーツ的行為」ぐらいしかないわけですけど・・・これを反スポにしたら反スポの乱用といわれてもしょうがないですね(というか判定基準が崩れてしまいます)。

 

で、さすがは扇谷さん、迷いなくレッドカードを提示。このとき一瞬にして主審の扇谷さんは確信をもって「乱暴な行為」と判定したわけです。

 

さて、イエローかレッドか?はたまた判定理由は?とカード提示前に、いや笛を吹く瞬間にはこの二つが確信をもって判断されていなければなりません。特にレッドカードを提示する場合には一瞬の迷いも許されない・・・のですけど、私レベルですとカードの色はともかく理由で揺るいだりして、結果、提示したカードの色についても深い確信を持てていたのか・・・と反省させられることもあります。先日がまさにそのケース。

 

さて、その日はU12の大会の帯同審判員として主審と副審を一試合ずつ務めました。で、主審のとき多分、生涯初めてのレッドカードを提示(多分はじめてのはず。それこそサンフレッチェ広島佐藤寿人選手じゃないですけど、イエローでさえも出さないで済む試合が続いて欲しいわけです・・・けどまあそういうわけにもいかずですね)。

 

ちょうどゴール真正面に向かって一直線にドリブルでボールをもって駆け上がった選手が両脇にいた守備側選手を振り切ってゴールキーパーと1対1になろうとしたその時、左側の守備側選手が後ろからその選手を押し倒してしまいました。

 

ここで私は迷わずレッドカードを提示。で理由は・・・・「決定的な得点の機会の阻止」と瞬間的に判断・・・

 

競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン

第12 条 ファウルと不正行為

得点、または決定的な得点の機会の阻止


相手競技者の決定的な得点の機会の阻止で退場となる反則は2 種類あるが、ペナルティ
ーエリア内で発生するものだけが対象となっているのではない。


決定的な得点の機会があり、相手競技者がボールを手または腕で扱い、また相手競技者
にファウルをしたにもかかわらず、主審がアドバンテージを適用し、その後、直接得点
となった場合、その競技者は退場を命じられないが、警告されることがある。


主審と副審は、得点または決定的な得点の機会の阻止で競技者に退場を命じるとき、次
の状況を考慮に入れなければならない。
●反則とゴールとの距離
●ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性
●プレーの方向
●守備側競技者の位置と数
●相手競技者の決定的な得点の機会を阻止する反則が直接フリーキックまたは間接フリ
ーキックとなるものであること

 

・・・ところがです。

 

レッドカードを提示にしながらも後方からの危険なチャージにも思え・・・あれ?

 

試合後、副審を務めて頂いた(以前、割り当てでもご一緒させていただいた)3級審判員の方にアドバイスをお願いしました。その方は「決定的な得点の機会の阻止なら、『ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性』と『守備側競技者の位置と数』の要件は満たされていないように思えたので自分だったらイエローとした」と仰られました。

 

その時私は「後方からの危険なファウルとしたのですけど」と判定理由を変えると、すかさずその方は「著しく不正なファウルプレーですか」と仰られました。

 

私はその言葉にハッとしました。確かに危険なファウルであることは間違いない・・・のですけど「著しく不正なファウルプレー」という言葉(の解釈)と自分が見極めた事象を天秤の左右に載せたとすると、しっかりとした形では釣り合わないということに気付かさせられたのです・・・。

 

競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン

第12 条 ファウルと不正行為

著しく不正なファウルプレー


ボールがインプレーで、競技者がボールに挑むとき、相手競技者に対して過剰な力や粗
暴な行為を加えた場合、著しく不正なファウルプレーを犯したことになる。


相手競技者の安全を脅かすタックルは、著しく不正なファウルプレーを犯したことで罰
せられなければならない。

 

いかなる競技者もボールに挑むときに、過剰な力や相手競技者の安全を脅かす方法で、相手競技者に対し片足もしくは両足を使って前、横、あるいは後ろから突進した場合、著しく不正なファウルプレーを犯したことになる。

 

実は、その先輩3級審判員の方の最初のコメントが「まずカードの出し方がよくなかった。笛ももっとしっかり吹いて、カードをすでに手に持って近づいてもいいくらいだった」というものです。

 

そうなんです、その方がまさに喝破されたように私はレッド(退場)という判定に自ら確信を持てていないことを無意識に認めていたようなのです。

 

試合から、そしてフィールドの周辺からも立ち去らなければならない(そして場合によっては次の試合にも出場できなくなる)判定であるレッドカード(退場)は決して揺るぎはしない確信とゆるぎない判定理由の両方をもって提示されなければならないのです。(もちろんレッドに限らずサッカー審判員の判定はすべてそうであるべきなのですけど)。

 

ちなみにその3級審判員の方はじつにすばらしい審判ぶりで、私には2級以上の方の動きに見えます。特に素晴らしいのはその方の主審としての動きです。

 

実はその試合会場を訪れたとき多分U18だと思われるクラブチームの試合がちょうど行われていました。ところが、その試合の主審の方が・・・またまた登場のセンターサークル審判員、それもかなり酷い審判ぶりでした。で、ちょっとした怒りにも似た感情を覚えたわけです。

 

さてそんな試合を観た後で、今度はその先輩3級審判員の方が主審をやっているのを拝見して今度はこちらが反省したのです。というのもその方の動きに一切手抜き(足抜き)は無し。他の帯同審判員の方が「緩い」動きをされていても、その方はまさにどこに出しても恥ずかしくないお手本の動きです。振り返って自分は・・・他人の審判ぶりをとやかく言う前にまずは自分がやるべきことをしっかりと出来ているのかどうか・・・ということを思い知らされたわけなのです。

 

さて、アドバイスをいただいた3級審判員の方から「主審が判定したのだから(それは尊重されるべきとして)まあ、色としては『オレンジ』かな」とお気づかいの言葉を頂きました・・・けど・・・オレンジカードなんてありませんからね。

 

イエローかレッドか?そしてその理由は?決して「オレンジ」にしたり「二股」かけてはいけない!ということを学んだ今回の試合でした。

 

では、I'll be back