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ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

副審のポジションにおける「串刺し」 ー オフサイドラインのキープの例外

 主審のポジションの悪さを指して「串刺し」という言葉をよく使いますよね。なにげなく使っているこの言葉。人によってはどのようなポジションなのか具体的にイメージできていないかも?(例えば審判経験のまだまだ少ない方等)と思うときがあります。

 

以前主審のポジションが「串刺し」という状態について以下のように説明したことがありました。

 

「さて次に②の「プレーに対して串刺し」とは、よくインストラクターの方からも指摘されたことです。要はプレーに追いつけていない(適切な距離を保てていない)まま対角線上に回り込むことができず副審と挟むことができていない状態です。プレーしている選手を真後ろから追いかけているってことですね。」(こちらの記事全文 → 「 サッカー主審の動き - 言うは易し行うは・・・後半 」)

 

あらためて「串刺し」という主審のポジションについて説明すると、ここはやはり串にさされた焼き鳥とかシシカバブなんか思い出していただけるとよいかと。つまり串にさされているモモ肉とかネギとかパプリカとか羊肉とかが一直線上に並んだ攻撃側選手、守備側選手、ボールに対応しているわけです(食材の具体性はここではなんの意味もございません)。「串刺し」はちょうど串にささった片側の食材を目線の高さで両目の中央に持ってきて、串を目線と平行にして食材を見ている状態なので食材と食材との間は当然見えないし、その位置からの視線では何の食材が刺さっているのかも見えないはずです(マワリクドクテ、ヨケイ、ワカラナイ?)。

 

美味しそうな焼き鳥やシシカバブをこのような目線で見ることはあり得ないと思います。普通は刺さっている全部の食材を見るために俯瞰的な視線で眺めますよね。「串刺し」は争点に遅れている(近づけていない)主審の悪いポジションを示し(例えばゴールに迫って決定的な得点の機会の攻防が繰り広げられている状態を攻撃側もしくは守備側選手の背中の真後ろから見るような状態)そのポジションにいる原因は「走れていない」とか「出だしが遅い」ということとセットで語られます

 

原因はその通りで私なんかも反省することばかりですけど、そもそも「串刺し」にしてしまう要因は主審自身が監視すべき争点を具体的にイメージできていないことにあるのだと思います。つまり争点というのは、必ず両チームの選手と選手の身体が接触する可能性がある部分に大抵はあるので(例えば相手を押すとか、掴むとか、足でひっかけるとか、身体を当てるとか)それが見えない位置にいる(例えばこれが「串刺し」のポジションなわけです)ことで平気・・・って感覚がまず問題なんですね。

 

「そのような位置から争点を監視するのは気持ち悪くてしょうがない、あっ~いやだいやだ。ちゃんと走って回り込もう、角度をつけて見よう」と感じるようになったらしめたものです(自分に向かって言っている)。

 

こんな「串刺し」ポジション、主審だけかと思っていたら副審でもあるんですねぇ~これが。

 

そもそも副審のポジションはタッチラインと平行でなければならないわけで、しかもある意味常に「串刺し」ポジションで監視している必要があります。一番わかりやすいのがオフサイドラインの監視ですね。常に2番目の守備側選手なりボールなりハーフウェーラインなりを「串」とした場合に攻撃側選手が「串」に対してどこにいるかを見極める必要があります。

 

もちろん副審もファウルサポートのために争点をイメージしながら競技者の動きを監視しますけど、そのためによりよいポジションを確保する目的でオフサイドラインを無視して動くわけにはいきません。主審はよりよい位置を目指して自発的に動きますが、副審は競技者やボールの位置を正確に見極めるために決められたコース上にいる必要があるわけです。

 

ところが週末に担当した2種の試合で「副審にも串刺しのポジションがある」ことを認識しました。そしてオフサイドラインから外れても、よりよいポジションをとる必要があることも学びました。

 

その状況とはオフサイドライン上に攻撃側選手、守備側選手、ボールが一直線上に並んだ場合です。まさにオフサイドラインによる串刺し状態です。

 

それは攻撃側選手が私が担当している側のタッチラインぎりぎりをドリブルで抜けて守備側選手を振り切ろうとしている状況でした。プレーの一環として攻撃側選手はタッチラインの外にいったん出てボールをキープしながらフィールドの内側に向かって切り込もうという動きなわけです。当然守備側選手は攻撃側選手にスペースを与えないよう真横からタッチラインへ向かってドリブルしている攻撃側選手を追い込むわけなので、ここでの最優先監視項目はボールの一部がタッチライン上にあるのかボールの全体がフィールドの外にあるのかということです。ドリブルで抜けてしまえば得点の機会ともなるわけでこの見極めは勝敗を左右しかねません。

 

律儀にも?タッチラインと平行な位置でかつフィールドに正対しながらサイドステップで監視していた私はポジションとしてはオフサイドラインをキープ。ところが攻撃側選手がドリブルしながら自分とタッチラインの間にいるわけなのでボールを真上から監視もできないですしタッチライン上に目線を置いて横からボールを監視することもできません。つまりタッチラインとボール全体の位置関係という空間認識は不正確になっていたわけですね。

 

で、それが起こりました。一瞬攻撃側選手がドリブルしたボールの全体がタッチラインを割ってフィールドの外に出たようにも思えたわけです・・・けど、不正確にしか監視できないフィールドに正対した「串刺し」のポジションにいる私は確信を持てないのでフラッグアップせず、そのままプレーを監視し続けました。守備側選手は「出た!」のアピール。でも見えてないのにシグナルを推測で出すわけもいかず・・・。結果ドリブルで抜けたボールは守備側にクリアされ・・・事なきを得た(?)というわけです。

 

さてさて、この場合はやはりオフサイドラインから一瞬ズレるべきで、ボールの位置とタッチラインとの関係を正確に把握できるボールより前か後のタッチライン上に目線を置くべきでした。現実的にはボールより前となると後ろを振り返りながら走るという無理な動きになるので、やはりボールの後ろになるべきかと。その後ボールがタッチラインを割らなければ、素早くオフサイドラインに戻る、という動きにすべきでした。

 

この場合のような副審の「串刺し」も冒頭で述べたように「走れてない」というよりも「何を(この瞬間には最優先で)監視すべきかのイメージ」を持ててない(瞬間で判断できていない)ことが要因だと思います。

 

やはり実戦は学びの宝庫ですな・・・と今回も思い知った次第でございます。

 

では、I'll be back.