ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

サッカー審判員が会場についてからフィールドに入るまでやるべきこと。

さて、週末に3種の副審を担当したところ・・・前回の「串刺し」と全く同じ状況に。

さっそく前回で書いたことを実践し、オフサイドラインからずれて後方に回り込みタッチラインとボール全体との位置関係を見極めた・・・かと言えばそうではなくオフサイドラインをキープしたままボール、ドリブルで抜けようとする攻撃側選手、それを防ごうとする守備側選手と一直線になって並走。次の瞬間に攻撃側選手の斜め後方からボールを見下ろすよう視線でボールとタッチラインとの位置関係を見極めボールの全体がフィールドの外に出たと判断しフラッグアップ。攻撃側選手からの違和感や異議の言動もなかった・・・という次第でした。

 

う~ん、やはり頭で考えたことと実際の場面で遭遇したときの動きやイメージは違いますね。この課題まだまだ検討の余地ありです。

 

 

さて今回は試合会場についてからフィールドに入場するまでの間、審判員としてやるべきことは?ということについて簡略に書いてみたいと思います。

 

1.本部挨拶

2.フィールドチェック

3.マッチミーティング

4.審判団打ち合わせ

5.用具の確認

6.選手確認

 

ざっと書くとこんな感じです。あれ?順番がオカシイのではと思った方もいらっしゃるかと思いますけど、そうです、必ずしもこの順番でなくともいいのです。あと、これだけ?と仰る方もいらっしゃると思います。そうなんです、これだけでない・・・かもです(要は曖昧・・・)。

 

さて上記「やるべきこと」リストは単なるセレモニーではないので何のためにやるのかを理解することが肝要ですよね。何のためか?を以下に書きますと:

 

① ラポールの形成

② 競技規則の要件への適合

③ ローカルルールの確認

④ 審判団の意思統一

⑤ 大会運営者との合意形成

 

となります(上記①~⑤の「何のため」は前述の1~6の「やるべきこと」とは順番通りの対応関係にあるわけではないのでご注意を)。

 

さてまず①.これは本部(大会運営者)に挨拶したり初対面かもしれない自分以外の審判員と会話することでラポール(=人と人との間がなごやかな心の通い合った状態であること)を作っておきましょう、ってことです。身体と同じで十分に温まっていない状態で、事務的な打ち合わせなんか始めると・・・人間関係のアキレス腱が切れたりしかねませんから。心のウォーミングアップもお忘れなく。

 

次に②です。これはここですべてあらためて書く必要はないと思いますけど競技規則の第1条~4条までの要件にフィールドや選手や用具やボールを適合させるってことです。

 

旧競技規則では「使用するすべてのボールを確実に第2条の要件に適合させる」「競技者の用具を確実に第4条の要件に適合させる」ことが主審の任務として書かれています。ところがこの記述は新規則ではなくなっています。でもこれは当然、主審の任務から削除されたりしたわけではなく変わらぬまま必須任務(当然副審も主審と協力してこの任務を果たすことが求められています)であります。新規則にも旧規則と同じく主審の任務として「競技規則を施行する」と書かれているわけで、この記述で十分だという判断に今回なったのだと思われます。

 

ポイントとしては両チームのユニフォームの色が識別可能か、またボールの気圧も主審に設定値を確認して気圧計で計測して調整しておきます。そのためにも整列前に早めに試合球を両チームから出してもらいましょう(整列してから手で押したってボールの気圧は分かりませんよ。念のため)このボールを早めにもらっておくのは副審の役割です。

 

あと意外と見落としてしまうのが、ベンチにいる交代要員のビブスの色。この色がユニフォームの色と重なっていたり近いと・・・A2担当の場合(つまり本部およびベンチに向かってフィールドに正対している)オフサイドラインの監視がやり辛くなる場合があります。ビブスは着用していればいいというものではなく、フィールド上にいる競技者と確実に見分けがつくようにする用具なわけです。

 

③はマッチミーティングがあってもなくても、大会運営者にしっかり確認しておきましょう。審判団の誰かが分かっているだろうなんて思い確認せずにいたら・・・誰も分かっていなかった!なんてこともあり得ます。とくに交代の制限(何人までOKか?再出場は有りなのか無しなのか?等々)や飲水タイムの有無や取り扱い方、試合結果の決定方式なんかは確実に確認です(もはや新規則で行うか旧規則で行うかの確認も不要となりますね)。あとベンチ役員と交代要員の人数(要はベンチには何人入ってもいいのか?)も大切な確認ポイントです。

 

④はいわゆる試合前の打ち合わせです。疑問があれば、これまたちゃんと確認して主審(副審)と意思統一しておきましょう。

 

最期に⑤。審判団が安心して試合に集中できるのは大会運営の方々がいてくれるおかげです。ですから本部とは最大限の協力関係を作っておく必要があります。第4審判員がいない時の交代手続きのサポートなどしっかりと確認しておきたいものです。またこれは両チームの監督を交えたマッチミーティングでの主審からの伝達事項となりますけど、キックオフ何分前に笛を吹いて選手に整列してもらうのかも伝えておきましょう。この時大会本部で先発選手をチームリストと照合しながら確認し審判員が用具確認するなら目安として5分前、両方を整列後に行うなら7分前(あくまで目安です)とかに設定。とにかくキックオフから逆算しておくことが大切です(フィールドに入って整列挨拶後にボールを蹴る時間を選手に与えるのか、記念撮影があるのかもチェック)。キックオフ時間の変更有無しはしっかりと大会本部と合意確認しておきましょう。(ちなみに過去記事《こちらです→「 サッカー主審の重要任務 - タイムキーパー 」》の繰り返しになりますけど15時キックオフなら15時~15時59秒の間にインプレーになればいいということです。念のため。)

 

そうそう上記に出てきたチームリストは早めに入手して先発選手の番号をブッキングしておきたいものです。同時に各チームの交代要員の数も(ゼロの場合もあり得る)把握しておきましょう。

 

なんか思いつくまま書いたので漏らしてしまっていること多々あると思いますのでアドバイスなど頂ければ幸いです。

 

大切なことは競技規則の施行というのはキックオフから開始されることではなく、その前から始まっていて特に1条~4条の施行はフィールドに入る前から審判団として確実に行いましょうということです。そしてちょっとでも不明確もしくは不安な点があれば迷うことなく審判団で話し合い確認を行いましょう。

 

実際には多くの4種の場合などでは上記のことを理想的に進めたり実行することは難しいとは思います。ただ上記のようなことを知ってて(分かっていて)省略するのと知らないまま(分かってないまま)試合に臨むのでは全く審判団の準備状況としては異なること覚えておいてください。

 

いくつかのことは、またあらためてフォローアップ記事にしたいと思います。

 

では、I'll be back.