ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

会場入りしてからキックオフまでの準備についての一考察

自チームの帯同にしろ協会から割当てにしろ審判員を務める場合は主審、副審が試合前に対面し挨拶をする、というのが通過儀礼のように思います(この時初対面なのか顔見知りなのかで会話内容やお互いの接触態度も違うでしょう)。

 

さて、この対面するタイミングはケースによってかなり異なるのが普通。4種の帯同ですとまさにキックオフの15~10分前(直前なんてこともあるでしょうね)、協会の割当てですと2~1.5時間前とかずいぶん状況が違う。

 

こういう異なる状況の中で試合前の打ち合わせとか準備とかの項目を挙げてみても、実際に出来る打ち合わせや準備は常に同じというわけにはいきませんよね。ましてや各審判員の経験値や技術レベルやモチベーションが異なる場合、それに応じた打ち合わせなり準備プロセスを経ないと現実的でなくなります。

 

そもそも「サッカー審判員は試合前になんの打ち合わせをすべきなのか?」と思って調べたり質問したりするのはその必要性を感じたからであって、打ち合わせしてもしなくても同じであれば「何をすべきか?」なんて疑問も生まれないかもです。しかし一方でインストラクターの方々から「審判員同士(チーム)でどのような打ち合わせ(準備)をしましたか?」と尋ねられて「ああ、打ち合わせって必要なんだな~」と思いつつもそれはなぜか?ということが分からないまま「打ち合わせってなにするの?」って疑問をもたれている方もいるかもです。かくいう私も3級審判員になってなければ打ち合わせ(準備)なんて行っていなかったでしょうね。

 

今回、試合前の審判団の打ち合わせ&準備の必要性は:

 

「審判員のパフォーマンスを最大限発揮するため(=試合を円滑にすすめ選手のパフォーマンスを最大限発揮できる環境を整える)」

 

である、とだけ書いておきましょう。

 

これ以上は皆さまが実際に経験を積まれてその必要性を身をもって知る以外はないので、具体的な打ち合わせや準備項目を挙げたとしても状況によってそれらの内容も異なるので今回は触れずに記事を終了します・・・ではあんまりなので多少思いついたことを書いてみますね。

 

まず打ち合わせも含め準備と定義しましょう。準備をすれば「バタバタしたり不安になったりしない」ということかと思います。つまり審判員によるミスや確認不足による「事故」を未然に防ぎ余裕をもって審判業務にあたれるというわけです。

 

繰り返しになりますけど経験を積めば何の(なぜ)準備をすべきかも分かってきますし準備自体もスムーズに行えるようになります。ただ実際は3級審判員同士もしくは2級の方と組む場合でも、とても綿密に準備される主審の方と割とざっくりと準備される方の大まかに二通りの方がいらしゃいます(通常会場入りしてからの準備は主審のリーダーシップのもと行います)。なのでいずれの場合(たとえ自分が副審担当でも)ひとつの目安として以下の3点を押さえておきましょう。

 

①キックオフから逆算した時間割の作成

②審判員同士、運営本部、ベンチ役員、選手との確認

③フィールドの点検、ユニフォームの確認、試合球の準備、チームリストの確認&審判記録用紙への記入

 

細かく言えば多々、準備項目はあるのですけどまずは上記3点を常に念頭に準備に臨んでみてください。

 

ではまずは①から。

 

キックオフの時間を知らないなんて審判員の方はいないはずなので、その時間を起点としてスケジュールを分単位で設定します。例えば:

 

1)会場入り:2~1.5時間前

2)運営役員の方々への挨拶 : 会場入り直後

3)マッチミーティング:70~60分前

4)審判団の打ち合わせ:マッチミーティング直後(もしくはその前)またはキックオフ30分前

5)スタメン選手集合:7~5分前

 

というような感じです。

 

3)のマッチミーティングの時間は審判員ではなく運営本部により会場入り前から設定されているはずです。なので逆にこのマッチミーティングがない場合には運営本部やベンチ役員と確認するタイミングを審判団で設定しておきましょうということです。

 

で②は上記の時間割で言えば3)のマッチミーティングおよび4)で行いさらに5)でのメンバーチェック、用具チェック時において確認のためのコミュニケーションを図ります。

 

マッチミーティングを行う試合は4種などではほとんどないと思います。そこで何を行うかは一度御経験いただくのが何よりです。ただ、ひとつ言えることは「知ったかぶり&分かったつもり」をしないということです。大会規定、適用すべき競技規則のバージョン、ベンチ入り人数、交代要員の数と実際の交代回数、飲水タイムもしくはクーリングブレークの有無や方法、ウォームアップの場所やボール使用可否、退場や退席の場合の「移動エリア」の確認等々です。あとユニフォームの色の重なりなど少しでも不安要因があるのであれば審判団の要望を明確に伝えましょう。

 

次に③です。ここでのキーワードは「早め早め」です。これらの準備が選手集合直前とか集合してからになると全く余裕がなくなり審判団、チーム役員、選手、運営本部全ての立場の関係者の大きなストレスにもなります。できれば3)のマッチミーティングと同じタイミング(逆算時間)で試合球の気圧確認と調整、メンバー表の確認と記録用紙への記入、そしてユニフォームの確認と必要に応じてのサブユニフォームへの切り替え要請等は完了しておきましょう。

 

審判団の打ち合わせ内容は多々ありますけど、自分の実感としてゴール時やオフサイドの判定やシグナルについてなど通り一遍の確認はしていたのに肝心の確認が抜け落ちていて試合中に密かに焦る・・・なんてことがたまにあります。例えばアディショナルタイムの主審からのシグナル方法とかベンチへの伝達方法または交代時の選手確認および用具チェックの分担とか(すべての試合に第4審判員や手馴れた運営本部の方々がいるわけではない!)等です。なので自分が副審の場合でも主審を「たてつつ」自分が主審を担当する気持ちで上手くリーダーシップを発揮してみて下さい。

 

やはり最終的には経験の中で蓄積していくしかないですね。まあ、よりよく蓄積していく(=知見を網羅的に体系づけしていく)ためのちょっとしたヒントになればと思い書いてみました。ぜひ皆様の準備の方法やお考えを共有いただければ幸いです。

 

では、I'll be back.