ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

オフサイド - ターミネーターしか判断不能か?~後編②

さて昨日の続き、オフサイドの反則「その位置にいることによって利益を得る」の新しい定義です。

これから、この文章を細かく検証(大袈裟)していきます。マニアックと思われる側面もありますので、頭が痛くなってきたら読むのを勇気を持って中止することをお勧めします。

 

“その位置にいることによって利益を得る”とは、既にオフサイドポジションにいて、ゴールポストやクロスバーからはね返ってきたボールをプレーすること、または既にオフサイドポジションにいて、相手競技者からはね返ってきたボールをプレーすることを意味する。

 

“その位置にいることによって利益を得る”とは、次のようにボールをプレーすることを意味する。
(ⅰ)ゴールポストやクロスバー、または 相手競技者からはね返った、または それらに当たって方向が変わってきた ボールを、既にオフサイドポジションにいる競技者がプレーすること。
(ⅱ)相手競技者が意図的にセーブして、 はね返った、方向が変わってきた、 またはプレーしたボールを、既に オフサイドポジションにいる競技者がプレーすること。

相手競技者が意図的にプレーした(意図的なセーブは除く)ボールを、既にオフサイド ポジションにいる競技者が受けたとしても、その位置にいることによって利益を得たとは判断しない。(下線筆者)

 

まず(ⅰ)は従来の解釈文章を再現したものなので読解に問題は生じないと思います。問題は(ⅱ)ですね。

 

はじめてこの(ⅱ)の文章を読んだ時,分からなかった点が二つあります。それは:

1)「意図的なセーブ」の意味するところは?

2)「プレーしたボール」とはなにを意味するのか?

の二点です。

 

で、競技規則の「はじめに」にも書かれている通り:

「日本では、FIFA が基本としている英語版を(公財)日本サッカー協会が毎年改正部分を含めて日本語に翻訳、表現を見直しながら出版している。もっとも、文章に疑義が生じた場合は、競技規則の注解の「公式言語」にあるよう、英語版の文章が正式なものになるので、英語版の競技規則に基づき解釈することになる。」

の原則にのっとり英語版(以下英文)を入手して参照してみました。

(2時間スペシャルみたいな展開・・・?)

 

• “gaining an advantage by being in that position” means playing a ball
i. that rebounds or is defl ected to him off the goalpost, crossbar or an
opponent having been in an offside position
ii. that rebounds, is defl ected or is played to him from a deliberate save
by an opponent having been in an offside position
A player in an offside position receiving the ball from an opponent, who
deliberately plays the ball (except from a deliberate save), is not considered
to have gained an advantage.(下線筆者)

 

さて、「意図的なセーブ」は英語では「a deliberate save」。これは英語を読んでもやはり具体的に何を意味するのかわからないので、とりあえず後回しにします。

次に、「相手競技者が意図的にセーブして、 はね返った、方向が変わってきた、 またはプレーしたボール」は英語では「a ball that rebounds, is defl ected or is played to him from a deliberate save」となります。こ、これは!!

 

実は「相手競技者が意図的にセーブして、 はね返った、方向が変わってきた、 またはプレーしたボールを、既に オフサイドポジションにいる競技者がプレーすること。」の文章を初めて読んだ時、「意図的にセーブして、はね返った、方向が変わってきた」と「プレーした」 を並列関係で読んでしまいました。

 

で、そのため「相手競技者が意図的にプレーした(意図的なセーブは除く)ボールを、既にオフサイド ポジションにいる競技者が受けたとしても、その位置にいることによって利益を得たとは判断しない。」の文章にある「意図的にプレーした」と何が違うのか(同じではないのか)の疑問が生じたわけです。

 

でも、英文を読んでみるとこれは、すべて「意図的なセーブ」からの(from a deliberate save):

1)はね返った(rebounds)

2)方向が変わってきた(is defl ected )

3)プレイした(is played )

ボール、

であることがわかります。つまりすべては「意図的なセーブ」から生じたことが、結果的にオフサイドが成立する必須要件となるということです。(その意味では「プレイした」と訳すより直訳的に「プレイされた」とした方が分かりやすくなったような気がします・・・いかがでしょうか?え?そんなことはどうでもいい?失礼しました・・・)

 

この時点でも私の二つの疑問点:

1)「意図的なセーブ」の意味するところは?

2)「プレーしたボール」とはなにを意味するのか?

にはまだ明確な答えが出ていませんね。

 

2)の疑問に答えるためにも、やはり明らかにすべき最大の疑問は「意図的なセーブ」の意味です。

 

次回はいよいよ最大の山場!

「意図的なセーブ」とは何かの真相が明かされますっ!!(大袈裟だな~あ。ひっぱるな~)

 

では、I'll be back.