ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

ボールがアウトオブプレーの時の「ファール」

いきなり見出しに矛盾がありますね。

なぜなら:

 

ファウルとなるための基本的条件
反則をファウルとして判断するためには、次の条件が満たされなければならない。
●競技者によって犯される
●フィールド内で起きる
●ボールがインプレー中に起きる

 

と「競技規則の解釈 第12条 ファールと不正行為 」には書かれていますから。

 

ここでいう「ファール」とは、例えばよくあるケースでいうと「競技規則の解釈 第12条 ファールと不正行為」122ページにある次の様なプレーが行われている時に見られるものです。

 

「体を相手競技者とボールの間に置くことは、許される。戦術的な理由で相手競技者とボールの間に自らを置くことは、ボールがプレーできる範囲にあり、相手競技者を手や体で押さえていない限り、反則ではない。ボールがプレーできる範囲にある場合、その競技者は正しい方法で相手競技者によりチャージされることがある。」

 

この場合、インプレー中に不用意な、無謀な、過剰な力でチャージされたらファールとなりますね。

 

で、よくある「アウトオブプレー時のファール」のケースを具体的に言うと:

 

1)守備側競技者が攻撃側競技者と(攻撃側が最後に触れた)ボールの間に体を置いてそのままゴールラインを割らせようとしている。

2)ボールの全体がゴールラインを越えてまさに(守備側競技者の意図通り)アウトオブプレーになった時に不用意に守備側競技者の背中を攻撃側競技者が押した。

 

というようなことになります。

 

この場合、プレーの再開は「その前の判定に基づき再開」となりますので、ゴールキックの判定です。

 

で、主審もゴールキックのポジションに移動して次のプレーに備える・・・

ちょっとストップ!!

 

ここからが本日の本題なんです。

 

確かに判定は直接フリーキックではなく、ゴールキックです。ファールではないということです。でも「競技規則の解釈」でいうところの「正しい方法で相手競技者によりチャージされる」にはなっていません。

 

押された守備側競技者は「おーい!(意図通りボールにライン割らせたけど)なに押しやがんだ!」ってな気持ちになることもあります。さらに酷くチャージされたら「くそーおおお。やられたら、やり返す!倍返しだ!!」ってなことにもなりかねません。

 

だから主審は「やられ損」になるないように、この場合不正にチャージした攻撃側競技者に「押さないよ!」と注意を与えるべきなんです。チャージの不正の程度によって笛を使ったり、競技者を呼び寄せたりと注意の与え方も工夫すべきでしょう。

 

この注意の目的は、そういった危険な(場合によっては負傷に繋がる様な)行為の抑止にあります。

 

また、その危険な行為に対する「報復」という第二の危険の抑止でもあります

(主審がファールした側に注意を与えることでファールされた側の「代弁者」となり

ファールされた側の気持ちを落ち着かせる意味合いもあると思います)

 

つまり事前に危険を回避する(できる)ようにゲームをコントロールするのがレフェリーの役割だということです。

 

 ボールがアウトオブプレーになった後に競技者が押されるなどの行為は試合中によく見られます。試合の流れをよく読みながら、注意すべきところはしっかりと注意をその選手に与え、また周りの選手にも「危険な行為は流さないよ」というレフェリーの意思を明示するようにしましょう。

 

もちろん、「大声出して脅かす」「つばを吐く」などの反則を犯し場合はアウトオブプレーでも警告もしくは退場です。

 

あと、ボールの全体がまだラインを超えていない場合にファールが犯された時に、そのまま流してファールを取らずスローイン、ゴールキックでの再開にしてしまうことがあります。この場合、その試合で主審が定めたファールの基準に触れるならしっかりと笛を吹くべきです。

 

で、もしそのまま吹き損ねて流してしまっても、しっかり注意を与えることを行って欲しいと思います。

 

ファールがなぜ許されないか。ずるくて危険だからです。

ならファールが成立しなくても、同等の行為はサッカーで「流して」はだめなんですよね。

 

危険の回避を心がけましょう。

 

では、I'll be back.