ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

主審によるフラッグアップのキャンセル ― 「意図的にプレーした」場合

四国初のJ1昇格チームとしての期待を背負った徳島ヴォルティス。本日がホーム開幕戦です。迎えたのはセレッソ大阪ウルグアイ代表FWディエゴ・フォルラン選手の加入もあって注目されていますね。

 

また、発熱で、日本代表としてのニュージーランドとの強化試合出場を辞退していた柿谷曜一朗選手も出場。徳島には特別の思いがある柿谷選手。凱旋といきたいところですけど、まだ本調子ではなかったように思います。

 

で、本日の試合は大方の予想通り(?)徳島が0-2で負けました。今のような消極的なプレーかつ運動量とパス回しのスピードと精度に欠けていては年間通じてJ1チームに勝利するのは難しいかも・・・と悲観的になりながらも本日後半には攻撃のいい動きもあったように思います。次節以降に期待!です。

 

さて本日、研修の教材映像にされそうなシーンがありました。

 

後半30分ごろ、セレッソ大阪の選手から前線に大きく蹴りだされたボールを徳島のDFがヘディングでクリアしようとしたものの、ヘディングしたボールがそのまま後ろに逸れて、「オフサイドポジションにいた」セレッソ大阪の選手へ渡りました。

 

それを見たA1の村上孝治副審は即座にフラッグアップ。

 

「あれ?」とその瞬間思い、主審の松尾一さんを見るとフラッグアップをキャンセルするシグナルを送り、副審の村上さんも旗を降ろして、すぐにオフサイドラインまでダッシュしていました。

 

 第11 条 オフサイド

定義

●〝その位置にいることによって利益を得る〟とは、次のようにボールをプレーするこ
とを意味する。
(ⅰ)ゴールポストクロスバー、または相手競技者からはね返った、またはそれらに当たって方向が変わってきたボールを、既にオフサイドポジションにいる競技者がプレーすること。
(ⅱ)相手競技者が意図的にセーブして、はね返った、方向が変わってきた、またはプレーしたボールを、既にオフサイドポジションにいる競技者がプレーすること。


相手競技者が意図的にプレーした(意図的なセーブは除く)ボールを、既にオフサイドポジションにいる競技者が受けたとしても、その位置にいることによって利益を得たとは判断しない。

(下線筆者)

 

今さら詳しく説明する必要もないと思いますけど「?」の方は、こちらをどうぞ (ますます分からなくなったらごめんなさい) →  オフサイド - ターミネーターしか判断不能か?~後編④

 

今回はほんとうに教材ビデオで見たシーンにそっくりでした。さすが松尾一主審。一時の迷いもないキャンセレーションでした。

 

解説の早野宏史さんも「今のはオフサイドの反則ではないですよね」というようなフォローを即座にされていましたので、今回は特に「意図的にプレーした」のか「意図的なセーブ」なのか迷うシーンでもなかったですね。

 

それにしても2010年にはJ1通算副審担当120試合達成された村上氏でもフラッグアップしてしまうとは、オフサイドの反則の見極めって頭で分かっていてもフィールドにいて一瞬で判断することって難しいんだなあと、あらためて思った次第です。

 

では、I'll be back.