サッカー実況中継アナウンサーの「誤審」
日本代表監督に就任したハリルホジッチ（まだまだカタカナ変換に手こずります）氏の視察のもと、行われた本日のＦＣ東京 ｘ 横浜ＦＭの試合。
権田選手の素晴らしいセーブなど見せ場もありつつ「ちょっと、ボール持ちすぎなんだよな～」と早いパス回しを期待してしまう偉そうな感想とともにスコアレスドローという、ちょっと不満の残る試合でありました。（その中でもアデミウソン選手が目立ってました。今後が楽しみ）
そんな気分が影響してのあら探しってわけではないのですけど、気になったのはＴＶ中継のアナウンサーの（ＴＢＳの土井敏之さんでしょうか？）審判判定についての実況。
まず後半２２分ぐらいの「プレーオンです。アドバンテージをみてます」の実況。うーん、主審の西村さん、スタジアムにいる観客からもはっきりとわかるシグナル、曲げた両腕を体の前で交錯させ両腕を外に向かって振る動作、つまり「打ち消し」の動作をしてましたのでこれは「ノーファウル」です。
まあ、これはまだいいとして（ホントはよくないですけど）試合終了直前のＦＣ東京によるコーナーキックの時の土井アナウンサーの実況はいただけません。
この時起こった事象は、コーナーキックからボールが蹴られる前に両チームの選手がお決まりの「争い」をしている中で横浜の選手（ＤＦの小林選手か？）が倒された（倒れた？）というもの。小林選手が倒れたのを見た、主審の西村さんは笛を吹いてプレーを止めます。しかしすでにキックの助走から足を振りぬく態勢に入っていた横浜のキッカーはそのままボールを蹴ったので（これ自体は何の不正でもありません）、コーナーキックのやり直しとなります。
本当は蹴り出されそうになる前に介入して結果コーナーキックのやり直しは避けたいわけですけど、選手同士の（正当な）争いはずっーと続いているわけですから介入したとしても、このような事象はコーナーキックが蹴り出される直前まで起こりえるので西村さんをが笛を吹いたことも、笛を吹いタイミングも問題ありません。
さてこの時の土井アナウンサーの実況と言うのは、
「横浜ＦＭサイドにしてみれば、（コーナーキックの）やり直しでなく、ファウルをとって欲しいプレーでした」
というもの。
審判員の方々にはこの実況の間違いについて説明する必要はありませんけど、念のために競技規則およびガイドラインを挙げておきます。
競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン
第１２条 ファウルと不正行為
ファウルとなるための基本条件
反則をファウルとして判断するためには、次の条件が満たされなければならない。
●競技者によって犯される
●フィールド内で起きる
●ボールがインプレー中に起きる
（下線筆者）
サッカー競技規則 ５２Ｐ
第17 条 コーナーキック
進め方
●ボールは、ゴールラインを越えた地点に最も近い方のコーナーアークの中に置かなけ
ればならない。
●コーナーフラッグポストを動かしてはならない。
●相手競技者は、ボールがインプレーになるまで、コーナーアークから9.15ⅿ（10ヤー
ド）以上離れなければならない。
●攻撃側チームの競技者がボールをけらなければならない。
●ボールは、けられて移動したときにインプレーとなる。
●他の競技者がボールに触れるまで、キッカーは再びボールをプレーしてはならない。
というわけで、「横浜ＦＭサイドにしてみれば、（コーナーキックの）やり直しでなく、ファウルをとって欲しいプレーでした」とはならないわけですね。
これ、重箱の隅を突くようにも思えますけど、やはり影響力のあるテレビ放送でのこと。もしこのコーナーキックを起点としてＦＣ東京が得点を入れて試合終了しようものなら、この実況を聞いたマリノスファンが「西村主審～！なぜファウルとらなかったんだよ～！」と、いわれなきバッシングが始まるかもしれません。
まあ、そこまでいかなくとも誤解を招きそうなことは確か。土井さんＴＢＳのスポーツアナウンサーのエースだと思いますので今後は審判についても再度お勉強頂き実況いただきたいものです（この記事読まれたら、何なりとご質問ください。はは。）
これは確実に覚えておいて欲しいのですけど、競技規則の原則は「ファウルを受けた側が不利になる様な規定はない」ということです。
そして蛇足ではありますけど、もちろんインプレーになってないので、どんな行為も許されるということではありません。ファウルにならないだけで不正行為に対してはケースに応じて懲戒の罰則が用意されてますよ～ん。
えっ、今回の実況聴いてもファウルにするべきなんて誰も思わない、ちゃんとルールわかっているって？ファンの皆さまそれは失礼しました。
というわけで？誰でも間違いはありますので、皆さまも私の記事で「間違っている！」「おかしい！」というようなことあれば、どんどんご指摘いただければ幸いです。
では、I'll be back.
