ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

サッカー副審 - デビュー戦から引退まで絶対やらなければならない、ひとつのこと。

本日は偶然にも?休暇取得の日。朝から、なでしこの応援です。

 

さて最後の最後でイングランドDFバセット選手のオウンゴールで2大会連続の決勝戦進出となりましたこのシーンで、2週間前に自分が主審をした試合でのある場面を思い出してしまいました。

 

それは8人制のリーグ戦でのこと。相手ゴールに向かっていた選手がはなったミドルシュートがゴールに見事突き刺さりました。ところがそのゴールが組み立て式で、ゴールネットの背面側面が通常のゴールと比べて浅く出来ています。ので、ネットの背面と側面の境となるゴール枠に当たったボール(というわけで完全にボールの全体はゴールラインを越えています)がすぐさまはね返ってフィールド内を転々としました。

 

試合前に打ち合わせしたように私はゴールインを確信し、副審のお父さん審判員のIさんとアイコンタクト、そして笛を吹いてゴールのシグナルを出しました。

 

この後がU12らしいのですけど、自分達に有利な判定が出ているのにゴールしたのか確信が持てずプレーを止めたまま、どうしたものかという様子の選手達。私は直ぐに「ゴールだよ!」と声をかけてキックオフで再開するように促します。

 

このような場合は主審が迷った様子を見せたり、選手に指示だしせずに試合の進行を遅らせるようなことがあってはフィールド内外に不信感を与えてしまいます。事は得点かどうかという判定なわけですから「う~ん、どっちだっけ?」とか「選手の様子見て決めよう」なんてことは許されません。

 

というわけで、確信と毅然さをもってゲームマネジメントしたわけですけど、この場面で「あちゃ~」と冷や汗かいたことがありました。それは副審のIさんとアイコンタクトした瞬間のこと。その時のIさんゴールラインの真横、コーナーアークからはるか離れた、最終ラインがあったと思われる位置に立っていたんです。

 

Iさんがハーフウェーラインに向かって走り出したので「事なき」を得ましたけど、もしIさんが「う~ん、私には見えなかったです~う」なんて素振りや迷いを見せていたら…。試合後Iさんに確認したら完全にゴールしていたことは見えていたようなので、ホッとしましたけど・・・ゴールした時の位置が・・・。

 

以前にも書きましたけど説得力ある判定のためにも副審はどのような位置からシュートが放たれても、そしてボールに「置いてけぼり」にされてもゴールラインまで走りきらなければなりません(もちろんボールがはね返ってインプレーのままならボールを再度追いかける、最終ラインにつくという動きをします)。その時は明らかなゴールのケースでしたけど、微妙だった場合、副審が立っている位置がゴールラインの真横でなければ、もし異議が起こった場合・・・。

 

本日のイングランド戦でのオウン「シュート」は明らかにゴールだったので判定に対する異議はなかったケースですけど、場合によってはゴールラインテクノロジーが必要なこともあるでしょう。

 

で、我々はゴールラインテクノロジーを頼るわけもいかないので、副審の場合は必ずゴールラインまで走りきりましょう。

 

本日の様なオウンゴールの場合、どちらのチームにとっても命運を大きく分ける結果となり、またアンラッキーなゴールをしてしまった守備側選手の精神的動揺は計り知れないものがあります。だからこそ、正しく説得力のある判定をするために審判員も全力を尽くす義務があるわけです。

 

再度書くと私が主審を務める時に帯同審判員の方と行う試合前の打ち合わせ項目は2~3つだけ。

 

それは:

 

① ゴールの時の動作とシグナル(明らかな場合、ゴールなのにまだインプレーと選手達が思っている場合、ファウルがあった場合)

② オフサイドのシグナル(成立してからフラッグアップ。遅い分にはかまわない。主審がキャンセルする場合)

③ レフェリーコール(タッチラインゴールラインを割った場合に主審の方がよりよく見極められる位置にいた、もしくは副審とは逆の判定にする場合の合わせ方)

 

 

です。

 

というわけで、今週末は中学生の公式戦での副審を務める予定です。またレポートしますね。

 

では、I'll be back.