遅延行為にみる「本音と建前」
トゥーロン国際大会の日本対パラグアイU-21の試合。残念ながら1-2で日本U-23代表は一次リーグの初戦を落としてしまいました。
しかし普段はこんなこと書かないのですけど、日本代表のサッカー、そっくりそのままJリーグのジュニアやユースチームが行っているボール回しそっくりですな。つまり相変わらずのバックパス、横パスの連続。早い動きや激しい当たりの中で前に進めるボール回しに「慣れていない」ので受け身なゲーム展開だったような・・・。ちょっとこのままの状態が続くと日本のサッカーの将来が心配、心配、心配・・・です。
そんな中でも浅野選手とオナイウ選手のコンビネーションに明るい希望を見ました。
さて、この試合で気になったことがパラグアイの選手による「ちょっかい」と主審のマネジメントなんですね。
日本がフリーキックなどでリスタートしようとするたびにパラグアイの選手がボールをあらぬ方向に動かしたりボールを持ったまま移動して離さなかったり、ボールの前に立ってリスタートの位置を直させようとしたり・・・まあ、自由にリラックスして?「ちょっかい」出してくれてました。
これらは遅延行為の要件を満たしていてイエローカードを提示してもいいのですけど、そこはギスギスしたくない?伝統ある国際大会ゆえか、主審もまずは十分な注意を与えていました。パラグアイの選手に時間をとってコミュニケーションをしています。まあ、最初の対応としては妥当なものでいきなり警告にしないこと、またはしたくないという主審の本音も見えます。
ところがまったくパラグアイの選手には効かないんですね、この注意(苦笑)。その後もことごとく「ちょっかい」出して、まるで不良に翻弄されている優等生の日本選手って感じで、見ているこっちもイライラしてきました。
こうなると主審の本音は建て前となり、本音としてはイエローカードだしたいけど、基準の一貫性が損なわれる、どうしょうかな~って感じでしょうか。まあ、その心持は推測するしかないんですけど、明らかに後半はパラグアイの選手が「ちょっかい」だしても前半ほど注意しなくなったので、正直これは主審のマネジメントとしては失敗しているという見方をされてもしかたないかな~と感じました。
つまりはやんちゃなパラグアイの選手(こういうのをマリーシアという概念で括ってはいけません)は、「いくらやっても警告されないから、やっちゃえやっちゃえ」と思っていた(もしくは少なくとも結果そのように採られてしかたない状況が生み出された)ふしがありますね。
これU-12のカテゴリーで主審がこのようなマネジメントをやったらベンチは大荒れ、教育上もよろしくないということになります。そもそもU-12で選手がこのような「ちょっかい」をリスタート時にだしたら、明らかな悪意を認めていいと思いますので私なら(偶発行為でない限り)即警告です。というかこのような芽は早い段階で摘んで「悪い大人」のマネはしないようにとのメッセージとすべしですね(指導者の方々、応援の父兄の方々くれぐれも子供たちに向かって「ボールの前に立てよ!立てよ!」なんて声は出さないようにお願いします)。
とはいうものの、今回の遅延行為のマネジメントには考えさせられる部分も多々あり、遅延行為に限らず主審の意図が選手に理解されず(もしくは無視され)「無法状態」になった場合(もしくはなりかけた場合)どのように、またどのタイミングで次の一手を打つべきかという課題が突き付けられた感じがします。
まずは、どのような場合でも選手が競技規則の意図に反して自分たちの都合がいいように試合を進めているような状況を生み出さないようにしましょう。
さてこの記事書いていたら今度はポルトガルU-20代表チームに日本U-23代表は負けてしまい2連敗となりました。トホホ・・・。
この試合もネタ満載で?主審のフランスのミロさんの判定にもツッコミどころあり・・・なんですけど一方で実況されていたNHKのアナウンサーの方の審判法(もしくは競技規則)に対する理解不足などもありここは審判の方々の名誉のためにも書いておかなければ・・・というわけでその辺は久しぶりに(一か月ぶり?)に主審と副審を務めた自身のケースとともに後日。
では、I'll be back.