ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

「主審も色々」2018FIFA ワールドカップロシア大会 雑報その④

さていよいよ決勝トーナメント開始。いきなり大一番のフランス代表対アルゼンチン代表の試合。4-3でフランス代表が勝ちましたけど、勢いや総合力共にフランス代表が点差以上に上回っていたように思います。今後の展開が楽しみ。それにしてもチームに世界的スーパースターがいるとチーム作りも難しいよな~とあらためて思いました。

 

さてこの試合の主審はイランのFAGHANI Alirezaさん。ファガニーさん流石ですわ。安心して観ていられます。もちろんVARとの通信は行っていたのでしょうけど、「安易に」テクノロジーに頼っていません。アウトオブプレー時も含めて笛を吹きすぎ?カード出し過ぎ?いえいえ、難しい試合をよく仕切っていました。選手がもみ合っていたら直ぐ介入。なかなかの剛腕ぶりも(笑)。*介入のスタイルは主審によって様々。必ずしも腕力は必要ありません(笑)。それよりも選手同士のもみ合いが起こりそうになったら副審や第四の審判員に「何をして欲しいのか」事前に伝えておきましょう。

 

さてファガニーさんとは逆に正直「なんでこの人ワールドカップ本大会の主審に選ばれたのかな~?」と自分のことはさておき思ってしまう主審の方々がいらっしゃるのも事実です。以下、言いたい放題。

 

①MATEU Antonio主審(スペイン)

フランス代表もいたグループCのデンマーク代表対オーストラリア代表の試合の主審ぶりを見る限り、この方のファウル判定基準はよく分かりません。後半交代で登場した、フランス代表エムバぺ選手と同じ、19歳の有望株ダニエル・アルザニ選手に対する後ろからのチャージ。ノーファウルとのことですけど・・・うーん最低でもファウル。どう考えてもイエローカードの対象なんですけど・・・。デンマーク代表デラネイ選手が左手でアルザ二選手の肩を掴んでさらに折り曲げた肘をアルザ二選手の背中に付けて押しているように見えるんですけど・・・。リーガエスパニョーラチャンピオンズリーグではたとえ後方からでもこの程度のホールディングやプッシングには耐えて倒れている場合ではない!ってことでしょうか「重鎮」マテウ主審にとっては・・・。まあアルザニ選手、早く欧州移籍してください。

 

②CACERES Enrique主審(パラグアイ

 

カセレスさん決して下手な方ではないと思いますけど・・・。例の引き分けとなったイラン代表対ポルトガル代表の試合での判定、特にまさに前回の記事「 『君は笛を吹けるか?ペナルティーキックの判定』2018FIFA ワールドカップロシア大会 雑報その③ 」にあるようなPK判定が・・・ヒドカッタ。後半立ち上がりのクリスティアーノ・ロナウド選手に対するペナルティエリア内でのイラン代表サイード・エザトラヒ選手のチャージをノーファウルと判定・・・で直後VARのアドバイスでPK判定に。カセレス主審、目の前の事象です。国際審判員でも目の前であまりに明らかなファウルが起こると笛吹けないんですね・・・。親近感を覚えました。イクラ ナンデモ コレハ マズイ。

 

で、決定打が後半終了間際のポルトガル代表セドリック選手のハンドリング。VARとの交信に物凄く時間も掛かっているので試合のリズムも狂いますね。そして何よりこれ目の前ですよカセレス主審!あなた観客席でも見てましたか(苦笑)。すぐに笛吹いて欲しかったなあ~。もうテクノロジーの達人の称号をカセレスさんには献上です!

 

③SIKAZWE Janny主審(ザンビア

 

シカズウェさん、緊張していたのかな~。いやいや大舞台の経験も豊富なベテランがそんなわけは・・・。でもこの方シグナルが遅い。自信なそうに見える。私みたい・・・。日本代表対ポーランド代表の試合を観る限りボールがタッチラインを割った直後のシグナル、けっして微妙な判定でもないのにけっこう選手の様子をみて方向を決めているような感じです(*微妙なラストタッチの場合この「選手たちの様子を見て決める」判定はテクニックのひとつとも言えますけどけっこう「落とし穴」も多いのでご注意を)。レフェリーサイドでも同じ。コーナーキックゴールキックの判定も自分に近いサイドなのに副審を頼っている(ように見える)。3級審判員の我々でもインストラクターの方から注意されてはならない動作の様な・・・。慎重になりすぎたのかな~?

 (*ちなみに主審に近い場所での微妙なラストタッチの判定を争点にはるかに遠い副審に求めて決定すると・・・ベンチの不信を買いかねません。)

 

さてさて、以上言いたい放題でしたけど、俺に笛を吹かせろよと思われた日本の国際審判員の方も多いのでは・・・とまたまた言いたい放題すべて私論でござます。こんなところを見るのも楽しいワールドカップでございます。

 

では、I'll be back.