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ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

オフサイド - ターミネーターしか判断不能か?~後編⑤

「プレーしたボール」とはなにを意味するのか?(後編④からの続き)

 

これは、「意図的なセーブ」からの「プレーしたボール」とはどのような意味なのか?という疑問です。

 

再度、復習のために書くと:

「意図的なセーブ」からの(from a deliberate save):

1)はね返った(rebounds)

2)方向が変わってきた(is defl ected )

3)プレイした(is played )

ボール

 

を既に オフサイドポジションにいる競技者がプレーするとオフサイドの反則になります。

 

この「意図的なセーブからのプレイした(された)ボール」という分かりにくい表現を理解するために、以下にオフサイドポジションにいる競技者がオフサイドの反則になる場合、ならない場合のすべての基本パターンを、「誰からどの様にして来たボール」なのかの視点でまとめてみます。

 

① 味方競技者から直接出たボール → オフサイドの反則

② ゴールポストやクロスバー、または相手競技者から

  1)はね返った

  2)それらに当たって方向が変わってきた

  ボール            → オフサイドの反則

③ 相手競技者の意図的なセーブから

  1)はね返った

  2)方向が変わってきた

  3)プレイした

  ボール            → オフサイドの反則

④ 相手競技者が意図的にプレイしたボール → オフサイドの反則ではない

 

あれれ?これで全部でしょうか?「意図的でないセーブ」とか「意図的でないプレー」ってあるのでは?

 すでに見てきたとおり:

もし「意図的でないセーブからのボール」があるのなら、それは②の「相手競技者からはね返ったまたはそれらに当たって方向が変わってきたボール」と同じですね。

どっちにしろ結果はオフサイドの反則です。

で「意図的でないプレー」はというと、それは存在しないですね。無意識に身体が動いたプレー、とか意図どおりにいかなかったプレーがそれに該当するかのように思えてこれは「意図的なプレー」ということになります。

 

では、なぜ「意図的」なんて言葉をつけているのだろう?ただのプレーでもいいじゃん!って思われるかもしれません。この「意図的」って言葉でずいぶんわかりにくいように思えるのは日本訳も英語文も同じ。

 

これは、上記①~④の「誰からどの様にして来たボール」なのかのパターンにおけるオフサイド判定の重要な視点を明確にするためだと思われます。特に②~④の間における判断視点を明確にするために。

●②と④の区別 : まず「意図的なプレー」とすることで②の「「相手競技者から、はね返ったまたはそれらに当たって方向が変わってきたボール」との違いを明確にします。

●④と③の区別 : でその「意図的なプレー」の対概念として「意図的なセーブ」を設定。意図がどちらにあったかに判断の視点をフォーカスさせることになります。 

 

で、ここでようやく、「意図的なセーブ」からの「プレーしたボール」とはどのような意味なのか?という疑問についてです。もう説明する必要もないでしょう。でもあえて事象例を挙げておきます。

 

事象例「意図的なセーブ」からの「プレーしたボール」:

 

攻撃側選手がゴールに向かって美しいループシュート。ボールは枠をとらえてゆっくりとキーパーの頭上も越えてまさにゴールまであと1m。そこでキーパーより後方に残っていた唯一の守備側選手が間一髪でオーバーヘッドキックによってクリア。そのプレイは見事得点を阻止したものの、ボールにクリーンヒットせず、ふらふらと空中に上がったボールはループシュートの前にすでにオフサイドポジションにいた攻撃側選手の前に。彼はこのボールをシュート。

 

ついでに「意図的なプレー」の事象例も:

事象例①:

攻撃側選手がコーナーキック。そのボールを最終ラインにいた守備側選手がキック。

そのボールをすでにオフサイドポジションにいたキッカーである攻撃側選手がトラップ。

事象例②

攻撃側選手がペナルティエリアへ落ちるループ気味のクロスを上げる。そのボールを守備側競技者がオーバーヘッドキックでクリア。ところが当てそこなってボールはフラフラとすでにオフサイドポジションにいた攻撃側味方選手の目の前に。その攻撃側選手がそのボールをボレ―シュート。

 

この新しいオフサイドガイドラインの文章が分かりづらくなっているひとつの理由は繰り返し出現する「プレー」という言葉が異なる次元(概念ともいえます)で使われているからです。

まず「インプレー」の概念:そもそもフィールド内での競技者の行動の大半はプレーであるという概念。一番大きな概念。

「意図的なプレー」の概念:すでに説明したとおりコントロールのもくろみを持って(またはコントロールのもくろみが得点阻止のもくろみを上回って)プレーすること。

「意図的なセーブからのプレー」:得点を阻止するために(もしくはそのことがボールをコントロールする意図を上回って)プレーすること。(阻止の概念にコントロールが取り込まれている感じです)

 

うーん、書くと余計に分かりずらくなりました。はは。

 

 ということで後編が5回に及んだ『オフサイド - ターミネーターしか判断不能か?』シリーズもここに完了です。(しかし今さらながら、このタイトル、内容と関係ない・・・)

 

でも、まだひとつだけ疑問点があるんです。それは今回のオフサイドガイドラインの「“その位置にいることによって利益を得る”」の文章の日本語訳と公式英語版を比較すると、「これって文章正しいの?(翻訳の問題でなく英語版自体でも)」と思わざる得ない個所があります。それは・・・もうずいぶん長くなったのでまたの機会に!

 

 お知らせ: 明日からのお盆期間中、山に篭ります。次回は8月17日にアップの予定です!

 

では、I'll be back.