ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

興梠選手のPKフェイントとケネディ暗殺にみるVARの罠

またまた、しばらくぶりなのにアクセスが集まっているなあ~と思ったら・・・

興梠選手のPKフェイントが話題になっていたのですね。

 

浦和レッズ VS ヴィッセル神戸での試合開始10分での興梠 慎三選手が獲得したPKですね。

 

さて興梠選手のPKフェイント。私も何回も動画で確認させて頂きました。何の問題もございません。

 

以前のこちらの記事もご参照ください→ 「PKもしくはPK戦における「正当なフェイント」と「不正なフェイント」 」

 

 

「競技者が一度助走を完了した後、ボールをけるためにフェイントをする(助走中のフェイントは認められる)。主審は、そのキッカーを警告する。」

 

付け加えるなら「助走を完了」とは「ボールを蹴り始める体勢になった」ということです。この体勢になったらフェイントは許されません。つまり「ける動作」自体は一連の動作になっていなければなりません。一連の動作とは、けり足を止めたり、けるふりをしたり、蹴り始めている足があるのに、いきなり軸足にけり足を変えるとか(そんな動きが現実に可能かどうか。一方の足が蹴り始めていなければ、軸足(と思われていた)足でけること自体は問題ございません)を行わないということです。

 

ただ動画見直していた時に感じたことを一言。スロー再生していると興梠選手の軸足の動きが気になったりしたのですね。まるで軸足をずらしているかのような(実際軸足は動いています)。

 

でもこれは「ボールをけるためのフェイント」ではありません。ける動きは一連の動作になっています。フェイントを「相手を惑わす動作」という定義にすると助走まではその惑わしに成功、けり始めては惑わす動作にはなっていないのです。お見事興梠選手。

 

ここにVARの「罠」があるような。あのアジア杯でも議論を呼んだハンドリングの反則がVARで特定されたのは、スローモーション(ハイスピード)画像が人の目に「別の現実」を拡張してみせるのではという罠です。その昔ケネディ大統領の暗殺画像をスロー再生したら「トンデモ」解釈が出てきたようにです。

 

VAR恐るべし、という結論に至った興梠選手のPK。なんか変な方向にいってしまいましたね。

 

では、I'll be back.