読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

サッカー審判員の「批評と弱点」(前半)

さて、トゥーロン国際大会の日本VSポルトガルの試合についてです。

 

前回予告していた主審(フランス)のミロさんの「ツッコミどころ」と実況の方の「理解不足」についてです。

 

さてまずは「ツッコミどころ」は巷で話題の?日本のクロスボールをポルトガルのDFパウロ・エンリケ 選手が手で「叩き落した」事象についてです。実はあらかじめいっておくと本当の「ツッコミどころ」はこの瞬間の判定(ハンドにすべきだったのか、どうか)についてではなく試合全体におけるミロさんの動きなんですね。それは後ほど。

 

とはいえ、この「ハンド」については書くべきだと思いますのでちょっと詳しく見ていきましょう。

 

最初にフェアに話を進めるために私が主審だったらどうするかを書くと、即「ピー」っと笛吹いてPKとしますね。

 

第 12条 ファウルと不正行為

ボールを手または腕で扱う
競技者が手または腕を用いて意図的にボールに触れる行為はボールを手で扱う反則であ る。主審は、この反則を見極めるとき、次のことを考慮しなければならない。

●ボールが手や腕の方向に動いているのではなく、手や腕がボールの方向に動く。

●相手競技者とボールの距離(予期していないボール)。

●手や腕の位置だけで、反則とはみなさない。

●手に持った衣服やすね当てなどでボールに触れることは、反則とみなされる。

●サッカーシューズやすね当てなどを投げてボールにぶつけることは、反則とみなされ る。

 

さて、事象を素直に見ると「手や腕がボールの方向に」・・・動いてます。「予期していないボール」・・・とは言い難いですね。

 

ただ上記の条文はあくまで「考慮しなければならない」要点であってもハンドリングの反則が成立するための要件ではありません。一番大事な見極めポイントは「意図的に」ボールを腕や手で扱ったかどうかですよね。

 

私の判断はクロスボールが上がってきている状況で、あれだけ腕を上げていたら「未必の故意」を感じてしまうという次第です。はい。

 

一方でエンリケ 選手の悪意まで感じるかというと、そうでもないことは腕で叩き落とされた後のボールの軌道を見ればわかりますね。そう、野津田選手がシュートできるように跳ね返っているわけですので、決して腕を使って阻止したとまでは言い切れないようにも思えます。

 

というわけでずるい言い方なんですけど、この事象をハンドリングと判定しても大誤審とも言えずハンドリングでないとしても大誤審とは言えないアンビバレントな後半なんですね(なんのこっちゃ)。

 

さてミロ主審はどのように判断してPKとは判定しなかったのでしょうか?可能性は以下の通り。

 

1)エンリケ選手の意図は認めず偶発的に腕にボールが当たったと判断した。

2)エンリケ選手のハンドリングと認めたものの、その直後野津田選手がシュートできるとみてアドバンテージを適用した(ちなみに、ここでプレーオンのシグナル&声を出すと「やっかい」なことになる可能性があり・・・なんですね)

3)そもそも腕にボールが当たった事象が見えなかった。

 

まあ、順当に考えて1)だと思いますけど、2)3)は考慮に値しないかと言えば・・・それは後半で。

 

次にNHK実況のアナウンサーの方の「理解不足」について。

 

まず例のバックパスについては膝にボールを当ててゴールキーパーに返しているのでミロ主審の判定で何の問題もありません。詳しくはこちらの本のP117をご参照下さい →

ポジティブ・レフェリング

 

で私が実況の方の理解不足を感じたのはここではなく、審判員としての悲しい性?からくる微妙~な、感覚についてなんですね。これも後半で。

 

では、I'll be back.