カモメにボールが当たったら(後編)
さて、どうも文章読解能力が低いのか未だハッキリしないのですけど、フィールドにカモメが入ってボールに(が)当たったら主審はどうすべきかについて書きますね。
実は今までのやり方通り新旧の関連規則を並べて書こうとしたのですけど、ますます混乱しそうなので以下のように一覧にしてみました。
旧競技規則
●フィールドに「存在してはならないもの」は二つ
1)部外者
2)試合球以外のボール、その他の物、動物
●部外者 = 外的要因、チーム役員、フィールド外の競技者、交代要員、交代して退いた競技者
●外的要因=チームリストに記載されていない者(「退場を命じられた競技者」も同様の扱い)
●主審が試合を停止した場合の処置と再開方法:
外的要因 : フィールドやその周辺から離れさせる。
試合が停止されたときにボールがあった位置からドロップボール。
チーム役員: フィールドから離れさせる。行動が無責任ならフィールドやその周辺
から離れさせる。
試合が停止されたときにボールがあった位置からドロップボール。
フィールド外の競技者 :警告する。必要があればフィールドから離れさせる。
その他の違反がなければ、プレーが停止したときにボールがあった
位置から相手チームの間接フリーキック。第12条違反なら12条に
従って再開。
交代要員、交代して退いた競技者:
反スポーツ的行為で警告。フィールドから離れさせる。プレーが停止
したときにボールがあった位置から相手チームの間接フリーキック。
試合球以外のボール、その他の物、動物:(できるだけ早い機会に)排除する。
試合が停止されたときにボールがあった位置からドロップボール。
●得点があったときにフィールド上に部外者がいた場合
認めない: 部外者=外的要因=プレーに干渉。部外者=得点したチームの競技者、
交代要員、交代して退いた競技者、チーム役員
認める : 部外者=外的要因=プレーに干渉していなかった。部外者=得点された
チームの競技者、交代要員、交代して退いた競技者、チーム役員
新競技規則
●フィールドに「存在してはならないもの」は二つ
1)部外者
2)試合球以外のボール、その他の物、動物
●部外者 = 外的要因、チーム役員、フィールド外の競技者、交代要員、交代して退いた競技者、退場を命じられた競技者
●外的要因=チームリストに記載されていない者
●主審が試合を停止した場合の処置と再開方法:
外的要因 : フィールドから退出させる。
試合が停止されたときにボールがあった位置からドロップボール。
チーム役員、交代要員、交代して退いた競技者、退場を命じられた競技者:
フィールドから退出させる。適切な懲戒処置をとる。
フィールド外の競技者 :警告する。フィールドから離れさせる。
プレーが停止したときにボールがあった位置から相手チームの
間接フリーキック。第12条違反なら12条に従って再開。
試合球以外のボール、その他の物、動物:(できるだけ早い機会に)排除する。
試合が停止されたときにボールがあった位置からドロップボール。
●得点があったときにフィールド上に部外者がいた場合
認めない: 部外者=得点したチームの競技者、交代要員、交代して退いた競技者、
退場を命じられた競技者、チーム役員。部外者=外的要因=
プレーを妨害。「フィールド上の部外者」で示すような得点の結果に
ならなかった。
認める : 部外者=得点されたチームの競技者、交代要員、交代して退いた
競技者、退場を命じられた競技者、チーム役員。部外者=外的要因=
プレーを妨害していなかった。
●ボールがゴールに入りそうでボールがゴールに入った場合
認める : 妨害=守備側競技者がプレーするのを妨げていない(ボールとの
接触があっても)。入ったゴール=相手競技者のゴールでない。
どうでしょうか?新旧の異なる点がお分かりいただけと思います・・・なんて偉そうに書いてますけど私もこうやって今回該当規則を一覧にしてみるまでカモメを「外的要因」と理解していましたけど間違ってますね。新規則の記述に従うならカモメは「外部からの妨害」となります。確かにこちらの言葉の方がしっくりきます。
で、ポイントとなる言葉は「干渉VS妨害」です。上記一覧に目を通していただくとなぜ干渉ではなく妨害という言葉でなければならないのかお分かりいただけるかと思います。
いきなり話がオフサイドに飛ぶと、ここでも大きなポイントは干渉という言葉がなくなり「妨害」という言葉が使用されていることです。干渉というスポーツにおいて具体的状況がイメージしにくい言葉でなく妨害という表現になっていることはまさに改正だと思います(ただしinterferingという元々の英語の言葉は変わっていない。つまりより良い訳になったということかと)。
で、今回の新競技規則で付加されたのが「ボールがゴールに入りそうでボールがゴールに入った場合」についての条文です。つまり「外部の要因によるボールへの接触があってもボールはもともとゴールに入りそうでそのまま入ったなら、アドバンテージが適用できる状況であれば得点を認めよう」ということです。
というわけでカモメにシュートしたボールが当たった場合でも(それがフィールの中であるなら)もともとボールはゴールの枠の中へ向かって進んでいて、そのままボールが入れば得点です。ただしカモメによってボールの軌道が変わって(つまりカモメに接触する前の軌道のままだとゴールには入らなかったと判断できるなら)ゴールに入っても得点は認められません。再開方法はこの場合ドロップボールですね。つまりプレーはカモメに「妨害」されたわけです。
で、このとき分かりずらいのは「相手競技者のゴールでなければ」という条件文です。この文章が直観的に違和感がある理由は普通得点すべきゴールとは相手競技者のゴールを指すからです。
この場合の「相手競技者」って誰から見た「相手」なんでしょうか?「チーム役員、交代要員、交代して退いた競技者、退場を命じられた競技者」の場合なら明確です。承認なしにもしくは禁止されているのに侵入した側が得になる結果(=相手ゴールへの得点)を認めてはフェアじゃないからです。つまり「相手」とは部外者から見た「相手」となります。
では外的要因から見た「相手」って?例えば4種の試合でどちらのチームの関係者でもなくまた子供を応援している保護者でもない観客が侵入した場合は、どうするのか?カモメから見た「相手」って?う~ん、日本語って難しい・・・いやいや英文も同じなんですね。そもそも外部者(物)から見た相手じゃなくて当該規則にある守備側競技者からみた相手なら辻褄はあいます。あいますけどまだ違和感は残る・・・。
というわけで前回書いたように「あまり深読みしないのが身のため」か・・・。う~ん皆さまのご意見アドバイスお待ちしてます(ズルイ)!
では、I'll be back.