サッカー主審の屈辱そして「君がいる」
キリンチャレンジカップ2014~ありがとう国立競技場~
日本代表 対 ニュージランド代表の試合。試合後のインタビューで長友佑都選手が「このレベルの相手に手こずっているようじゃあW杯が思いやられる」的な話をしていましたね。インテル・ミラノでも中心選手としてチームを牽引している長友選手らしい自負と責任感に溢れるコメントだと思います。
まあ、W杯直前でも調子が上がらずボロクソに言われた代表チーム(日本代表に限らず)は数知れず。本番よければすべてよしなんだけど、メンタルが気になるんだよな~。元気よくプレーして欲しいです。
とまあ、いちサッカーファンとしてのコメントは置いておいて、今日のハイライトは、やはり主審交代でしょうか(苦笑)。今日の審判団は、オーストラリアの方々。
主審:Mr. Alan MILLLINER(アラン・ミリナーさん)
A1:Mr. Ashley BEECHAM(アシュリー・ビーチャムさん)
A2:Mr. Mathew CHEESEMAN(マシュー・チーズマンさん)
第4審判:東城穣さん(PR)
で、そのハイライトは後半10分で、主審のミリナーさんが左太もも裏を押さえながらフィールドの外へ。第4審判の東城さんがミリナーさんに代わって主審としてフィールドに入りました。
サッカー競技規則 P58
第4 の審判員およびリザーブ副審
その他
●第4 の審判員は、競技会規定に基づいて任命することができ、リザーブ副審が任命さ
れていない限り、3 名の審判員のいずれかがその職務を続行することができなくなっ
た場合にその職務を行う。第4 の審判員は、つねに主審を援助する。
●競技会の主催者は、競技会開始に先立って、主審がその職務を続行することができな
かった場合に、第4 の審判員が主審として務めるのか、第1 副審が主審となって第4
の審判員が副審を務めるのかを明確にしておく。
(下線筆者)
2007年から 国際主審を2008年から プロフェッショナルレフェリー契約されている東城さんが、すぐさま主審としてフィールドに入ったのは試合前に主審が「万が一」の場合の決めごとがきちんとなされていた証拠(当たり前か)。
これ我々のレベルですとこのような決めごとは、ほとんどなされてないのが現実ではないでしょうか。それに小学生の市内レベルの公式戦でも第4審判員がいないことはザラ。主審が負傷・・・さて大慌てってことになりますね。
でも、主審を務める立場からいうと「万が一」は絶対に起こしたくないこと。まさに念のための取り決めといってもいいでしょう。
今日のような代表戦しかも全国放送?での主審の交代劇は非常に珍しい。
ミリナーさんにとっても「シンジラレナイ~」って気持ちでしょう。
中学生のくせして夜遅くまで、国立のスタジアムで観戦していた次男によると試合前はウオームアップを入念に行っていた審判団。でもこの突然の出来ごとの中では東城さんにウオームアップする余裕はなかったようです。これは気温の低いこの季節とてもキツイはずです。そこはさすがプロフェッショナルレフリーの東城さん、この代役を見事にこなしていましたね。
実は私も3級審判員の実技研修中に主審交代の「屈辱」を味わっています。
最初にその危機があったのは、最初の実技研修で中学生の30分ハーフの試合で主審を務めた時。季節はそろそろ涼しくなったかなと思われる10月末です。これが油断となりました。1試合目で副審を務め、あまり間を置かずにろくに水分補給せずに2試合目で主審を務めていた後半ふくらはぎに違和感が走りました。
そう、初めての中学生の試合での審判で対角線に走ることを繰り返す中でこむら返りが起き始めていたのです。
これ選手ならグランドに横になってストレッチしたいところ。でも主審にはそんなことは許されません。もう、ここは交代なんて(しかも交代する人もいないし)前代未聞と心の中で叫びながら、ごまかしごまかし乗り切りました。(もちろんインストラクターの方からは「後半運動量落ちたねえ~」のご指摘が。)
で、そんなこんなで10試合以上務めていたのちのある強豪高校での練習試合を使った研修の副審→主審の順で2試合目に臨んでいた時に「悲劇」が起こりました。
実は3級審判員の研修が始まってから実技研修で感じていた力不足を補うために走りこみもやっていたらついに1か月ぐらいして左足の内側が肉離れ。でここで1カ月のドクターストップ。そしてなんとか走れるまで回復したと思いきやこんどは、いわゆる「ランナーズ二―」になったようで決まって20~30分走ったころに膝の外側が激痛に襲われるようになっていたのです。
そして、その日も試合前にウオームアップを十分に行っていた(インストラクターの方がウオームアップも丁寧に指導してくれました)にもかかわらず、またまた左膝外側に激痛が。
ここでも、途中交代は絶対ありえない~と、踏ん張ろうとしたのも空しく、だんだんと走れば走るほど足から力が抜けてドクターストップならぬインストラクターストップ。見かねたインストラクターの方がフィールドに入ってこられて「交代しましょう!」とひとこと。
その後は身体も心も冷え切って試合を眺めていました。
だから本日の日本代表とニュージランド代表の試合でのミリナー主審の気持ちが私なりにとてもよくわかるんです。とても悔しかったはずです。
私のように鍛錬が足りていないとは違った全く別の次元で起こった悲劇だと思います。
さて今日のハプニングから学べることは:
① 主審が(または副審が)「万が一」の事態での代役の分担を試合前に打ち合わせしておく。
② 「万が一」の場合できるだけウオームアップの時間をとってあげる。
でしょうか。②は状況によって難しいとも思いますが。
ところで、TVで観ていると第4審判員の東城さんが主審としてフィールドに入った後、交代時に交代ボードを揚げていたのはだれ?私服だったような・・・。
最後に。本日をもって現在の国立競技場での日本代表の試合は最後ということになります。それを記念して入場者全員にスタジアムを模った「SAMURAI BLUEメモリアルクロック」が配られました。単4電池1本で動くアラーム付き置時計。スタジアムを俯瞰したキッチュな模型が笑いを誘います。JFAのロゴとSAMURAI BLUE vs NEW ZEALAND 2014.3.5 Wed NATIONAL STADIUMの文字が入った特製化粧箱?入りです。
ありがとう国立!
では、I'll be back.