ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

サッカー審判員が選ぶべきウエアとは?(副題:そしてゴアテックス論争に終止符を打つ!?)後編

さて、いよいよ(?)後編。副題にある「ゴアテックス」についてです。

 

まあ、いまさら書く必要ないとは思いますけど防水透湿素材として1番メジャーなブランドですね。

 

前回書いた「断定ポイント」は:

 

1)買ってデメリットは絶対ない

2)雨以外で大活躍

 

の二つでしたね。

 

1)は「そんなこと言われても・・・」というようなモノ言いですよね。でも、これ簡単に言うと蒸れによる不快感や汗による身体の冷えをある程度押さえながら雨風から身を守ってくれるわけなんで、デメリットがあるわけがないです、ってこと・・・うん?説得力がない?そうですか。そうですね。これ何の説明にもなってないですよね。はは。

 

思うに以上の様な素晴らしい機能(これから具体的な経験として御紹介します)があるのに「買うべきか?」なんて議論や質問があるのはゴアテックス素材のウエアの価格が「高い」からです。そう断言します。間違いないです(笑)。ユニクロのフリースと同じ価格ならそんな議論は絶対に起こりません(「フリースは買うべきか?」ナドドイウ議論ハキイタコトガナイ)。

 

でも何をもって「高い」ということになるのですけど、これは前回も書いたように本当に頻繁かつ広い範囲で使えるウエアは購入価格は高くても結局コストパフォーマンスに優れていると思います。でも、わかります。高いですよね。ゴアテックス素材のウエアって。筆者もそろそろ、クタってきたストームクルーザーを普段の自転車通勤用に限定して(ほとんど今はそうしております)もう一着ゴアの上着を買いたいのですけど、原資がございません。最近はちょっといいなってデザインのものは特にお高いですよね。

 

筆者の考え方でいうと、実はゴアテックスという素材に固執はしません。それと同等の機能と品質(耐久性も含め)の素材であればOKです(価格が安ければなお◎)。

 

例えば、サッカー審判時に会場までのMTBでの移動時(多分どの都道府県でも協会からの割り当て試合時には自転車での会場への移動は推奨されていないはずです。この場合、練習試合や割り当て以外の大会と御理解下さい)や会場での待機時には前回書かせて頂いたホグロフスのP2ベラムジャケットを使っています。このいわゆる「ハードシェル」のアウターはホグロフスのオリジナル防水透湿素材であるPROOFを使って作られています。これはこれでとても使い心地はよく、とても工夫されて出来ているウエアです。

 

このPROOFをゴアテックスと比較すると透湿性がゴアより劣る気がしますけど、このベラムジャケットは裏地がメッシュ生地になっていてポケットも多めに用意されていて、表生地も厚く全体の重量も重めなのでこれをそのままモンベルのストームクルーザーと比較するのはフェアじゃないと思います。

 

それでも、防水透湿素材のウエアを購入するならゴアテックス生地のものを選んでしまう理由は:

 

1)(メジャーな生地なので)ウェアの選択肢が一番多い(ブランドとしても種類としても)

2)使用実績(経験)からくる信頼性

 

ということになります。

 

さて、ストームクルーザーを買い直してまで使っているのは、もちろん雨具としての性能にもよるのですけど、実は雨の日以外にも使えるからです。それは様々な気候や様々なオケージョンでということです。特に防風防寒用に活躍ですね。

 

ところで「ゴアテックスのウエアは防寒用に使えるのか?」というのもよくある質問のようですね。

 

これに対する答えは「イエスでありノーである」です。要は状況によるということです。ここでちょっと回り道ですけど「防寒」について前編で触れたウエアに求められる4つの機能について説明しながら考えてみます。

 

1)防寒性

2)防風性

3)防水性

4)透湿性

 

まず最初に2)と3)について。これは文字通り風を防ぐ、水を防ぐなのでゴアテックス素材のウエアが一番期待に応えてくれる機能です。もちろん、これはウエアの着方や作り(広い意味でのデザイン)次第という面もあります。適切に着用した適切なデザイン(作り)のゴアのウエアで中に着ていた服が雨に濡れたとかポケットの中身が濡れた経験は今まで(この二十年)に一度もございません。(ただしストームクルーザーのポケットは完全防水ではありません。スマホなど水に濡れるとアウトになるものは防水ケースなどに入れてからポケットに収納することをお勧めします。私はちなみにジップロックバッグ(安い!効果絶大!)に入れてます)

 

次に4)について。これは最初の期待値によって感じ方が大きく異なるかもしれません。「透湿性=蒸れない」ということが一般的なイメージかと思います。でもウエアを着て一切蒸れないなんてことはあり得ません。これは次の「防寒性」で触れますけどウエアの重要な役割のひとつが「外気の遮断」にあるとすると、「蓋をされた状態」のウエア内部から水蒸気(蒸発した汗)が全部外に出ていく・・・なんてことは不可能なわけです。

 

例えば真夏に雨が降って雨具を着用なんて場合にゴアなら着用したまま活動しても耐えられない蒸れを感じるってことはありません。それもでも蒸れるし暑いですけどね。私の持っているストームクルーザーにはわきの下や側面にベンチレーション用のジッパーなんて高級なもの(?)は付いてないので、最新形のウエアならもっと快適かもです。で期待値が「全く蒸れない」ってことですと失望するでしょう。私みたいに格闘系競技を高校時代にやっていて減量のために炎天下にサウナスーツ(ウエアとしては透湿性とは全く真逆の発想ですね)を着て走っていた身としては、またいわゆるゴム製のカッパ上下で作業した経験のある身としては、ゴアテックスのウエアを着ると「感動した!」の一言です。まあ、そこまで極端でないにしても雨で濡れた衣服や身体をそのままにする危険性は夏でも冬でも同じことを考えるとそれを防いでくれながら、アクティビティのパフォーマンスを落とさなくていい、活動を長時間行えることは凄いメリットだと思います。

 

さてそこで、1)防寒性についてです。ひらたく言うと、寒い時に服をきて暖かくするってことですよね。そもそも服を着て暖かくなるってどいうことでしょか?

 

人が寒い時に暖かく感じるためには:

(1)身体を動かす (2)さらに服を着る(3)飲食をする (4)放熱物体を使う

のいずれかを経なければなりません。

 

(4)はひらたく言うと暖房器具(エアコン、コタツ、カイロ、焚火等々)を使うってことです。

 

 (ちなみに我が家では光熱費削減、地球温暖化防止のため(1)→ (3)を実践してから初めて(4)暖房器具使用が認められます(苦笑)。)

 

通常、健康な人の体温は36度台です。あたりまえですけど、それだけで既に暖かいわけです。で、人の身体は常に放熱しています。暑い時には汗をかくことで熱が身体にこもらないようにしているわけです。一方で、寒い時は放熱されるままですと、どんどん体温は奪われ寒く感じます。ですから寒い外気を遮断しながら放熱される熱を蓄熱する必要があるわけです。で、実際は服を着ることで熱を逃さず身体の周りに暖かな空気層を作ることで暖かく感じるわけです。

 

さて、そのようなわけですから薄いゴアテックの上着でも肌寒く感じる季節や風が多少冷たく感じる時期には外気を遮断してくれてちょっとした暖かな空気層を作るのに役立つのですから「ゴアテックスにも防寒性あり」と言えます。

 

とはいうものの、気温がいよいよ低くなって真冬にゴア一枚の厚さの生地しか外気と空気層の間にないのなら、空気層は冷やされて身体から放射されている熱は外気に負けて「ゴアテックスには防寒性なし」となります。

 

これが「イエスでありノーである」という答になる理由です。

 

それでもゴアテックス生地の持つ防風性は非常に優れていますので内側のレイヤリングをしっかりしていれば(=つまりアウター以外に暖かな空気層の保持力を持たせる)真冬でも活躍します。風は気温が低いこと以上に体温を低下させる要因になります。

 

この防風性に着目してブランディングされたのが同じくゴア社の防風素材WINDSTOPPERです。文字通りアウターの中に風が入って来ることを止めてくれます。私も街着のアウターとしてこの素材が使われている服を持っていますけど、防風性は絶大ですね。

 

また、ゴアテックスの素材で保温性を高めたアウター(いわゆる「インシュレイター(=冷気からの絶縁素材=化繊綿やダウン)を挟みこんだハードシェルのこと)もあります。こちらならゴアの防水透湿性を維持しながら防寒性も得られます(もちろん防風性も)。

 

ということで、この4つの機能を満たしたインシュレイターのあるゴアテックスウエアが一番の買いでしょう・・・とはなりません。やはり一着買うならできるだけ年中使える薄手のゴアテックスレインウエアがお勧めです。なぜならこの一着が結局一番応用範囲が広く、レイヤリングの工夫次第で色々使えて便利となりコストパフォーマンスに優れているからです。

 

さてウエア全般に言えることですけど、外気や風の強さという外的要因と同じく自分がどのようなアクティビティをするか、どの程度の激しさで行うのかによってもウエアの選択や調整が重要となります。なのでゴアテックスの薄い上着でも激しい運動や力仕事(雪かき等)する場合は真冬でもずっーと着ていると暑くなって脱ぎたくなります。冬季の無雪地帯の低山ならレイヤリング次第で薄手のゴアテックスのアウターが活躍してくれます。そもそも何時間も歩いていると汗かきますので。

 

よく低山でならゴアテックスの上着はいらない、もったいないなんて言う方もいますけど私の考えは全く逆です。低山でこそ必要かと。蒸し暑い時期に雨がシトシト降ってきて、そのまま衣服が濡れると後でやっかいなことになるとき、透湿性に欠ける雨具使っていると蒸し暑さが倍加され段々歩きのパフォーマンスが落ちてきます。特に雨の場合はレインウエアを着るタイミングが重要で、「蒸し暑いからもう少し本降りになってから着よう」なんて言って衣服がしっとりと濡れてから防水アウター着ても意味がなくなってしまいます。

 

私は近所にちょっとや街着としても(で状況によって通勤や出張時にも)ベラムジャケットやストームクルーザーを着ることがあります。「ゴアのウエアは街着としてOK?」。これに対する答も「イエスでありノーでもある」です。あなたの普段のファッションのスタイルから大きく乖離してなければOKでしょう。いくら北欧系の「オシャレな」アウトドアブランド着こんでも普段のあなたからアウトドアの「ア」の字も感じられないなら、ゴア着て街歩くのはあなた自身ノーではないでしょうか?

 

普段、私がサッカー審判員活動のためと称してウエアを購入しようとすると「格安のスーパーのスポーツ着で十分!」と言い切るウチの奥さんも自分のためにストームクルーザーを買い直して普段愛用していたり、次男の自転車通勤用にセールで安いショップオリジナルのゴアテックスのウエアを自分で選んで購入したところを見ると、このウチの奥さんの行動自体がゴアのウエアの信頼性とコストパフォーマンスの証と言えるのではないでしょうか?(高校生にゴアテックスは贅沢過ぎると思いますけど)

 

ただし繰り返しますけどゴアテックスの素材だから無条件にいいとは言えませんからね。ゴアテックスにも色々と種類がありますしブランドによって作りも異なります。この辺は信頼できるショップでご購入いただくことで間違いない選択ができるかと思います。私は「自分で使ってみてどうでした?」という質問をお店の方にします。これにどの様に答えるかで・・・。

 

さて審判活動におけるポイントとしては会場入りしてからの「待ち時間」や自分の割り当て試合終ってからの(帯同審判なら)自チームの応援とか他の審判員の方の試合の見学もあるかと思いますので「動く時」と「じっとしている時」の二つの状況を前提にウエアを選ぶ必要がありますよね。

 

あと今回上着が中心でしたので下半身(パンツ)については書けませんでした。これは案外盲点で手持ちのウエアも手薄になりがちです。これからの季節に防寒性はもちろん、もうひとつ審判員にとって重要なことはスパイクを履いたまま着脱が素早く容易にできることです。これ結構重要ですよね。

 

うーん今回も迂回した割には薄い内容だったような・・・そもそもサッカー審判と何の関係があるのか・・・失礼しました。

 

というわけで(?)いよいよ寒さも増すなか、ウエアに負けない審判員活動をせねばと決意を新たにするわけです。

 

では、I'll be back.