ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

サッカー審判員が猛烈に感動する時(歳のせいばかりではない…)

昨日(21日)は小学生のカップ戦の決勝戦にてA1を担当。

 

主審は安定感抜群、走力霊長類最強(?)の3級のIさん。A2は同期3級の鬼審判部長ことKさんです。

 

さて試合は両者一点も譲らずで5分ハーフの延長戦へ。で、それでも決着つかずのいわゆるPK戦となりました。結果、一方のチームの選手が二人、枠を外してしまい負けてしまいました。Iさんは「フルコース」を無事、主審として務め終えた満足感と充実感でいっぱいのご様子。で、私と言えば、感動していたんです。負けたチームの素晴らしさにです。

 

実は、負けたチームと書きましたけれど、試合内容では圧倒的に勝っていました。球際への寄せの速さ、選手全員のポジショニングのよさ、動き出しと連動力…等々どれをとっても素晴らしい。全体的に小柄な選手が多く、見た目は失礼ながらとても強いチームには見えないんですけど…いや~惚れてしまいましたよ。

 

勝ったチームのFWの選手は明らかにオフサイドポジションにいてボールを受けるという、審判からしてみるとラクな(実際、そのチームのベンチ前でフラッグアップしたら、コーチが即座に選手に向かって呆れたように「おーい、ラインみろよー、まったく~。」って感じでした。)動きをしてくれていました。一方で負けたチームの選手はどんな状況でも最終ラインを意識してぎりぎりから飛び出します。そして守備のときも最終ラインの押し上げが早いのなんの。「中学生、高校生みたいだ~」。

 

でも、感動したのはそのプレー以上に個々の選手の結束力と思いやりの深さなんです。PK戦のとき私はセンターサークルにいる競技者をコントロールする(これも変な言い方ですけど一応手元にある「サッカーレフェリーズ」の文言通りです)役割でした(本当はA2のKさんの担当なんでしょうけど主審のIさんの割り振りに従います)。

 

そして先攻のチームの4人目が失敗して、引き離すチャンスだった場面で、このチームの4人目の選手もつられたように外してしまいます。このとき泣きながら崩れた選手を誰からとなく「大丈夫だよ、大丈夫。」と励ましています。そして5人目のキッカーもプレッシャーからか外してしまい、泣き崩れていたら皆でその選手のもとに駆け寄り励ましています。正直、こんなチーム観たことないです。

 

そう、審判しながら「君たち素晴らしいよ」と声をかけたいのをグッと我慢しながら最後の挨拶の整列に向かった私でした。

 

試合後、そのチームのコーチの方々にとても感動したことを伝えさせていただきました。

 

私はこの決勝戦だけ務めたわけですけど、準決勝でも主審やられたIさんやKさんによると味方同士で試合中に罵り合うチームもあったようです。(私もたまに経験します。一度は高校生の試合で主審を務めた時のこと、試合終了後に整列したとき味方の不甲斐なさに怒ったゴールキーパーが「このサルが!」と味方のプレーヤーを罵ったので彼にイエローカードを提示したこともあります。反スポーツ的行為ですね。)

 

うーん、私に感動をくれたチームと味方同士で罵り合うチーム。この違いはどのようにして生まれるのか?感動とともに考えさせられる1日でもありました。

 

 

では、I'll be back.