ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

サッカー審判員の判定における「羅生門」(前編)

今週末は全国的に雨でしたね。雨量にかかわらず一度雨が降って水たまりができたグランドというのはプレーする選手はもちろんのこと審判員泣かせでもあります。人工芝のグランドでラインもしっかりとペイントされていればいいのですけど、我々の主戦場である土のグランドですとラインは消えボールのアウトオブプレーの判断さえも難しくなってきます。

 

チーム帯同で主審と副審の合計3試合を務めましたけど、本日はそのお話ではなくちょっと前の試合から(多分、記事にしていないと思うのですけど、最近同じ話を繰り返したりして・・・ちょっとヤバいかなと思ってます・・・)。

 

さてその試合で(たしか小学校六年生同士の試合)わたしは主審を務めていて、あるファウルに対してイエローカードを提示しました。実はこの日はインストラクターの方を招いて我々3級審判員の審判ぶりを教材に4級審判員の方々にディスカッションしてもらいながら審判法について理解を深めてもらうというものでした。

 

さて、試合が終わった私を待っていたのはインストラクターの方の厳しいお言葉。「基準が甘すぎるな~」。どうも手のファウルがとれていなかったようなんですね(手のファウルについてはまたあらためて書きます)。

 

で、さきほどのイエローカードについても「あれ、どんなファウルだった?後ろから激しくいってたと思うけど。」と仰りつつガイドラインにある「いかなる競技者もボールに挑むときに、過剰な力や相手競技者の安全を脅かす方法で、相手競技者に対し片足もしくは両足を使って前、横、あるいは後ろから突進した場合、著しく不正なファウルプレーを犯したことになる。」の文章を読み上げられて「レッドじゃなかった?」とのご指摘がありました。そして4級審判員の方々に「さきほどのファウル、イエローと思う人。ではレッドと思う人」と訊くとほぼ全員の方が挙手されたのは「レッド」

 

うーん、そうですか。まじかで見ていた私は確かに背後から激しくチャージしていたものの、勢い余ってのプレーで悪意性は強く感じられなかったので、そのご指摘を受けても「イエロー」との見解は変えなかったのです。

 

ところで、ある事象についての審判員の判定と競技者(+ベンチ役員、観客)の認識の組み合わせは以下のいずれかになるはずです。

 

① 審判員の判定は正しい + 周囲の認識も審判員と同じである。

② 審判員の判定は正しい + 周囲の認識は審判員とは異なる。

③ 審判員の判定は間違っている + 周囲の認識も審判員と同じである。

④ 審判員の判定は間違っている + 周囲の認識は審判員とは異なる。

 

①は説明するまでもないですね。

②は例えばヘディングの競り合いにおいて審判員はどちらの競技者にプレーの優先権があるかを適切に見極めて下にもぐりこんだ競技者のトリッピングのファウルと判定したのに観客は上から覆いかぶさったように見えた競技者のジャンピングアットと思った、などです。

③は正当なフットボールコンタクトでチャージされた競技者が倒れたので笛。観客もファウルだと思った、など。

④は例えば上記の私の例ですね。過剰な力を使ったファウルに対して主審は「無謀」と判定してイエロー。ベンチ役員はレッドとすべきと思った、などです。

 

そう、①~④のいずれかになるはずです。私は今でも②と思っているのですけど、インストラクターの方も含め大多数の認識は④を示しています。

 

ところがです!現実は小説よりも奇なり。この私の判定に対してインストラクターと4級審判員の方々のディスカッションがひととおり終ったあと(私は見事?生きた教材となったわけです)近づいてきたイエローカードを提示された選手側のコーチの方が「恐るべきこと」を私に告げたのです(後編に続く)。

 

では、I'll be back.