大人の見る絵本 爪はチエックしなくてもいいというけれど
副審であれ主審であれ用具チエックはサッカー審判員にとっては重要な任務となります。
通常、皆さん必ずすね当てと靴をチェックしますよね。でU12もしくはU18ぐらいまででは装身具が問題になることはあまりないはずですけど(とは言え出くわすことはあり得ます)例えば社会人の方々の試合ともなると様々な装身具が「登場」することがあります。ネックレスやブレスレット、指輪などを身に付けたままでないのかを確実にチエックすることが必要になってきます。
競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン
第4 条 競技者の用具
装身具
すべての装身具(ネックレス、指輪、ブレスレット、イヤリング、皮革でできたバンド、ゴムでできたバンドなど)は厳しく禁止されており、外さなければならない。装身具をテープで覆うことは、認められない。
審判員も装身具を身に付けることはできない(時計や試合時間を計測する同様の機器は
除く)。
で、ここには書かれていませんけど、ピアスですね。これを隠しもせずに堂々とガムテープで覆われていた方もいらっしゃいました。この場合もちろん外して頂く必要があるのですけど必ずといって出る言葉が「前の試合では何にも言われなかったのに」です。
ここで問題となることはふたつ:
1)審判員の対応の一貫性
2)競技者の意識
です。
1)については自分ひとりだけではどうすることもできないようにも思えます。しかし「ちゃんと外すようにいってよ~」と心の中で前の審判員の方に恨みごと言っても何にもなりません。ここは自分自身が対応の一貫性を壊すことのないようにしっかりと競技規則に沿った対応を厳守しましょう。
2)は選手の皆さんにおかれましてはサッカーという競技および他の競技者にも敬意を払い、お互いの安全のためにも自身の身だしなみを今一度確認して試合に臨んでいただきたいと思います。そして特にU12の競技者については指導者の方がしっかりとコーチングしていただきたいと思います。
さて舌にピアスがあったら?もちろん外していただきます。試合が終わりフィールドを離れればどちらにピアスをしていただくのも自由でございます。
さてU12のカテゴリーでも出現する用具違反について。
ストッキングをマジックテープでずれおちないように?留めている場合は第4条にあるようにストッキングと同色である必要があります。また靴のチェックは裏側だけでなく表側も行うようにしてください。靴のつま先側が破れている、そこをテープで覆っているのはNGです。えっ?そんなこと競技規則やガイドラインのどこにも書かれていない?いえいえ。
サッカー競技規則
第4条 競技者の用具
安全
競技者は、自分自身または他の競技者にとって危険な用具を用いる、あるいはその他の
ものを身につけてはならない(あらゆる装身具を含む)。
(下線筆者)
というように明確に規定されているわけです。不備があるスパイクではサッカーにとって一番重要な身体部分、足を痛める恐れがありますからね。
ここで大きな落とし穴をひとつ。それはユニフォーム。
今月の試合で副審を務めたとき整列してからの用具チェックを行おうとし・・・「ガーン!」。ショーツとストッキングが両チームとも黒。雨天の中、今さら替えて下さいとも言えず主審の方の判断でそのままで試合に臨むことに。まあ、大きな問題にはならなかったですけど、オフサイドの判定に大きな影響を与えかねないですね。というか競技規則に違反していますのでNGです。
整列してからの用具チェック時にはキックオフまでの時間がないので、それ以前に対戦チームのユニフォームの色を確認して問題あれば早めに交換の手続きをとりましょう。
このときゴールキーパーのユニフォームにも注意が必要です。
さて最後に爪について。最近は爪のチェックは必要ないことを認識されていてそれを行っている方はいないと思います。ただ格闘技系のスポーツをやっていた身としては伸びた爪は立派な「凶器」になることも経験しています。のでサッカーは格闘技でないにせよ、爪はしっかりとケアしておきましょう。これは審判員においても同様です。コイントスや握手するときクローズアップされた審判員の手の爪が伸びていたら・・・身だしなみ身だしなみ。
いずれにしても「競技者の用具を確実に第4条の要件に適合させる」のは主審の任務です。副審まかせにして試合始まってから「ちゃんとチェックしてなかったんですか~?」なんて「責任転嫁」してはいけませんですよ。
さて、このような用具の注意点についてはイラスト化されていると分かりやすいですよね。わたしの手元には日本サッカー協会制作の「サッカーレフェリーズ」2010-2011版がありイラスト付きで解説されています。もうちょっと詳しいもの、そうちょうど絵本のように図解されていたらなあ~。
では、I'll be back.