ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

サッカー審判員にとっての「見る力」~ その②

さて「見る力」の鍛え方編です。あくまで私の場合であり、また自己流ということでお読みください。

 

今回の最重要ワードは「視点」です。使い古された言葉なんですけどこの奥深さに今回気付いたのですね。そして判定の上で「視点」の重要性にも気付かされたのです。

 

そしてこの「視点」と対になっているのが「盲点」です。私はいままでこの言葉を「都会の盲点」のように概念的な言葉としてだけ理解しておりました。でも生物学的に「盲点」って存在しているのですね。つまり人間には「見ているのに」そして疾病のせいでなくとも視界の中にある映像の欠落(=盲点)が存在しているってことです。それを教えてくれた記事がこちら → http://www.blog.sannoudaiganka.jp/?p=176

 

これでいくと、よくコーナーキックの時のゴール前の選手の競り合いの監視時に「視点を固定しないで全体を眺めるように」との方法をお聞きになったことがあると思いますけど、これは正解でもあり間違いでもあります。正解は「視点を固定しない」ということであり「間違い(もしくは誤解しやすい)」は「全体を眺める」ということです。

 

上記の盲点(これを「マリオット盲点」といいます)が全ての原因ではないにしろ、全体を眺めるだけではやはり「見ているのに見えていない」状態が起こりえます。これは例えば「ビジョントレーニング」のメニューでよくある「数字探し」なんかでも体感できます。例えば1~50の数字を順番に指で押さえていく、それに何秒かかるのか?という訓練であるわけですけど、必ず途中で「あれ?あれ?ないじゃん!」となります。つまり欠落している数字などあるわけないし視界の中にあるのに認識できていない(=脳が見えていない)状態なわけです。

 

ちょっと上記のことを整理すると:

 

1)マリオット盲点のように画像からの光を受け取ることが出来ない部分(点)が両眼とも存在する。

2)仮に光を受け取って視神経が画像情報を脳に伝えていても、何らかの理由で脳内で画像を再生できないでいる(上記の「数字探し」とかの場合でしょうか?)

 

というように「見ているのに見えていない」ことが誰にでもあるということです。

 

ここを知ったということが今回大きな意味を持ちました。つまりよりよい判定のために「距離」や「角度」や「ポジション」のことに気を取られていましたけど(そしてもちろんこれらの重要性は結局変わらないのですけど)まずは「人はそもそも全ては見えていない」ということを大前提とすべし、ということです。

 

試合中に選手から「見てないよ」「見えてないよ」と言われたら胸を張って?「そりゃ人だもの」と答えましょう・・・とは出来ないのでこの「見えない」ということを大前提に、よりよく見える訓練をしましょうってことですね。

 

で、私の場合は『その①』で書いたように「両眼視」に問題があったので、それも踏まえ、まずは以下のトレーニングを行いました。

 

両眼視のトレーニング:

① 親指視点移動

② ブロックストリング

 

そして「ビジョントレーニング」が教えてくれたのは「眼球運動(眼球トレーニング)」です。

 

眼球のトレーニング:

① 雑踏視点移動

② 車窓外数字探し

③ 徒歩数字探し

 

 

さて、これらのトレーニング(といっても大半は自己流)を始めて2~3週間での結果はというと・・・ビジョントレーニングは一般的に3か月程度続けて効果が実感できると言われているのですけど、自分の実感ではわりと直ぐに効果が出た(審判が上手くなったかどうかは別として)ように思います。前は全く出来なかったあることが出来るようになったりと・・・。

 

というわけで、具体的なトレーニング方法と効果については次回!

 

では、I'll be back.