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ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

サッカーのファウルと反則と違反のちがいを説明できますか?(中編 その2)

さて、それでは前回の続きです(2週間以上も間があいてしまいました。何かとバタバタしていて・・・ゴメンなさい。)

 

前回の終盤での分析結果(大袈裟!)をまとめると:

 

「競技規則」と「競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン」に出現する「反則」と「違反」という言葉を数えるとどちらかが一方的に多く、「競技規則」と「ガイドライン」ではその関係が全く逆である。

 

競技規則              ガイドライン

反則 < 違反          反則 > 違反 

27   67           73   19

 

 これは何を意味するのでしょうか?

 

 

 

:ということでした。

 

④ 用語の分布からみた「ちがい」

 

さて、具体的に「競技規則」と「ガイドライン」における「違反」と「反則」という言葉の分布(またまた大袈裟)を見てみると、「競技規則」では「違反」は第13条フリーキック、第14条ペナルティキック、第15条スローイン、第16条ゴールキック、第17条コーナーキックに集中しています。そして13条では12回、14条~17条においては各条均等に(10回ずつ)「違反」の言葉が出現します。

 

一方、「反則」は第12条ファウルと不正行為に集中しています。

 

対して「競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン」においては「違反」の出現はぐっと少なくなり、特定の条文に極端に集中するということはなくなります。一方で「反則」の言葉はこれまた第12条ファウルと不正行為に極端に集中(51回!)します。

 

「違反」と「反則」という言葉の分布

           競技規則              ガイドライン

違反    第13条~17条(各条10回以上)    5回以上の出現条項はなし

 

反則    第12条 ファウルと不正行為(13回)   第12条 (51回)

 

 

 

これは特段不思議なことでもなんでもなく、12条においてはファウルの成立要件(基本的条件)や基準(=不用意な、無謀な、過剰な力で)の定義を示しながら、ファウルの条件の外で起こった反則について、また警告や退場になる反則についての解説が加えられているからです。

 

さて、この分布から言えることを単純化すると:

 

「違反」はより広く

「反則」はより限定的に

 

:審判員が判断すべき事象とかかわっているということです。

 

このことから、反則にある要件がそろえばファウルになるように違反にある要件がそろえば反則になるという構造がぼんやりと見えてきます。「ぼんやり」と書いたのは、反則と判断する要件はファウルの場合のように明確に記載されていないからです。

 

 

⑤ 他の用語との結び付きから見た「ちがい」

 

 実際、「競技規則」には「競技規則に違反する」という文章が多少形を変えながら出現します。つまり競技規則という審判員が事象を判断する際の根拠のすべてと違反は結びついているわけです。

 

対して「反則」は競技規則という言葉と直接結びついて使われることはありません。

 

さて今、「競技規則は審判員が事象を判断する際の根拠のすべて」と書きました。このことは次の記載からも明確です。

 

すなわち:

 

第5 条 主審

主審の権限
各試合は、任命された試合に関して競技規則を施行する一切の権限を持つ主審によって
コントロールされる。

 

という条文です。

 

私達が審判員としてある判断を下す時は、いかなる場合においても(例外なく)競技規則に基づいてその判断根拠を説明できることを求められます。

 

ところが実際は競技規則だけでは判断できない事象が多々あります。それらの事象の多くが「反則」についてです。

 

というわけで「ガイドライン」においては「反則」という言葉はその成立可能性についての言葉と結び付くことが多くなります。つまり:

 

反則   である

     となる

     ではない

     とはみなさない

 

等のようにです。

 

一方で、違反はこのような成立可能性の言葉とは結びつきません。なぜなら競技規則という書かれたことに反する、書かれたことと違っている事象はすべて無条件に違反となるからです・・・と断言できればついに「ちがい」が明らかになった!と言えますけどそうは問屋がおろしません。すなわち:

 

違反    を犯したとはみなさない。

      とせず

 

という記載がガイドラインにあるからです。残念・・・うん?ちょっと待って下さい。

「ちがい」がありますね。

 

それは、「反則」は成立する場合と成立しない場合の両方について触れる記述になっていますけど、「違反」は成立しない場合のみとなっています(あくまで言葉の結び付きとしてのことです)。

 

この意味は?

 

ますます混沌として前に進んでいるのかクルクル回っているのかわからない展開になっています。さて次回以降進むことで:

 

ペナルティキックが後方に蹴られた場合は違反なのか反則なのかそして再開方法は?

●スパイクに石ころが入ったプレーヤーがスパイクを脱いだ直後にシュートチャンスが訪れ素足でゴールした場合は違反なのか反則なのかそして再開方法は?

オフサイドの反則においての再開場所は違反が起こった場所それともと反則が起こった場所?

 

などなど審判員として即座に正確に判断できる示唆になればと思っております。

 

 

では、I'll be back.