主審の「反スポーツ的行為」
さて2週間ほど前のカップ戦でのこと。
大会主催チームとして本部席に座って(偉そうに?)各審判の方々のゲームコントロールぶりを拝見していると、「うーん?」と苦笑してしまった行為を、やられている主審の方がいました。
わたしはインストラクターではありませんし、各審判員の方々の審判員としての関わり方の強弱なども見極めながら、ホントに目に余る点だけ(と言っては失礼ですけど)試合後にアドバイス(というかコメント)するようにしています。(一方でもっとうまくなりたい、3級以上目指される意欲ある方には(偉そうに)気付いた点をアドバイスさせていただきます)
さて今回の主審の方がやられたことは・・・直接フリーキックとなった場面でまずボールの位置を攻撃側選手が動かさないように足を使ってマーキング。そして次に守備側の「壁」を下げてから、これまた選手が前に出ないようにと、足を使ってマーキング。
うーん、久しぶりに見たような初めて見たような・・・(再苦笑)。
競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン
第1条 競技のフィールド
フィールドのマーキング
競技のフィールドを破線や溝でマークすることは、認められない。
競技者がフィールドに許可されていないマークを足でつけた場合、反スポーツ的行為で警告されなければならない。試合中に主審がそれを見つけたならば、次にボールがアウトオブプレーになったとき、違反した競技者を反スポーツ的行為で警告しなければならない。
フィールド上にマークするラインは、第1 条に規定されるもののみである。
この、行為について試合後に担当された審判チームの方々に「選手に対して反スポーツ的行為で警告だすわけですから審判員としては・・・」とソフト(このようにインストラクターでない私はなるべく笑顔で尊大にならぬようお伝えするようにしてます)にお話すると主審の方はすでにわかっていたみたいで「そうですね」と謙虚に反省されている様子。
ところが副審の方のお一人が「えっ?審判員もやっちゃだめなんですか?」と仰られました。
そもそも競技規則の解釈にもある通り、競技規則第1 条に規定された以外のマークは認められないわけですから、「やっちゃいけないんです」ね。
その意外な発言を聞いた私は咄嗟に『ははーん』と思い上記の規定を持ち出さずに、ただ一言「我々はバニシングスプレー持っているわけでないですからね」とお伝えしました。すると、その方もそれを聞いて納得のご様子。
このとき私が推測したのは「バニシングスプレー使って審判はフリーキックや壁の位置をコントロールしているんだから足でマーキングすることも(選手はダメだけど)審判員は認められているのでは?」とその副審の方がTVの影響で自己流に解釈されていたのではということです。
足でマーキングすることが有効なコントロール方法であれば研修中にもそのようなトレーニングがあったはずですが・・・なんて皮肉はやめて、そうやって足でマーキングをすればどのようになるかを想像いただければ、その行為が審判員であっても許されない行為であることは自明ですよね。
フィールドは溝だらけ、正式なマークも溝で消されたりして、どのマークが今つけたのか先ほどのマークなのかわからなくなったりして・・・うーん芝や人工芝の時はどうすればいいのやら・・・(ちょと意地悪です。はは。)
あらためて憶測ではありますけどTVの影響はこわいですね。あと余談ながら上級審判員(3級以上)は常にその動作やマネジメントぶりを周りから「マネされる」立場にあるので責任重大です。間違ったことは絶対にやってはならないというプレッシャーの下に自分を置く必要があります(これが常に完璧に出来ていないので、毎回私は「反省部屋」には入るわけですけど)
さてバニシングスプレーをもっていない私たちは如何に壁やボールの位置をコントロールすべきかは以前にも書きましたけど、またあらためて書きますね。
私は個人的にバニシングスプレーを使うことは「好き」ではないです(もちろん使ったことはないですけど)。審判員の動作としてエレガントではないというのがその理由です。
では、I'll be back