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ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

犯人は誰だ? 危険なプレーの「誤認逮捕」を防ぐ。

先日のU12の試合でこんなプレーがありました。

 

Aチームの選手が浮き玉をキックしようとしたらBチームの選手がヘディングしようと飛び込んできました。ちょうどキックしようとしたスパイクが相手選手の頭あたりにきて、そこで主審の笛。

 

主審を担当していた3級のIさんはいわゆる「ハイキック」との判断だったのでしょうか。Bチームの間接フリーキックで試合は再開されました。

 

このプレーを一緒にみていた同期3級のKさんからは「今の逆だよね?」の声が。そうなんです。Aチームの選手は足を高く上げて「危険な方法」でプレーしたのではなく、膝ぐらいの高さのボールをキック。逆にBチームの選手はその膝ぐらいの高さのボールをヘディングしようとしていたのでした。

 

これAチームの選手のキックが接触していたらBチームの選手は頭もしくは顔面に怪我する可能性もありました。

 

というわけで、危険な方法でプレーしたのはAチームの選手ではなくBチームのヘディングしよとした選手なので、Aチームの間接フリーキックで再開すべしというわけです。

 

 競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン

第12 条 ファウルと不正行為

 

危険な方法でのプレー
危険な方法でプレーするとは、ボールをプレーしようとするとき、(自分を含む)競技
者を負傷させることになるすべての行為である。この反則は、近くにいる相手競技者が
負傷を恐れてプレーできないようにすることである。

(下線筆者)

 

Interpretation of the Laws of the Game and Guidelines for Referees

LAW 12 – FOULS AND MISCONDUCT

 

Playing in a dangerous manner
Playing in a dangerous manner is defi ned as any action that, while
trying to play the ball, threatens injury to someone (including the player
himself). It is committed with an opponent nearby and prevents the opponent
from playing the ball for fear of injury.

(下線筆者)

 

「近くにいる相手競技者が負傷を恐れてプレーできない」とはそのままプレーすると:

 

1)自分が怪我をしてしまう。

2)相手を怪我させてしまう。

 

のいずれかになるのでプレーが思い通り出来なかった、というわけです。

 

上記の事象でいえば、仮にAチームの選手のスパイクがBチームの選手の頭や顔面に当たったとしても、それを回避するすべもなくBチームの選手が自分で危険を招いたのならAチームの間接フリーキックで再開です。

 

ただしBチームの選手のケアはお忘れなく。原因にかかわらず負傷しているのは変わりないのですから。

 

危険なプレーの事象は様々です。例えばファウルでもなく転んだ選手が倒れたまま、または起き上がらずに四つん這いの状態でプレーするのも危険なプレーですね。相手競技者は倒れている競技者とボールを競り合うことで怪我をさせてしまう可能性があるわけですから。この場合はまず「立ちあがって!」「立ちあがろう!」といって声をかけましょう。それでも立ちあがらず無視してプレーを続けているなら笛吹いてプレーを止めて、間接フリーキックで試合再開です。

 

どちらの選手が危険なプレーをしているのかを:

 

1)どちらが「不自然な」行動なのか(例えばヘディングで競り合うべきところに足を出す、またはその逆)

2)どちらが怪我する(または怪我させる)ことを恐れたのか(=プレーを躊躇したのか)

3)結果どちらが「不当に」利益を得ようとしているのか

 

という視点から瞬時に見極め判断してくださいね。

 

あと、U12などでは腰より下のボールにヘディングでいって自分が蹴られそうになったのに相手チームの間接フリーキックになると「えっ!ハイキックされたのになんで?」とか競り合いの興奮で、自分が危険なプレーをしたという自覚がない場合もあります。ので、間接フリーキックで再開する前に、例えば「今のはヘディングするには低すぎるボールで危ないよ」と教えてあげるのもありだと思います。

 

危険なプレーは様々な状況が重なるとさらに難しい瞬間的な判断を求められる場合もありますので、またあらためて取り上げたいと思います。

 

では、I'll be back.