ターミネーター3級審判員の反省部屋

パブリックプレッシャーを感じながら今日も走る。サッカー3級審判員の"I'll be back!"な毎日

クイックリスタート時のインターセプト

2年ほど前に、市の選抜チーム(小学生)の試合で主審を務めた時(当時は4級です)こんなことがありました。

 

攻撃していたチームの選手がファールされたので笛を吹いて直接フリーキックで再開。守備側選手が規定の距離を守ってないので下げようとしたらクイックリスタート。

 

主審の私が一番意表を突かれたかも・・・と思いきや、そのキックがコントロールミスで規定の距離を守れていない守備側選手の足元へ。そのままボールをもらった相手チームが反転攻勢へ、という状況でした。

 

試合後、本部席にいた方から「さっきのインターセプト、規定の距離、離れてなかったので、笛吹いて止めてからやり直しでいいと思いますよ」とのアドバイス。「はい」と素直に返事しながら私は心の中で違和感が・・・「うん?」

 

競技規則の解釈と審判員のためのガイドライン 第13条フリーキック

距離

競技者がフリーキックを素早く行って、ボールから9.15ⅿ(10ヤード)離れていない相手競技者がキックを妨害することなく、ボールをインターセプトした場合、主審はプレーを続けさせなければならない。


競技者がフリーキックを素早く行おうとしたところ、ボールの近くにいた相手競技者が意図的にキックを妨害した場合、主審はプレーの再開を遅らせたことでその相手競技者を警告しなければならない。

(下線筆者)

 

そうです。笛で止めるなら、この状況はすでに「警告となる反則」のひとつ「コーナーキック、フリーキックまたはスローインでプレーが再開されるときに規定の距離を守らない」ではなく「プレーの再開を遅らせる」レベルにあると判断したことになるので、やり直し&イエローカード提示です。

 

で、私が主審で経験した上記のケースは「意図的にキックを妨害した場合」ではなく、「相手競技者がキックを妨害することなく、ボールをインターセプトした場合」という上記ガイドライン前者の事象です。

 

当時の私はこれをしっかりと理解してプレーを続けさせた・・・かは怪しい限りです。なぜなら、このことを理解してジャッジできていたなら、本部席の方にも「あの場合、プレーは続けさせるべきですね。なぜなら・・・」と言えたはずですから。

 

これ、しっかりと理解していないと、試合後ではなくフリーキックをミスキックした攻撃側選手から「イエローだよ!」と言われてピピピ!なんてやりかねません。

 

プレー再開時(アウトオブプレーになっても)気を抜かず集中してインターセプトが「不正」なものか素早く判断しなければなりません。といっても、例えばボールの前に立ちはだかっていたらインターセプトの状況に関係なく警告の対象&やり直しもあり得ます。

 

上記のようなガイドラインはなぜあるんでしょうか?

 

ひつには、この「意図的にキックを妨害した」との基準がなければ、競技規則を逆手にとって、規定の距離を守る間もなくボールの近くにいた相手競技者にわざとボールをあてて「はい!警告!」なんてことにもなりかねません。

 

このような理不尽なプレーは排除するというのが正しい競技規則の解釈となるわけです。(ただし次のガイドラインも覚えておいてくださいね → 「競技者がフリーキックを正しく行い、不用意でも、無謀でも、また過剰な力を用いることなく、意図的にボールを相手に当てて、はね返ったボールを再び自分のものとした場合、主審はプレーを続けさせなければならない。」)

 

特にそれぞれのチームの選手が入り乱れている状態でのクイックリスタートでは注意が必要です。

 

さて、この試合での経験から得た教訓は競技規則やガイドラインをしっかりと理解して身に付けておくべし・・・だけでなく「間違ったアドバイスをしない」ということもあろうかと思います。(別にその本部席の方、個人を非難する意図は全くありません)

 

とくに審判経験の浅い方たちに対するアドバイスには注意が必要ですし謙虚さも忘れてならないと思います。いっしょに勉強していく姿勢や常に自分の発言の正確性を意識することも大切です。

 

うーん、こんなこと書いたらプレシャーで筆が重くなる・・・(苦笑)

どうか間違いなり、なんなりご指摘いただければ幸いです。

 

では、I'll be back.